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4章『転生終焉』
04※
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04
どこで間違えてしまったのだろう。
唯、好きだった。
貴方に愛されているあの女が憎かっただけなのに。
「いやぁぁぁああああ!!やめて!!やめてぇえぇぇぇえええ!!」
無数の魔物がメロードのドレスを溶かしていく。
露わになった肌にぬちゅり、と音を立てながら何かが這う。その度に肌が爛れていき、失神してしまいそうな程の痛みにメロードの眼球がぐるり、と上を向いた。
「駄目だよー、気絶したら」
タマキが指を鳴らせば、触手のような魔物がメロードの首を締め上げた。
失神しかけていたメロードは、息苦しさに意識を取り戻す。
「荒治療だね」
はは、と爽快に笑いながらタマキはメロードから目を離さない。ジッと、侮蔑を含んだ視線でメロードを壊していく。
魔物がメロードの身体を這う。探る。
探る。
探る。
――見つけた。
魔物が求めていた園は硬く閉ざされ、侵入を拒んでいた。だが、魔物には関係が無かった。一匹の獣のような魔物が人間よりも遙かに大きい肉塊を園に捻じ込む。
「ぎゃああああああああぁぁぁあああ!!!」
「痛い?大丈夫。君は一生死なないよ。治癒魔法を掛けておいたからね。君には永遠に魔物の子を産んでもらうんだから、大事にしなきゃ」
タマキの言葉にメロードの表情が更に醜く歪む。
「ば、ばけもの!!お前もっ!こいつらも!!!」
「うん、知ってる。けど、君はそんな化物の子を産むんだ」
メロードの言葉は凶器だった。けれど、そんな凶器はタマキには通用しなかった。タマキが化物だという事は自分が一番わかっているのだから。
「ああぁぁああ!やだぁあああ!!」
魔物の出す粘膜に塗れながらメロードは叫び声をあげる。
濃い粘液を中に何度も出され、細い腹はぷっくりと膨らんでいた。
「ああぁあああぁ…なんで、なんでなのよぉ…!」
――何故こんな目に遭わないといけないのか。ただ、恋をしただけだった。
それをあの女が邪魔をした。だから消そうとした。それだけなのに。
だって、タマキ様には似合わない。私が一番、タマキ様に相応しいのに。
「本当、性根が腐ってるよね」
メロードの心を読んだタマキが、メロードを睨み付けながら言葉を吐き捨てる。
「お前みたいな汚い女、誰が相手にするのかなぁ。ほら、産まれるよ。魔物の子は受精したら直ぐに産まれるからね」
ボコボコ、とメロードの腹の中で何かが暴れる。
出口を探すように、意思を持った何かがメロードの胎内で蠢き、藻掻き、光を、見つけた。
どろり、どろり、と粘膜を纏いながらメロードの入り口から顔を出すソレは、目を塞ぎたくなる程グロテスクだった。
「ひ、ひぃぃいいい!!」
「ほら、君がお腹を痛めて産んだ赤ちゃんなんだから。抱いてその粘膜を舐め取ってあげなよ」
「いや…いや……いやぁああ!やめてぇぇええ!」
一匹の魔物が、産まれたばかりの赤子を手に取り、メロードを渡す。
「ぎゃあぎゃあ」
「いや…来ないで…ひっ…!身体が…!」
拒みたいのに、拒めない。まるで操られているかのように、身体が勝手に動く。
メロードの身体は思考を裏切り、手を伸ばし赤子を胸に抱いた。
べたついた粘膜がメロードの身体を穢す。
「うんうん。ほら、君が舐め取らないと赤子が身動き出来ないよ」
メロードの舌が赤子の粘膜を舐め取る。
生臭い臭い、味が腔内に広がり、胃液が上がってくる。
「うぇ…かはっ…ぐぅぅ…」
「ほら、吐かないの。汚いなぁ」
苦笑しながらタマキはメロードを爪先で突く。
「ああ…いやぁああ!なんでぇええ!!」
「ほら、次を産まなきゃね。君は苗床なんだから」
「もう…殺して…お願い…ころして……」
粘膜が取れ、身体を動かせるようになった子供がメロードの腕から離れ、胸へとしがみ付き、突起にかぶりついた。
「いや、あああぁあ!」
「お腹空いてたんだねぇ。凄い沢山飲んでる」
ごくごく、と喉を鳴らしながら美味しそうに飲む子供にメロードの心は限界だった。
――赦さない。
身体が壊れる事も、心が壊れる事も。
「殺さない。絶対に」
「ひぅ…ううぅ…」
「ダアンド山に居る魔物は皆、君の旦那様だからねぇ。良かったね。皆仲良く暮らせるよ」
再びメロードの腹がぽこり、と膨れる。何度も胎内に魔物の精を吐き出された彼女は沢山の魔物を身籠もっていた。
「あぁぁ…」
「…そろそろゆずも目覚めただろうし帰るね。君は落ち着いたら旦那様に実家に連れて行ってもらいなよ。親に旦那様と子供を紹介、しなきゃね」
ぼこり、と胎内から産まれる異形。意思とは関係無く動く身体。
永遠に続く、絶望にメロードはタマキの笑顔を最後に見た。
美しい、笑みを。
どこで間違えてしまったのだろう。
唯、好きだった。
貴方に愛されているあの女が憎かっただけなのに。
「いやぁぁぁああああ!!やめて!!やめてぇえぇぇぇえええ!!」
無数の魔物がメロードのドレスを溶かしていく。
露わになった肌にぬちゅり、と音を立てながら何かが這う。その度に肌が爛れていき、失神してしまいそうな程の痛みにメロードの眼球がぐるり、と上を向いた。
「駄目だよー、気絶したら」
タマキが指を鳴らせば、触手のような魔物がメロードの首を締め上げた。
失神しかけていたメロードは、息苦しさに意識を取り戻す。
「荒治療だね」
はは、と爽快に笑いながらタマキはメロードから目を離さない。ジッと、侮蔑を含んだ視線でメロードを壊していく。
魔物がメロードの身体を這う。探る。
探る。
探る。
――見つけた。
魔物が求めていた園は硬く閉ざされ、侵入を拒んでいた。だが、魔物には関係が無かった。一匹の獣のような魔物が人間よりも遙かに大きい肉塊を園に捻じ込む。
「ぎゃああああああああぁぁぁあああ!!!」
「痛い?大丈夫。君は一生死なないよ。治癒魔法を掛けておいたからね。君には永遠に魔物の子を産んでもらうんだから、大事にしなきゃ」
タマキの言葉にメロードの表情が更に醜く歪む。
「ば、ばけもの!!お前もっ!こいつらも!!!」
「うん、知ってる。けど、君はそんな化物の子を産むんだ」
メロードの言葉は凶器だった。けれど、そんな凶器はタマキには通用しなかった。タマキが化物だという事は自分が一番わかっているのだから。
「ああぁぁああ!やだぁあああ!!」
魔物の出す粘膜に塗れながらメロードは叫び声をあげる。
濃い粘液を中に何度も出され、細い腹はぷっくりと膨らんでいた。
「ああぁあああぁ…なんで、なんでなのよぉ…!」
――何故こんな目に遭わないといけないのか。ただ、恋をしただけだった。
それをあの女が邪魔をした。だから消そうとした。それだけなのに。
だって、タマキ様には似合わない。私が一番、タマキ様に相応しいのに。
「本当、性根が腐ってるよね」
メロードの心を読んだタマキが、メロードを睨み付けながら言葉を吐き捨てる。
「お前みたいな汚い女、誰が相手にするのかなぁ。ほら、産まれるよ。魔物の子は受精したら直ぐに産まれるからね」
ボコボコ、とメロードの腹の中で何かが暴れる。
出口を探すように、意思を持った何かがメロードの胎内で蠢き、藻掻き、光を、見つけた。
どろり、どろり、と粘膜を纏いながらメロードの入り口から顔を出すソレは、目を塞ぎたくなる程グロテスクだった。
「ひ、ひぃぃいいい!!」
「ほら、君がお腹を痛めて産んだ赤ちゃんなんだから。抱いてその粘膜を舐め取ってあげなよ」
「いや…いや……いやぁああ!やめてぇぇええ!」
一匹の魔物が、産まれたばかりの赤子を手に取り、メロードを渡す。
「ぎゃあぎゃあ」
「いや…来ないで…ひっ…!身体が…!」
拒みたいのに、拒めない。まるで操られているかのように、身体が勝手に動く。
メロードの身体は思考を裏切り、手を伸ばし赤子を胸に抱いた。
べたついた粘膜がメロードの身体を穢す。
「うんうん。ほら、君が舐め取らないと赤子が身動き出来ないよ」
メロードの舌が赤子の粘膜を舐め取る。
生臭い臭い、味が腔内に広がり、胃液が上がってくる。
「うぇ…かはっ…ぐぅぅ…」
「ほら、吐かないの。汚いなぁ」
苦笑しながらタマキはメロードを爪先で突く。
「ああ…いやぁああ!なんでぇええ!!」
「ほら、次を産まなきゃね。君は苗床なんだから」
「もう…殺して…お願い…ころして……」
粘膜が取れ、身体を動かせるようになった子供がメロードの腕から離れ、胸へとしがみ付き、突起にかぶりついた。
「いや、あああぁあ!」
「お腹空いてたんだねぇ。凄い沢山飲んでる」
ごくごく、と喉を鳴らしながら美味しそうに飲む子供にメロードの心は限界だった。
――赦さない。
身体が壊れる事も、心が壊れる事も。
「殺さない。絶対に」
「ひぅ…ううぅ…」
「ダアンド山に居る魔物は皆、君の旦那様だからねぇ。良かったね。皆仲良く暮らせるよ」
再びメロードの腹がぽこり、と膨れる。何度も胎内に魔物の精を吐き出された彼女は沢山の魔物を身籠もっていた。
「あぁぁ…」
「…そろそろゆずも目覚めただろうし帰るね。君は落ち着いたら旦那様に実家に連れて行ってもらいなよ。親に旦那様と子供を紹介、しなきゃね」
ぼこり、と胎内から産まれる異形。意思とは関係無く動く身体。
永遠に続く、絶望にメロードはタマキの笑顔を最後に見た。
美しい、笑みを。
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