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後宮で侍女になった私は精霊に好かれている
十一、氷の使い手の医者
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水愛妃の侍女達に対面し、挨拶をした後、私は憂炎さんに医務室へ連れて行かれた。
医務室は意外と広く、薬剤を置いている部屋も隣接されている。
知っている名前の薬草や漢方ばかりだ。
養父のところで薬屋修行したのも何かの運命だったのかな。
私と憂炎さんは医者に案内され、部屋の日当たりが良いところにある椅子に腰を掛けた。
「改めてよろしく。一回合ったよね?」
「あ、はい。一年前でしたっけ。」
「そうだな。それくらい前か。あの時はありがとう。君の精霊の力…シールドかな。あれ
が無かったら倒せなかったよ。」
精霊の力ということを分かっている?
「精霊の力とは……一体何が…」
『駄目。雪蘭。』
「え?」
なんだと思ったら精霊の声だった。
「どうした?雪蘭。」
憂炎さんは不思議そうな顔で覗き込んできた。
すると、だんだん頭が痛くなってきた。
それも、ものすごい激痛に変わってゆく。
「うっ…!ぐ………」
私はあまりの痛さに床に倒れ込んでしまった。
「「雪蘭!!」」
二人は声をかけてくれたが、それどころではない。
『精霊の力を何か他人に聞こうとするとこうなるんだ。この契約を結び、私は強くなれるよう、修行する。言っていなくてごめん。これは君への代償みたいなものなんだ。今治すから。』
精霊は私を治癒魔法で治した。
目を開け、起き上がると、憂炎さんは心配そうな顔でこちらを見ていた。医者は私に使う薬を調合していた。
「あ、目が覚めた。」
憂炎さんは少し驚いたように言った。
「良かった。でも、念の為に痛み止めになる薬を飲んだほうがいい。一回の使用で一日ほどは持つ。意外と万能薬なんだよこれ。」
私は起き上がって調合台に目を向ける。
乾燥させた薬草等をすり潰し、それぞれを調合する……漢方か?ん?これは何だろう…初めて見るなぁ。
「この実かい?不思議そうな顔をしているね。」
「あ、すみません。薬屋で少し勉強をしていたもので、薬学にはほんの少しだけ知識が。ですが、この実は見たことがありません。」
「これはね、薬そのものの苦味を緩和させる為に僕が作ったものなんだよ。まあ、生み出した?が正しいかな。」
「生み出した?実をですか?」
「うん。僕は氷の使い手。兼、草木に宿る精霊の力を持ってる人間だ。」
それは、草木の使い手である養父とは違うのだろうか。
精霊と使い手の違いは一体…
医務室は意外と広く、薬剤を置いている部屋も隣接されている。
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が無かったら倒せなかったよ。」
精霊の力ということを分かっている?
「精霊の力とは……一体何が…」
『駄目。雪蘭。』
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なんだと思ったら精霊の声だった。
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「うっ…!ぐ………」
私はあまりの痛さに床に倒れ込んでしまった。
「「雪蘭!!」」
二人は声をかけてくれたが、それどころではない。
『精霊の力を何か他人に聞こうとするとこうなるんだ。この契約を結び、私は強くなれるよう、修行する。言っていなくてごめん。これは君への代償みたいなものなんだ。今治すから。』
精霊は私を治癒魔法で治した。
目を開け、起き上がると、憂炎さんは心配そうな顔でこちらを見ていた。医者は私に使う薬を調合していた。
「あ、目が覚めた。」
憂炎さんは少し驚いたように言った。
「良かった。でも、念の為に痛み止めになる薬を飲んだほうがいい。一回の使用で一日ほどは持つ。意外と万能薬なんだよこれ。」
私は起き上がって調合台に目を向ける。
乾燥させた薬草等をすり潰し、それぞれを調合する……漢方か?ん?これは何だろう…初めて見るなぁ。
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「あ、すみません。薬屋で少し勉強をしていたもので、薬学にはほんの少しだけ知識が。ですが、この実は見たことがありません。」
「これはね、薬そのものの苦味を緩和させる為に僕が作ったものなんだよ。まあ、生み出した?が正しいかな。」
「生み出した?実をですか?」
「うん。僕は氷の使い手。兼、草木に宿る精霊の力を持ってる人間だ。」
それは、草木の使い手である養父とは違うのだろうか。
精霊と使い手の違いは一体…
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