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「マナ様、マナ様、朝ですよ?」
呼びかけて起こしてくれたのはアラン様だ。
重たい瞼を開け、目を擦りながら頑張って開ける。
時間は朝、五時半前
「マナ様、おはようございます。」
「あ、おはようございます。アラン様…朝起きられるのすごい…ですね…」
出てこない語彙を絞り出して答える。
「メイドが来る前にお部屋に戻らないといけないので、僕はこれで失礼します。」
「はい……あ、待って…私、お送りします…目を覚まさないといけないので。」
「わかりました。ありがとうございます…!」
アラン様は少し嬉しそうに答えた。
子どもの反応を見るのは楽しいなと思った。
身なりを少し整え、ブランケットを羽織って部屋を出る。
しばらく歩いていると、向こうからルイ王子が歩いて来るのが見えた。
彼も寝起きなのか、目を擦りながらもたもたと歩いている。
私達と目が合うと、彼は左手の渡り廊下へ向かい、すれ違うことは無かった。
ルイ王子の後ろから遅れて来た執事のメーデアが小走りで後を追い、辺りを見回す。
「マナ様、アラン様、おはようございます。ルイ様がこちらへ歩いているのを見かけましたがどちらへ向かわれたかご存知ですか?」
「おはようございます。えっと、渡り廊下をまっすぐ行きましたよ?」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
また小走りで渡り廊下へと曲がった。
「メーデアが大急ぎでしたが、なぜルイ様を追っているのですかね?」
自由奔放な彼にはメーデアでも振り回されているようだ。
「ルイお兄様、今日の家族会議には出席しないと昨日僕に言ったんです。それで、どこかに隠れようとしているのかも……」
出席しない?なぜ…?
アラン様の部屋の前に着くと、ちょうどカリーナが私を起こそうと部屋に向かう途中で出くわし、なぜアラン様といるのかと咎められた。
少し散歩していたと言い訳をしたけれど、嘘とすぐにばれてしまった。
部屋に戻ると、身支度が始まった。
「はあ……一緒に眠っていたと。マナ様、私が怒られますわ。全く、勝手なことを…」
髪を結いながら私に説教をしてくる。
「ごめんなさい……」
「話題は変わりますが、今日の家族会議は朝食後、直ぐに開かれます。私達メイドには今朝、執事から報告があり、やはりクリス様のご婚約相手が決まったとのことでした。相手は……」
「ノア王女でしょう?」
呼びかけて起こしてくれたのはアラン様だ。
重たい瞼を開け、目を擦りながら頑張って開ける。
時間は朝、五時半前
「マナ様、おはようございます。」
「あ、おはようございます。アラン様…朝起きられるのすごい…ですね…」
出てこない語彙を絞り出して答える。
「メイドが来る前にお部屋に戻らないといけないので、僕はこれで失礼します。」
「はい……あ、待って…私、お送りします…目を覚まさないといけないので。」
「わかりました。ありがとうございます…!」
アラン様は少し嬉しそうに答えた。
子どもの反応を見るのは楽しいなと思った。
身なりを少し整え、ブランケットを羽織って部屋を出る。
しばらく歩いていると、向こうからルイ王子が歩いて来るのが見えた。
彼も寝起きなのか、目を擦りながらもたもたと歩いている。
私達と目が合うと、彼は左手の渡り廊下へ向かい、すれ違うことは無かった。
ルイ王子の後ろから遅れて来た執事のメーデアが小走りで後を追い、辺りを見回す。
「マナ様、アラン様、おはようございます。ルイ様がこちらへ歩いているのを見かけましたがどちらへ向かわれたかご存知ですか?」
「おはようございます。えっと、渡り廊下をまっすぐ行きましたよ?」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
また小走りで渡り廊下へと曲がった。
「メーデアが大急ぎでしたが、なぜルイ様を追っているのですかね?」
自由奔放な彼にはメーデアでも振り回されているようだ。
「ルイお兄様、今日の家族会議には出席しないと昨日僕に言ったんです。それで、どこかに隠れようとしているのかも……」
出席しない?なぜ…?
アラン様の部屋の前に着くと、ちょうどカリーナが私を起こそうと部屋に向かう途中で出くわし、なぜアラン様といるのかと咎められた。
少し散歩していたと言い訳をしたけれど、嘘とすぐにばれてしまった。
部屋に戻ると、身支度が始まった。
「はあ……一緒に眠っていたと。マナ様、私が怒られますわ。全く、勝手なことを…」
髪を結いながら私に説教をしてくる。
「ごめんなさい……」
「話題は変わりますが、今日の家族会議は朝食後、直ぐに開かれます。私達メイドには今朝、執事から報告があり、やはりクリス様のご婚約相手が決まったとのことでした。相手は……」
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