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「えっ!?婚約を破棄ですか?」
私が悪役令嬢、マナに転生した事を知った二日後、マーク=イア=ソルジャに言い渡されたのは婚約破棄だった。
マークはこの王国、ノルゲンリール王国の騎士長。金髪で天然パーマ、背も高く風貌が良い彼は女性人気が凄かった。
「あぁ、そうだ。破棄だ。」
「どうしてなのですか!私、貴方様の気に触ることいたしましたか?」
「していない……だが婚約は破棄だ。」
あまりに理不尽すぎる。
風貌が良く、人々から羨ましがられるこの私との婚約を破棄するとは、きっと、もっと素晴らしい女性に目移りしたのね。
いいわ。私も実のところを言うと、貴方よりもこのストーリーの王子の方が好きだもの。
叶わない恋だけれど、私は一直線な人。いつまでも思い続けますわ。
「分かりました。では、私のお父様、お母様にも貴方様からお話いただけます?私は良くわからないので言いようがありませんわ。」
「それはマナから話してくれ。私が王子の事の方が好きだから婚約者に見捨てられたと。」
「なっ…!…私のせいと言うのですか!?」
確かに王子の事の方が好きなのは確か。
けれど、まだこのストーリーが始まって王子になんて会ってなどいないわ!
「そうなんだろう。噂で聞いたぞ。まあ、そういう事だから。」
「待って…!」
そう言うと、去っていった。
ああ、見捨てられた。とにかく、この事をお父様とお母様に説明しないといけないわ。
コンコン……
「お父様、お母様、少しお時間宜しいでしょうか。」
「ええ、入りなさい。」
婚約破棄の事を言うと思うと、息が詰まるような思いだ。やっと決まった婚約も破棄だなんて。怒られることが目に見えますわ。
だが、怒られるという程のものではなかった。
「婚約破棄ですって!?」
「それは本当かね?」
お父様とお母様は質問攻めにしてくる。
「ええ。私、あのお方に訳の分からないことを言われましたの。私が王子の方が好きだから別れようと。私、王子になんてほぼ会ったことはありませんのに。」
「…少しでも目移りしていることを知ったなら、婚約破棄を考えるのは当たり前のこと。王子側にもこちら側にも良くなるよう、言い渡したことだろう。可哀想に。」
「ええ。そうね。あなたには絶望しました。私達の娘でありながら他の人に目移りする娘だなんて。やっと決まった婚約ですのに。」
お父様もお母様も私の味方ではないの?
私が全て悪いの?
あの人と婚約すれば王子を忘れて愛する事もできると思っていたのに。
いいえ、できるのに。
もういいわ。
「そういう事なので………ごめんなさい。お父様、お母様。では…」
………パタン
もう私は誰も信じないわ。
こんな私は自業自得かしら?
まあいいわ。
「このゲームのトゥルーエンドを見てみたいわね。私が前やったときはグットエンドだったから、他はどんな終わり方をするのか気になるわ。やっぱりヒロインと王子様の熱々エンドなのかしら。あぁ…見てみたいわ。
そうだ、どんどんヒロインに嫌がらせをして王子様に守られるように仕立て上げますか。」
悪役令嬢、マナはトゥルーエンドの為に行動することを決めた。
私が悪役令嬢、マナに転生した事を知った二日後、マーク=イア=ソルジャに言い渡されたのは婚約破棄だった。
マークはこの王国、ノルゲンリール王国の騎士長。金髪で天然パーマ、背も高く風貌が良い彼は女性人気が凄かった。
「あぁ、そうだ。破棄だ。」
「どうしてなのですか!私、貴方様の気に触ることいたしましたか?」
「していない……だが婚約は破棄だ。」
あまりに理不尽すぎる。
風貌が良く、人々から羨ましがられるこの私との婚約を破棄するとは、きっと、もっと素晴らしい女性に目移りしたのね。
いいわ。私も実のところを言うと、貴方よりもこのストーリーの王子の方が好きだもの。
叶わない恋だけれど、私は一直線な人。いつまでも思い続けますわ。
「分かりました。では、私のお父様、お母様にも貴方様からお話いただけます?私は良くわからないので言いようがありませんわ。」
「それはマナから話してくれ。私が王子の事の方が好きだから婚約者に見捨てられたと。」
「なっ…!…私のせいと言うのですか!?」
確かに王子の事の方が好きなのは確か。
けれど、まだこのストーリーが始まって王子になんて会ってなどいないわ!
「そうなんだろう。噂で聞いたぞ。まあ、そういう事だから。」
「待って…!」
そう言うと、去っていった。
ああ、見捨てられた。とにかく、この事をお父様とお母様に説明しないといけないわ。
コンコン……
「お父様、お母様、少しお時間宜しいでしょうか。」
「ええ、入りなさい。」
婚約破棄の事を言うと思うと、息が詰まるような思いだ。やっと決まった婚約も破棄だなんて。怒られることが目に見えますわ。
だが、怒られるという程のものではなかった。
「婚約破棄ですって!?」
「それは本当かね?」
お父様とお母様は質問攻めにしてくる。
「ええ。私、あのお方に訳の分からないことを言われましたの。私が王子の方が好きだから別れようと。私、王子になんてほぼ会ったことはありませんのに。」
「…少しでも目移りしていることを知ったなら、婚約破棄を考えるのは当たり前のこと。王子側にもこちら側にも良くなるよう、言い渡したことだろう。可哀想に。」
「ええ。そうね。あなたには絶望しました。私達の娘でありながら他の人に目移りする娘だなんて。やっと決まった婚約ですのに。」
お父様もお母様も私の味方ではないの?
私が全て悪いの?
あの人と婚約すれば王子を忘れて愛する事もできると思っていたのに。
いいえ、できるのに。
もういいわ。
「そういう事なので………ごめんなさい。お父様、お母様。では…」
………パタン
もう私は誰も信じないわ。
こんな私は自業自得かしら?
まあいいわ。
「このゲームのトゥルーエンドを見てみたいわね。私が前やったときはグットエンドだったから、他はどんな終わり方をするのか気になるわ。やっぱりヒロインと王子様の熱々エンドなのかしら。あぁ…見てみたいわ。
そうだ、どんどんヒロインに嫌がらせをして王子様に守られるように仕立て上げますか。」
悪役令嬢、マナはトゥルーエンドの為に行動することを決めた。
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