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第一部

ポチタロウ、回想する(後)

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僕らが、最初のお城「セントルム」へ帰還できたのは、春も終わりのことだった。



「とうちゃーーーぁく!!」
正門をくぐった妖精さんは、元気な声で言った。



「王様に会うまでが、魔王討伐」を合言葉に、頑張ってきた、徒歩組の僕らは、王座の間に、たどり着くと、そのまま、へたりこんでしまった。



「・・・やっっっと・・・着いたよ・・・」
「「・・ふー・・・」」「・・・・・わふ」



いくら大精霊の加護で、疲れにくいとはいえ、長旅で、精神的疲労も蓄積されてたんだと思う。ただ、ただ、もう休みたかった。僕らは互いの背を背もたれにして、そのまま活動を停止した。



魔王討伐報告の謁見は、とりあえず3日後に延期してもらった。僕らは、来賓用の寝室を用意してもらい、そこの大きなベッドにみんなで倒れ込んだ。(妖精さんはフワフワと軟着陸した。)



そのまま3日間、ほとんど、眠り続けた。
思った以上に疲れていたらしい・・・。



・・・ZZZZZ・・・。
・・・ZZZZZ・・・。
・・・ZZZZZ・・・。



・・・3日後。



すっかり元気になった僕らは、謁見に臨み、ぎこちないながらも、魔王討伐の報告を終わらせた。王様も、他の偉い人達も、みんな満足そうな顔をしてたので、よしとしよう。



・・・微笑ましいものを見るような目、だった気もするけど、まあ、よしとしよう。



ひと仕事終えた僕らは、さっそく帰り道で考えた「居場所作り作戦」を開始した。
僕は(犬系獣人なのに)馬車馬のように、奔走し始めた。



偉い人達が、凱旋パレードや、お祭り、立食パーティなんてのを企画してくれてたんだけど、そこらへんは、謹んで辞退させてもらった。



「目立って知名度が上がる」のは「邪魔されずに生きていきたい」という僕らの願いとは、相反するから。



「僕たちはもう、この5人で、ひっそりと暮らせれば、それでいいんです・・・。」
・・・なるべく控えめに、そう言っておいた。



それを聞いた各国の偉い人達は、ちょっとガッカリした感じだったけど、ちゃんと僕らの意向を尊重してくれた。どういう感情か?は、僕には、わからなかったけど、目に涙を浮かべてる人も多かった。



ーーー



幾日か過ぎ、いよいよ報酬の話をする時が来た。僕らは、謁見の場で、まずは「小さな自治区」を所望した。



一番最初は「小さな国をもらう」って、計画でいたんだけど、みんなで話してて「国をもらったりしたら権力争いとかに巻き込まれたりしない?」って話が出た。



そういうドロドロイベントは、ご遠慮願いたいので、スーの頭の辞書を借りて「国以外」の選択肢を探した。あーだこーだと話しているうちに、この世界にも「自治区制度」があることがわかった。



地位や名誉より、ロリとエロだ。
国の統治なんて、したくもない。
おのずと、めざすところが「自治区一択」になった。



ー 自治区の法律は自分達で決めること。 ー

ー 他の全ての国は、その自治に介入しないこと。 ー

ー それらを破った国があったら中央政府(セントルム)が責任をもって処罰すること ー



自治区をもらうにあたり、ここらへんを確約してもらうことにした。ちゃんと書類も、二部ずつ作って、サインもしてもらった。ここらへんはサファの機転だ。



魔王討伐出発時に、同じ契約書二枚にサインさせられたことを、サファは覚えてくれてたのだ。こういう、ややこしいの、元の世界でも、そーいやあったよなぁ・・・。



前世の知識を持っては、いれども、僕はこういうのは苦手だった。お堅い感じの事務処理に、気が回らない。



出発の際、渡された「魔王討伐契約書」の写しも、カバンの中で、くしゃくしゃになってたので、容赦なく、サラマンダーの炎で消し炭にした。そんで、こん時まで、存在すら忘れてたよ。



ーーー



細かい配慮は、サファ頼み。僕は、僕にできることを、こなしていくことにした。偉い人達との交渉、業者さんへの依頼、物資の手配・・・その他もろもろ。



サファは、自然とスケジュール確認や抜けチェックなんかを担当してくれて、なんか秘書みたいなポジションについてくれた。「サファはメガネも似合いそうだなぁ。」その姿を見て僕はそんなことを思った。メガネフェチでは、ないんだけども。



他の3人もそれぞれ「係」を受け持ってもらった。



スーは、住む土地の選定係。
ワフルは、そこを壁で囲う係。
リリは、伝達係 兼、お笑い担当。(お笑い担当は、本人に言ってないけど)



係の時間以外は、それぞれ自由に過ごすようにした。ちょくちょく一緒の時間も過ごした。



ちなみに、王都でのワフルとスーのおじいちゃん人気は、すさまじかった。僕らの中でも特に、幼く見える二人なので、お孫さんでも思い出すんだろう。



ドワーフ(ワフル)と、エルフ(スー)の成長スピードは遅いらしく、二人の見た目は出発前と、ちょっとしか変わっていない。偉い人たちの大半が「おじいちゃん」って、感じだったので、小さい二人は、お城のどこでも持て囃された。



「わふーー♪お菓子、お菓子ー♪」
「おじいちゃん。・・・お菓子、・・・ありがと。」



忙しく動き回る中、二人が、食べ物とかお菓子とかを、もらってるのを、ちょくちょく見かけた。うちの子達に、餌付けをするのは、やめてください・・・><。
おじいちゃん相手と言えども、度が過ぎれば、妬いて、焼いちゃいますよ?



■■■■■■
□□□□□□



僕は報酬についての交渉をどんどん、まとめていった。



さすがに国の偉い人達も「子供まかせの魔王討伐」に引け目があったようで・・・。あまり何も言わずに、僕らの要求を、全面的に聞き入れていってくれた。



綺麗な家→用意しよう。
肉、食べ放題→約束しよう。
トウモロコシ畑→自治区の場所が決まったら、すぐに作らせよう。
ふかふかベッド→必ず用意する。(涙目)



僕らの要求だけでは飽き足らず、交渉担当さんは「生活するのに足りないものは、全部用意する」とまで約束してくれた。ありがたや。



結果。妖精さんを除いた全員、望んだ報酬を全部、受け取れることが決まった。



ーーー



リリ、ご所望の「世界、名花百選」の「全ての花の蜜」・・・。



これだけはかなりの難題だったようだ。
「全部を手に入れるのは、魔王討伐クラスの難易度ですよ!」
・・・と担当者さんに言われてしまった。



「百選の花には、超高地に咲くもの、永久凍土にしか咲かないものなんかも、含まれているんです!」
「そうでなくても世界中を駆け巡らなければ、全ての蜜は集まりません!」
「強い魔物の出現するそばでしか、咲かない花も多くて、単純な人海戦術でなんとかなる話でもありません!」



・・・なんて話を長々と語られた。
僕も、とばっちりで聞かされた・・・。



リリは、それを聞いて、ただ「ふーん」とだけ言った。絶対、理解してないやつだ。笑



その後も「魔王討伐級」の報酬を撤回せず要求し続けた、妖精さんだったが「魔王討伐戦」には一切、参加していない。高いとこから見ていただけだ。



世の中って(妖精さんって)なんか理不尽だね。



ーーー



結局リリは「集められる百種の蜜でどうでしょうか?」と、妥協案を提案された。



「なんであたしのだけ、揃わないのよ!?」



妖精さんは、駄々っ子みたいに、空中で両手足をジタバタして怒った。でも「ハチミツを大量にオマケで付けます!」と言われて、その機嫌は、ケロリと直った。



「ハチミツ、2個で、ハッ、チミ、ツー♪」



黄色いクマさんかよ?プ○さんかよ?その歌、何だよ?可愛いな。リリは、なんて僕を、楽しませてくれるんだろう・・・。



ーーー



ひと悶着あったものの、こうして報酬問題は全て、片付いた。



ちなみに肉や食料は、定期便で届けてくれることになった。ゆくゆくは自給自足とかも手をつけていって、ちゃんと「自治」できるようになりたい。ひとまずは、土地をもらって住むとこから。・・・とにかく一歩ずつだ。



僕らは1キロ四方の草原地帯を自治区として、もらい受け、そこにある大きめの屋敷に住み始めた。



スーが調査して、空き家と水源のある草原を見つけてくれた。ワフルが自治区全体を、地の力を使って、土壁で囲ってくれた。綺麗な家に住みたいと言った、サファプロデュースの元、屋敷も改修してもらった。



こうして「僕らの居場所」が、ひとまず完成したのだった。わーい。



ーーー



自治区の住民はまだ、僕らだけだ。
僕は、建物を改修している間に、遠慮なく、バンバン法律を制定していった。



[多夫多妻制の採用]
(一応、男女平等的に、ね・・・。)

[異種族婚の認可]
(国によっては、禁止されてたりするので制定した。)

[低年齢婚の認可]
(密かに僕は「ロリ婚」と呼んでいる。)

[性交年齢の自由化]
(この世界は全体的に、低年齢セックスに寛容みたいだった。でも念のため、ちゃんと法律にしておいた。)

[居住可能年齢を13歳未満に設定]
(僕のストライクゾーンの上限だ・・・。みんながこの年齢になったら、この数値が上がることだろう。)



・・・とまあ、こんな感じで、好き勝手に法律を作って、その制定を発表しても、大人達は本当に何も咎めてこなかった。



セントルムへ法律を提出した後、僕は心配性モードになり「大丈夫かな?」「大丈夫かな?」って言いながら、数日を過ごした。・・・順調すぎてちょっと怖かった。



後で聞いたとこによると、僕らが旅に出ている間に、預言者さんがセントルムへやってきて、各国要人の前で、冒険状況の映像を流したらしい。(魔法か何かかな?)



小っちゃな僕らが頑張る姿を見て、偉いおじいちゃん達の涙腺は崩壊した・・・という。



「与えられるものは、与えてやろう。無事、帰ってきたら、やりたいようにやらせてやろう。」



各国の偉い人達は、国庫フルオープンの腹づもりで、僕らの帰りを待っていた・・・そうな。



なのに僕らが、控えめな要求ばっか、するもんだから、僕らと話す時、涙をこらえるので精一杯だったという・・・。



そんな裏エピソードは、つゆ知らず・・・。



僕は無事に「合法ロリ」・・・じゃなくて「ロリ合法」な自治区と、可愛いロリ嫁さん達を手に入れた。



ひゃっはー!って言いたくなった。・・・そんなキャラじゃないけど・・・。



屋敷に住めるようになったタイミングで「エッチもしてこー!」と話を進めた。キリのいいタイミングで、勢いで進めとかないと、きっと僕、へたれますもの・・・。



話し合いの末、サファと一番にエッチすることが決まった。決め手となった理由は、サファが一番に、9歳になったことだ。(おのずと「1桁ロリ期間」も一番、短くなったので、推させてもらったのは内緒だ。)



二桁もいけるけど、一桁、貴重だよね?
一桁の間にも、いろいろとエッチなことがしたい。



冒険の間に、父性も育ったけど、ロリコン化はそれ以上に進んだよ?ボクは。みんな、半端なく可愛かったもん。



■■■■■■
□□□□□□



季節はオクタ(10月)の終わりにさしかかり・・・。



いろんなゴタゴタを片付けた僕は、住処となった、小草原の大きな家で、サファの部屋へと向かっていた。共に初夜を過ごす為に。



「よし、僕の時代が来た!
ここからずっと、僕のターン!
ふははははは!・・・・」



・・・こん時はまだ、そんなこと思ってました。はい。



なのに、結果は「ピュルッ」・・・だったよorz
まさか、早漏すぎて、入れる前に出ちゃうなんて・・・。



たしかに、この身体になってからは、おちんちんを触ったりも、してこなかったもんなぁ・・・。精通したのも、ついこないだ、だし。



・・・そら、おちんちんさんも、敏感ですわ。



「はぁ・・・。」



■■■■■■
□□□□□□



「ふー・・・。」



気づけば僕は、自分の部屋のベランダの縁に、腰掛けていた。
夜風が少しだけ、冷たかった。



入れられずに出しちゃった気まずさで、結局、サファの部屋からは、そそくさと逃げ出して・・・そのまま自室のベランダへ、直行したとこまでは覚えている。



そのままそこで、現実逃避して、今まであった出来事を思い返していたようだ・・・。



・・・・・・。



うーーーん。これからどうしよう?



空を見上げた。ベランダごしに、秋の三日月が見えた。サファとの情事に失敗したことを、また思い出した。



「ピュル・・・って・・・。」



僕が落ち込み、途方にくれていると、聞き慣れた声がした。



「・・・ポチー。どうだったーーー?」



ちょっとニヤニヤした顔で、リリが、フワフワやってきた。

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