おとぎ話のような恋

咲真凪

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第1章 漁師町カリオラでの日々

7 眠れない夜に温もりを(1)

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「こんにちはー!フィリアです!薬をお届けに来ましたー!」

 あえてノックをするという無駄なことはせずに、玄関のドアを開けて戸口から大きな声で叫んだ。今ので聞こえただろうかと思っているところへ、家の奥から初老の頃をいくらか過ぎたくらいの女性が顔を出した。

「いらっしゃい、フィリアちゃん。いつもありがとうねぇ」
「こちらこそ、いつも贔屓にしていただいて助かってます」

 軽く世間話を交えながら、頼まれていた薬をカバンから取り出してテーブルの上に並べる。

「こっちの透明な瓶が目の疲れをとる薬で、こっちの茶色の瓶が腰痛に効く薬です。飲む時間帯はいつでも構いません。調子がよくないなぁと感じた時に飲んでくださいね。容量はいつもと同じ、コップの3分の1くらいにしてください。多少飲み過ぎても問題ないですけど、くれぐれも1本丸々一気飲みなんてことはやめてくださいね」
「うふふ。わかったわ。フィリアちゃんの薬は本当によく効くから、いつも助かってるのよ」

 にこにこと嬉しそうにしているおばあさんの顔を見れただけでも、頑張って作った甲斐があったと感じることができる。
 母の代からのお得意様である彼女の元へは、子供の頃から数え切れないくらい何度も来ている。来るたびに美味しいお菓子を出してくれたり、時には家まで野菜や果物を差し入れてくれたりと、本当の孫のように可愛がってくれている。
 年をとるにつれてだんだん耳が遠くなり、昔は茶色だった髪の毛も今は白髪ばかりになったおばあさん。近頃腰も悪くなってきたようで、皺の目立つ手はしきりに腰を擦っている。そんな様子を目にするたびに、時の流れを感じて切ない気持ちになってしまうのだが、それと同時にこの人が少しでも日常生活を快適に過ごせるような薬を作ろうと思えるのだった。
 今日もいつものように、代金と一緒におばあさんが焼いてくれたクッキーをお土産として持たせてくれた。

「ありがとうございます。また入り用なものがあれば言ってくださいね」
「ええ。また近いうちに、何かお願いすると思うわ」
「お待ちしてますね。それでは、今日はこれで失礼します」

 時々お茶をご馳走になっていくこともあるのだが、今日は誘われても真っ直ぐ帰ろうと決めていた。家ではアルが待っている。

「あ、フィリアちゃん!ちょっと待ってくれるかしら…?」

 呼び止められて、玄関のドアノブにかけていた手を離しておばあさんの元へと引き返した。

「どうかしましたか?」

 おばあさんはひどく言いづらい様子をしながら、眉を下げて口を開いた。

「あのね、お願いがあるのだけれど…」

 嫌な予感がしたが、遮ることはせずに笑顔でどうぞと促すと、おばあさんはそのお願いの内容を話してくれた。残念なことに嫌な予感は当たってしまうものだ。

「フィリアちゃんに占ってもらいたいことがあるのよ」
「占い…ですか…」
「ごめんなさいね。あなたが占いをできなくなったこと、忘れたわけじゃないのよ。でも、もう頼れる人があなたしかいなくて…。一度でいいの。試してもらうことはできないかしら?」

 申し訳なさそうに、寂しそうな顔で微笑むおばあさんを見て、フィリアの胸がぐっとつまる。ごめんなさいと、謝らなければならないのはフィリアの方であるにも関わらず、彼女にはフィリアを責めるような様子は欠片も見られない。それが尚更に胸を締め付ける。
 昔から占いは得意な方ではなかったが、経験を積むにつれて精度は上がっていったし失敗することも少なくなっていた。占っても何も視えないなんてことはなかったはずだった。
 だが、今のフィリアにはどれだけ占ったところで、そこに何も視ることができない。きっかけは母の死だった。呪い師でありながら占いができないだなんて、呪い師を名乗る資格がないとショックは大きかった。精神的なものが原因だろうと思っていたので、そのうちまた視えるようになるはずだと自分に言い聞かせてきた。ところがこの半年の間、何度試してみても成功したことはまだ一度だってない。失敗するたびに胸の奥がずきずきと痛むが、痛みに気付かない振りをして、占い以外で頑張ろうと薬作りに精を出してきた。
 占いができなくなった、といつもお世話になっているおばあさんには一番始めに報告した。だからしばらく占いは休ませてほしいと他の町の人達へも知らせていたので、今日まで占いを依頼してきた人は誰もいなかったのだ。

「あれから、まだ占いが成功したことはないんです…一度も…」
「それでもいいの。無理なお願いをしていることはわかっているけれど、失敗したって構わないから、やるだけやってみてくれないかしら…?それでもし何もわからなかったのなら、諦めもつくわ。もちろん、フィリアちゃんに責任を押し付けるつもりもないから安心して頂戴。気軽な気持ちでやってくれればいいから。ね?どうかしら?」

 困っている人を助けるのが呪い師の仕事。これほど求められているというのに、できないと一言で片付けて逃げるなんて真似はフィリアにはできない。
 本心を晒してしまえば、できることならこの依頼は受けたくない。失敗したとしても、優しいおばあさんはフィリアを責めないだろうし、笑って励ましてさえくれるのだろう。けれど、失敗することがわかっていても挑戦できるほどの勇気がまだ持てなかった。占いができない呪い師なんて――と自分をまた責めることになるだろう。
 けれどその一方で、このまま嫌なことに目を背け、皆の優しさに甘えて逃げているだけでいいのかと募ってくる自分もいる。そうだ、このままでいいなんてことはない。いつかは乗り越えなければならないのだから、これがいい機会なのかもしれない。大丈夫、なるようになる。そう自分に言い聞かせて強引に奮い立たせながら、不安気な表情でフィリアの答えを待っているおばあさんに笑みを向けた。

「わかりました。その依頼、お受けします」



***



 4日後、フィリアは占いに必要な道具を携えておばあさんの家を訪ねた。フィリアの占いは"水占い"に分類されるもので、エキナセアの花を浮かべた水を三晩月の光に当てる。その水を透明なガラスの器に移して占うと、水の中に結果を視ることができるはずだった。
 何を媒体にして占いをするかということについては呪い師によって相性があり、フィリアやフィリアの母のように水を使う者もいれば、火や土、石、宝石、カードを使う者など様々だ。
 今回の依頼内容はというと、一般的な呪い師の能力から考えればいたって簡単でシンプルなものだった。遠くの町へ嫁いでいった娘から毎月送られてくる手紙をしまっていた箱をどこに置いたのか忘れてしまい、家中探したけれど見付からない。それを見付けてほしいという依頼だった。
 結論から言ってしまえば、占いは失敗に終わった。本来なら透明な水の中に文字であったり映像であったりと何かしら浮かび上がるものなのだが、集中力が続く限り1時間程は粘ったものの、予想通り何も視ることはできなかった。
 優しいおばあさんはフィリアを責めることもせず、ただありがとうと微笑んで気に病むことはないと励ましてくれたけれど、ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいで彼女の顔を直視することはできなかった。

 その夜、最近のベッド代わりになっているリビングのソファに横たわっていたフィリアは、今日1日のことを思い返して深い溜め息を吐いた。占いもろくにできない上に、1週間書斎に籠って調べていても未だに手掛かりはゼロ。おまけに、落ち込んで帰宅したフィリアの顔を見て、顔色が悪いけれど大丈夫かとアルに心配までさせてしまった。

「こんなの、呪い師失格だよ……」

 毛布を頭から被って、胸の奥に溜まったもやもやとした嫌な気持ちをすべて吐き出すような重い溜め息を吐く。
 何事も前向きに、楽観的に考えることができるのは自分の長所だと思っているが、さすがに堪える。連日の寝不足も悪い方に拍車をかけているのはわかっていたが、生憎今夜もあまり眠れそうにはない。
 先程からもう何度目かわからない溜め息を吐いて、毛布を被ったまま寝返りを打った。

「フィリア……?」

 突然耳に届いた低い声。それもすぐ近くから。
 そっと毛布から顔を出すと床に膝をついたアルがすぐ近くにいて、フィリアを見下ろすようにしていた。リビングのドアが開いたのも気付かなかったし、アルがこれ程近くにいたのにもこうして声をかけられるまで気付かなかった。

「ここで何をしているのかな?」
「え、…っと…」

 思わず言い淀んだのは、アルの声に咎めるような意味合いが含まれていると感じたから。真っ暗闇の中でアルが今どんな顔をしているのかはわからないが、眉間に皺でも寄せていそうだと思った。

「私に自分の部屋を使わせておきながら、まさか君は毎晩ここで眠っているわけではないだろうね?」
「う、ん…ん。まぁ、そうといいますか、なんといいますか…」

 別に悪いことをしたわけではないのに、アルにそういう言い方をされると後ろめたい気持ちになってしまいおかしな返事になってしまった。

「てっきりお母さんの部屋で眠っているものとばかり…」
「そうするつもりだったんだけど、その、よく眠れなくってですね、それで、その」

 毛布から顔だけを出してしどろもどろになりながら説明していると、唐突に毛布を剥ぎ取られ、代わりに手を握られてソファから下りるよう促された。夜目に慣れていないフィリアとは違い、アルは明かりのないこの暗闇の中でもはっきりと見えているようだ。
 おいで、と手を引かれ、毛布と枕をもう片方の腕に抱えたアルに、半ば強引にリビングから連れ出される。どことなくピリピリとした空気を感じるので、ここは大人しく彼に従った方がいいだろうと、繋がれた手をそのままに階段を上がって自分の部屋へと入った。

「君はここで寝なさい。私が下のソファを使うよ」

 フィリアをベッドに座らせて部屋を出ようとするので、繋いだ手に力を入れて引き止める。

「だめ。お客様にソファを使わせるわけにはいかないもの。アルはここ。わたしが別のところで寝るから」

 そう言って立ち上がったものの、両肩を押されて問答無用と再びベッドへ座らされる。

「聞き分けがないね」

 ピリッと空気が震える。静かな声だが反論は許さないとでも言いたげな口調に、条件反射で肩が震えた。
 衣擦れの音がして、アルが動く気配を感じる。両頬を温かい掌に包まれて視線を上げると、ようやく暗闇に慣れてきたらしい視界にアルの顔が映った。ぼんやりとしか見えないのでどんな表情をしているのかまではわからないが、やはりアルが怒っているように感じて途端に不安な気持ちになる。

「アル…怒ってる…?」
「うん、少しね」

 そう言って、頬を包んでいた掌が耳の裏を辿り、指先が首筋を掠めていく。そわりと背筋に震えが走ったように感じ、んっ、と喉奥から吐息のような声が漏れる。すると目の前にいるアルから息を詰めたような気配を感じた。

「寝不足なんだろう?最近顔色が優れなかったのもそのせいなのかな。きちんと眠らないと。睡眠不足は健康の大敵だよ」

 低く掠れたアルの声の中には先程の怒っているような感じはなく、ほっと胸を撫で下ろした。

「それはアルも同じでしょ?わたしのことは心配しなくて大丈夫だから、ね」
「それはこちらのセリフだよ。とにかく君は今夜からここで寝るんだ。いいね?肯定以外の言葉は聞かないよ」
「でも、それじゃあアルはどこで寝るの?本当にソファで寝るつもり?絶対あなたの大きな体じゃ狭いからね?」

 2人掛けのソファだから、フィリアでさえ少し体を丸めるようにして寝ていたのに、フィリアよりも大分大きいアルがあそこに収まるとは到底思えない。

「それなら、別に床でもいい」
「絶対に駄目!」
「それじゃあ、君のお母さんの部屋を使わせてもらおうかな」
「そ、それも、駄目…!」

 なぜだか上手く説明はできないが、アルに母のベッドを使ってほしくはなかった。そして良いことを思い付いた。今までこの考えに至らなかったのが不思議なくらい、良い考えが思い浮かんだのだ。

「わかった。一緒に寝よう!」
「…………は?」
「うん、それがいいよ」

 1人で納得して床につけていた足をベッドの上に上げて壁側へ移動する。隣に空いたスペースをぽんぽんと叩いて、同じ場所から動いていないアルを呼んだ。

「2人だとちょっと狭いかもしれないけど、くっついて寝れば問題ないと思う。わたし寝相は良いし、蹴っ飛ばしたりもしないから安心して」

 それでも何の応答もないので、もう一度隣にできたスペースを叩きながら「アル」と名を呼んだ。

「君は、それでいいの…?」
「うん。…え、何。一緒に寝るの、アルは嫌?」
「……わかってると思うけどね、こんな姿だけれど、これでも一応人間の男なんだよ」
「大丈夫。アルが人なのも男なのもわかってる」
「………誰にでもこんなことを言うのかい?」
「ん?誰にでもっていうか、お母さん以外と一緒に寝たことはないけど。アルならいいの」

 色恋に疎い自覚のあるフィリアにだって、恋仲でもまして夫婦でもない大人の男女が同じベッドで眠るのが普通ではないことくらい、さすがにわかっているつもりだ。ただ、アルは好きでもない相手をどうこうするような人ではないだろうし、フィリアとてアルとそういう深い仲になりたいという願望は一切ないので何も問題ないはずだ。1つのベッドを共有するだけだと思えば何てことはない。
 もう一度名を呼べば、ベッドを軋ませながら隣にアルがやって来た。

「君がそう言うのなら…一緒に眠ろうか」

 アルはそのままフィリアに背を向けて毛布に潜り込んだ。フィリアもアルに背を向けるようにして壁の方を向いて横になる。こうして2人で横になってみるとやはり少し窮屈には感じるものの、狭くて眠れないという程ではなさそうだ。壁の方へできるだけ体を寄せても、背中がアルの体と触れることはない。

「狭くない?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「よかった」

 アルに直接触れているわけではないのに、背中の方がぽかぽかと温かい。シカと同じで、彼は体温も普通の人間より高くなっているのかもしれないなと考えていると、久しぶりに心地いい睡眠の訪れを感じてきた。
 「おやすみ」と呟けば、少し間を空けて「おやすみ」と返ってくる。占いができなくて落ち込んでいた気持ちはもうどこにもなくて、自然と上がる口角はそのままに、ゆっくりと目を閉じた。
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