入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第一部

【閑話】ワフルの奉仕と、ポチタロウの決意:5

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「・・・・・・う、・・・」
「気がついたカ? ポチタロ?」



 ゆっくりと目を開けると、横からのぞき込んでいる、ワフルの笑顔があった。
 後頭部には、むにゅっと柔らかいぬくもりがあった。
 幼女にしてはムチムチの、ワフルのドワーフ太ももだ。(これは良い太ももだ)



 どうやらワフルは、気を失った僕に、ひざまくらをしてくれていたみたいだ。
 てか、ひざまくらとな? ・・・これまた僕にとっては初めての経験だ。
 手コキの次にひざまくらの初体験・・・ってのは、なんか順番が違う気がするけど。



 目を覚ました僕は今、浴室の隅の方にいて、体にはバスタオルが何枚もかけられていた。
 ワフルが持ってきてくれたのだろう・・・。
 枚数の多さが、ワフルの優しさを示しているようで、なんか体だけじゃなくて、心まであったかくなる。



「大丈夫カ? ポチタロ?」
「う、うん・・・」



 ワフルの問いに反射的に答えたものの、そのまま僕は、放心していた。
 別に気分が悪かった訳ではない。
 夕日に染まった秋空が、逆光で輝くワフルごしに見える。
 むしろ僕は、新しい自分になったかのような、とてもすがすがしい気持ちだった。



 そっと目を閉じて、開いてみる。
 吹き込んでくる風は、少し肌寒いくらいで、今の僕にはちょうどいい。
 お互い言葉を交わすこともなく、そのまま時間が流れていく。
 ワフルは僕の髪を、分けるように梳かすように、額を優しくなでなでしてくれた。



 結局、朱色に輝くお日様が、地平線の向こうに消えるまで、僕らはそこでそうしていた。
 


「もどろっか。ワフル」
「うん。そうだナ、ポチタロ・・・・・・っつ!」



 立ち上がろうとしたワフルが、ふいに足を押さえてうずくまる。



 「ど、どうしたの、ワフル?」
 「大丈夫だゾ、ポチタロ。ちょっと足がしびれただけだかラ」



 平気なフリをして、そう言うワフルだが、足を押さえながら体がプルプルしてて、顔がこんなん><になっている。・・・ああ。・・・可愛い。
 ・・・じゃなくて、そんなになるまで、ずっと何も言わずに、僕にひざまくらをしてくれてたんだ・・・。



「ワフル、ありがとね」



 僕は、ワフルの頭をポンポンと優しく撫でると、お姫様だっこで抱え上げた。
 僕にかけてくれていたバスタオルを一枚持つと、ワフルの体を覆った。
 そのまま脱衣室まで、ワフルを運んでいく。なるべく紳士に。颯爽と背筋をのばして。
 


「ポチタロ・・・」



 ワフルがまた女の子の顔になってたような気がするし、運んでいく途中で、タオルがはだけて、ちっぱいが見えたりもした。でも僕は全然エッチな気分にはならなかった。ただ父性的な愛しさだけを感じた。



 ワフルに思いっきり抜いてもらった僕は「賢者モード」を通り越して、言うなれば「大賢者モード」になっていた・・・。



 それくらい、とんでもない射精だったのだと思う。
 言うなれば「大射精」だ。



ーーーーーー



 一晩寝て起きても「大賢者モード」は続いていた。
 明鏡止水。まるで千年、修行を積んだ仙人になったかのよう。
 もしくは本当に、勇者から大賢者にクラスチェンジしたかのようだった。



 もちろん仙術が使えるようになったり、とんでもなく賢くなった訳ではない。
 精神的な意味合いでだ。
 どんなことがあっても、白いふさふさのアゴヒゲに手を当てながら「ふぉっふぉっふぉ」と笑っている、そんなおじいさんになったイメージ。



 それからの僕は、晴れ渡った秋の空みたいに、穏やかで澄んだ日々を過ごした。



 サファのリフォーム相談に乗り、リリの「居場所作り」をし、空いた時間でワフルやスーと戯れた。フラリと戻ってくるリリには、ハチミツ入りの美味しい料理を用意したし、朝のミルクティーと共に、くつろぐ時間も忘れなかった。



 エッチな思考は消え去り、みんなを見てると、ただただ、幸せを感じた。
 縁側でひなたぼっこをするような、そして「ちゃんとそれを幸せだと感じられる」ような、そんな心持ちでいた。
 憎しみや怒り、あせりや恐れはなく、ただただ、優しさが満ちあふれていた。



 そうして僕は、そのままみんなと仲良く、平和に暮らしましたとさ。



ー めでたしめでたし ー






・・・
・・・
・・・



 なんて終わるわけもなく・・・。



 1週間が過ぎた頃、ふとしたきっかけで、僕の性欲は戻ってきた。
 まな板の上で、勢いよくひっくり返したブリのように、それはもう「ドン」とぶり返してきた。(ブリだけに)



ーーーーーー



 その日。
 


 僕は、ワフルと二人で「超巨大ブランコ」を作って遊んでいた。
 とあるアルプスの少女が、オープニングアニメで乗っていたようなアレだ。
 自由奔放で無邪気に走り回るワフルは、ちょっとハ○ジを連想させるので、この子をおっきなおっきなブランコに乗せてみたかったのだ。



 ワフルが粘土をモコモコと盛り上げ、僕がそれを豪火で固めていく。
 でっかい三角を2つ作って、それらを円柱状にした粘土で結んだ。
 家のリフォーム資材から、なっが~いロープと、厚めの板きれをもらってきて、座る部分を作った。



 でもそこで問題が生じた。



 元ネタ(アルプスの少女○イジ)のオープニングに準拠して、すごい振れ幅にするべく、とんでもなくおっきい土台を作ったので、横棒までが高すぎた。
 そこにロープがひっかけられなくて、途方にくれることになったのだ。



ー でっかいブランコの土台を作ったけど、土台がおっきすぎて、ロープをひっかけられませんでした ー



 このままではそんな笑い話になってしまう。
 空を飛べるスーを呼びに行くかな?(スーは寝てたし、本気で寝てるスーはなかなか起きないし、起きてもちょくちょく機嫌が悪い)ってなった後にひらめいた。



 「ワフルに階段を作ってもらえばいい」と。
 


 僕は地面に平行に、鉄棒みたいに作ってもらった円柱状粘土までの階段をワフルに作ってもらった。
 その階段を固めながら登っていって、ロープをひっかけてしっかり結んだ。



ー よし。できた! ー



 さっそく僕はこっちに来る前に、セントルムで買った服のうちで、赤い服を着て来てもらうようにワフルに頼んだ。赤い服を着ていた、ハイ○リスペクトだ。



僕は、結構形から入るタイプなのだ。
大賢者と化した今でも。



ーーーーーー



「ワフ、ワフ、ワハハ! いいゾ、ポチタロ!」



ワフルの楽しそうな声が響く。
その声が近づいてくる度に、僕はワフルの背中を力強く押した。



「ワフフフフ~~~♪」



ブランコに乗ってご機嫌の、赤い服を着たワフルの背中を押して、押して、押していく。
その度に振り子の幅は広がっていく。



ワフルが楽しいと、僕まで楽しい。
僕はアルプスの少女○イジの主題歌を口ずさみながら、なんとなく「角度90度超え」をめざして、ブランコに力を加えていった。



「ワフ♪ワフ♪・・・(ボキッ)ワフ、わあああぁぁぁぁーーーーっ!!!」



大賢者にあるまじき愚行だったと思う。
もう少し早く気づくべきだったと思う。
調子に乗って押しすぎたせいで、円柱が折れ、ワフルは叫び声を残しつつ、飛んでいった。



「ワフルーーーーーーー!!!」



僕はワフルをめがけて空を裂いた


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