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【10】虎視眈々~タマ、寮出する
ざわめく寮生
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「タマの立場が悪くなけりゃ、それでいいよ」
何の力にもなっていないけれど、これでせめて中期は逃げられればいい。
「オレ、いま地球部じゃん?」
「うん」
「鳳の奴とよく話すんだけど、朶寮も桜柳寮も楽しそうだよ」
鳳クラスは、殆どがそのふたつの寮に所属している。
御門ほどではないが、小さめの寮で当然結束も固い。
「いっくん、桜柳寮は泊まったんだっけ」
「そうなんだけど、オレずっと腹痛で寝てたからなあ」
幾久は夏の事を思い出して苦笑いした。地球部の御堀に慣れる為に泊まったものの、大失態をしてしまって結局寝ているだけで終わってしまった。
「それでもまあ、他の寮って面白かった。先輩達も優しかったし」
鳳の人たちは面白く、あれこれ教えてくれたりもしたし、他の寮はこんななのか、という勉強にもなった。
「タマも、どうせ後期は鳳行くうもりなら、御門だけじゃなくて他の寮にも希望出してみたらいいと思うんだ。そりゃ、恭王寮でうまくいくのが一番いいんだろうけれど」
児玉は御門寮を希望しているが、児玉の知っている御門寮はいま幾久が所属している御門寮ではなく、久坂の家だったわけだし、以前御門寮の総督でもある高杉は、幾久以外の一年生を入れるつもりがないと断言していたから、御門に所属するのは難しいだろう。
「雪ちゃん先輩が居る間には、なんとかしてくれると思うんだよね」
弥太郎が言うと幾久も頷く。
「それは間違いないと思うよ」
あの時、雪充は幾久に言ってくれたのだから。雪充は約束を破らない。
「このまま、タマの立場がせめて前期くらいの立ち居地に戻ったら、タマもそこまでイラつくこともないと思うんだよな。実際、ここ最近はそこまで苛々してなさそうだし」
やっぱり、寮ではかなり酷かったのかと幾久は思うが、良くなったのなら今はそれはいい。
「それならいいよ」
「それにさ、他の連中も桜柳祭の準備に忙しくなってきたから、部活で遅くなる奴も増えてきてさ。これまでみたいに寮の連中でべったりって訳にもいかなくなってるのもいいのかも」
もしくは、わざとそうしてんのかも、タマみたいに、と弥太郎が言う。
「そっか」
児玉がいじめに巻き込まれるのが面倒で逃げたように、いじめに思いがけなく加担したほうも、面倒で逃げているのかもしれない。
「高校生にもなって、馬鹿げたことしてんなよってマジ思うよな」
弥太郎のため息に、幾久も「ホント」と笑う。
「あ、ごめんいっくん、部活の時間だよね?」
「うん、悪いけどそろそろ行くよ。またなんかあったら教えて。タマには内緒で」
「勿論!」
じゃーな、と二人は機嫌よく手を振って別れた。
幾久はスキップしたい気分だ。
(なんか、急にいい感じになってきた!)
児玉が苛められているときにはどうしようかと思ったけれど、うまくいけば、これで収まるかもしれない。
そうすれば、児玉だって落ち着いて過ごせるし勉強もできるようになる。今みたいに、ちっとも悪くなんかないのに軽音部で過ごす必要もなくなるのだ。
(だいたい、タマだって部活あんだから、そっちに集中して欲しいよな)
児玉はいま、桜柳祭で披露する曲を一生懸命練習中だ。ずっとギターがやりたかったそうで、楽しそうに好きな音楽の話をしている。
だから、幾久は児玉の邪魔をする奴が許せないのだ。
頑張って努力している児玉が、報われないことがあっていいはずがない。
だから、このままきっとうまくいく、そう信じた。
「ご無礼しまーす」
部室に入ると、すでに皆部活の最中だった。
「幾、おせー」
山田に言われ、ゴメンと謝る。
「ちょっと用事でした」
「じゃあ、続きしよっか。いっくん、場面はラダトーム城からだよ」
三吉の言葉に幾久は苦笑する。
「それ、どこ?」
「幾、突っ込むな。突っ込んだら負けだ」
三吉のことだから、きっとまたあの有名なゲームのなんかなんだろうな、帰ったら山縣に聞いてみようと幾久は笑いながら、部活をいつものように楽しく過ごした。
楽しそうに声をあげて笑う幾久を見て、久坂と高杉は顔を見合わせ、ふと笑顔になった。
「―――――さ、こっちもやるか」
高杉の言葉に御堀が頷いた。
児玉は明らかな寮内の変化に気づいていた。
これまで自分を避けていた連中が、次は自分を守り始めている。
なにがあったか聞いてみたいのだが、自分の知らないところでなにかあったのなら、首を突っ込むのもどうかな、と思う。
弥太郎に尋ねても、「まあいいじゃん、面倒だし」と笑っているので、弥太郎もなにか気づいているには違いない。
(ひょっとしなくても、あの日からだよな)
めずらしく弥太郎がパンにしたいから購買についてきてくれ、なんて誘ったから、おかしいなと思いつつも断る理由もなくて付き合った。
案の定、元鷹コンビに捕まって、あれこれいちゃもんをつけられたが、弥太郎が上手にかわして威嚇してくれたから、何事もなく済んだけれど。
あの日、幾久は一人で食堂に居たし、いつもとちょっと様子が変だった。というより、妙に言葉も態度も厳しかった。
伊藤は、自分がしでかしたことを幾久が相当怒っているのだと勘違いしていたが、幾久はそこまで怒っているはずがない。
あの騒ぎの結果、児玉がずっと憧れていた人が久坂の兄だと判ったから、児玉が伊藤を怒れないと言っていたのを知っているからだ。
(幾久の奴、なんかしたな)
あの寮には曲者の先輩が揃っている。児玉のためになにかするとは考えられないが、幾久を猫かわいがりしているのを見ると、多分なにか手助けしたに違いない。
(でも、弥太郎もなんかグルっぽいし)
寮の中で必死に児玉をかばってくれていたのは児玉も知っている。
できる限り、先手を打ったり、一緒に洗濯をしてくれたり、気をつかってくれていた。
それでも隙を見つけては、あの連中が邪魔してきてからどうにもならなかったのだが、今では寮生の殆どが、児玉を守れ、のムードになっている。
元々、恭王寮のカラーはそういうものだった。
喧嘩もなく、争いもなく、できれば静かに過ごしたい。そんな連中が集められたはずだった。
児玉が恭王寮に入れられたのは、多分、入試の面接の際に、緊張しすぎて大人しすぎたせいではないか、と自己分析している。
だから、本来ならあの、ちょっとだけ自己主張の強そうな奴が恭王寮でいばれるはずだった。
それが、児玉と言う存在ですっかり存在感を薄くしてしまったものだから、バランスが崩れたのではないか。
(雪ちゃん先輩も、なんか俺に恭王寮に居て欲しそうだし)
はっきり言われたわけではないが、児玉が御門に行きたいと言う度に、恭王寮も悪くないんじゃないの、と冗談交じりには言っていた。
確かに、寮の環境とか、寮自体に不満はないのだが、結局人の問題だ。
児玉を気にいらない連中が数人居る、それだけが問題になっている。
だけど雪充の雰囲気を見ると、多分だが、児玉を恭王寮寮から追い出すなら、元鷹を追い出しそうな気がする。
それは児玉のほうが正しいとか守りたいとかではなく、単純に、なぜかそんな気がするだけなのだが。
(俺、やっぱ御門、向いてないのかなあ)
児玉が御門寮に行きたがっているのは雪充は知っているし、児玉も自分が憧れた御門寮と場所は違ったとはいえ、憧れた杉松が御門寮に所属していたことは間違いない。
三年間ずっと久坂の家が寮だったわけではなく、暫定的なものだったとも聞いたし。
だから御門には行きたい。
幾久が居るなら余計にだ。
(でも、後期も駄目かなあ)
鳳にはなんとか手が届きそうだが、寮は提督が決めることなので、児玉には全くわからない。
雪充が何を考えているのかせめて聞ければいいのだけど。
(雪ちゃん先輩に、本気で相談してみようかな)
いじめっぽいものはなんだか去ってしまったようだし、このままの状態なら勉強にもそこまで支障が出る事もない。
この空気の中、さすがにこれ以上いじめをするような気は元鷹らにはないだろうし、そもそも、身内同士で争っているような雰囲気もあるので、そのうち自滅しそうでもある。
児玉にとってはどうでもいいことだ。
(幾久に、ちゃんと聞かなきゃな)
多分なにかしてくれたのだろうし、そのお陰でここまで収まったのなら、本当にどれだけお礼を言っても足りない。
(俺、あんなこと言ったのに)
お前には関係ないとか、色々幾久を傷つけたはずなのに、幾久はこうして児玉を助ける為に動いてくれていたわけだ。
(なんか俺って、ホントガキ)
幾久をあまり良く思って居なかった春からずっと反省しきりで、しかも報国院に居ろよといった当の自分が幾久を傷つけて遠ざけて、それなのにまた助けられてしまった。
(絶対、恩返ししねーとな)
全部、きちんと聞いて、きちんと謝って。
それから軽音部の先輩に聞いて、なにか地球部の手助けができないか聞いてみよう。
軽音部は昔から地球部と繋がりが深いと聞いているし、桜柳祭でもコラボしているようなものらしいので、きっとなにか出来る事はあるはずだ。
そう決心すると急に力が湧いてきた気がする。
「おいタマー、一緒に風呂行かね?」
弥太郎が尋ねてきた。いつもより時間が早いが、まあいいか、と頷いた。
「いーよ、行く」
これまでは元鷹の居ない時間帯を狙っていたが、今となっては気にする必要もない。
児玉は弥太郎と一緒に、寮の浴場へ向かった。
何の力にもなっていないけれど、これでせめて中期は逃げられればいい。
「オレ、いま地球部じゃん?」
「うん」
「鳳の奴とよく話すんだけど、朶寮も桜柳寮も楽しそうだよ」
鳳クラスは、殆どがそのふたつの寮に所属している。
御門ほどではないが、小さめの寮で当然結束も固い。
「いっくん、桜柳寮は泊まったんだっけ」
「そうなんだけど、オレずっと腹痛で寝てたからなあ」
幾久は夏の事を思い出して苦笑いした。地球部の御堀に慣れる為に泊まったものの、大失態をしてしまって結局寝ているだけで終わってしまった。
「それでもまあ、他の寮って面白かった。先輩達も優しかったし」
鳳の人たちは面白く、あれこれ教えてくれたりもしたし、他の寮はこんななのか、という勉強にもなった。
「タマも、どうせ後期は鳳行くうもりなら、御門だけじゃなくて他の寮にも希望出してみたらいいと思うんだ。そりゃ、恭王寮でうまくいくのが一番いいんだろうけれど」
児玉は御門寮を希望しているが、児玉の知っている御門寮はいま幾久が所属している御門寮ではなく、久坂の家だったわけだし、以前御門寮の総督でもある高杉は、幾久以外の一年生を入れるつもりがないと断言していたから、御門に所属するのは難しいだろう。
「雪ちゃん先輩が居る間には、なんとかしてくれると思うんだよね」
弥太郎が言うと幾久も頷く。
「それは間違いないと思うよ」
あの時、雪充は幾久に言ってくれたのだから。雪充は約束を破らない。
「このまま、タマの立場がせめて前期くらいの立ち居地に戻ったら、タマもそこまでイラつくこともないと思うんだよな。実際、ここ最近はそこまで苛々してなさそうだし」
やっぱり、寮ではかなり酷かったのかと幾久は思うが、良くなったのなら今はそれはいい。
「それならいいよ」
「それにさ、他の連中も桜柳祭の準備に忙しくなってきたから、部活で遅くなる奴も増えてきてさ。これまでみたいに寮の連中でべったりって訳にもいかなくなってるのもいいのかも」
もしくは、わざとそうしてんのかも、タマみたいに、と弥太郎が言う。
「そっか」
児玉がいじめに巻き込まれるのが面倒で逃げたように、いじめに思いがけなく加担したほうも、面倒で逃げているのかもしれない。
「高校生にもなって、馬鹿げたことしてんなよってマジ思うよな」
弥太郎のため息に、幾久も「ホント」と笑う。
「あ、ごめんいっくん、部活の時間だよね?」
「うん、悪いけどそろそろ行くよ。またなんかあったら教えて。タマには内緒で」
「勿論!」
じゃーな、と二人は機嫌よく手を振って別れた。
幾久はスキップしたい気分だ。
(なんか、急にいい感じになってきた!)
児玉が苛められているときにはどうしようかと思ったけれど、うまくいけば、これで収まるかもしれない。
そうすれば、児玉だって落ち着いて過ごせるし勉強もできるようになる。今みたいに、ちっとも悪くなんかないのに軽音部で過ごす必要もなくなるのだ。
(だいたい、タマだって部活あんだから、そっちに集中して欲しいよな)
児玉はいま、桜柳祭で披露する曲を一生懸命練習中だ。ずっとギターがやりたかったそうで、楽しそうに好きな音楽の話をしている。
だから、幾久は児玉の邪魔をする奴が許せないのだ。
頑張って努力している児玉が、報われないことがあっていいはずがない。
だから、このままきっとうまくいく、そう信じた。
「ご無礼しまーす」
部室に入ると、すでに皆部活の最中だった。
「幾、おせー」
山田に言われ、ゴメンと謝る。
「ちょっと用事でした」
「じゃあ、続きしよっか。いっくん、場面はラダトーム城からだよ」
三吉の言葉に幾久は苦笑する。
「それ、どこ?」
「幾、突っ込むな。突っ込んだら負けだ」
三吉のことだから、きっとまたあの有名なゲームのなんかなんだろうな、帰ったら山縣に聞いてみようと幾久は笑いながら、部活をいつものように楽しく過ごした。
楽しそうに声をあげて笑う幾久を見て、久坂と高杉は顔を見合わせ、ふと笑顔になった。
「―――――さ、こっちもやるか」
高杉の言葉に御堀が頷いた。
児玉は明らかな寮内の変化に気づいていた。
これまで自分を避けていた連中が、次は自分を守り始めている。
なにがあったか聞いてみたいのだが、自分の知らないところでなにかあったのなら、首を突っ込むのもどうかな、と思う。
弥太郎に尋ねても、「まあいいじゃん、面倒だし」と笑っているので、弥太郎もなにか気づいているには違いない。
(ひょっとしなくても、あの日からだよな)
めずらしく弥太郎がパンにしたいから購買についてきてくれ、なんて誘ったから、おかしいなと思いつつも断る理由もなくて付き合った。
案の定、元鷹コンビに捕まって、あれこれいちゃもんをつけられたが、弥太郎が上手にかわして威嚇してくれたから、何事もなく済んだけれど。
あの日、幾久は一人で食堂に居たし、いつもとちょっと様子が変だった。というより、妙に言葉も態度も厳しかった。
伊藤は、自分がしでかしたことを幾久が相当怒っているのだと勘違いしていたが、幾久はそこまで怒っているはずがない。
あの騒ぎの結果、児玉がずっと憧れていた人が久坂の兄だと判ったから、児玉が伊藤を怒れないと言っていたのを知っているからだ。
(幾久の奴、なんかしたな)
あの寮には曲者の先輩が揃っている。児玉のためになにかするとは考えられないが、幾久を猫かわいがりしているのを見ると、多分なにか手助けしたに違いない。
(でも、弥太郎もなんかグルっぽいし)
寮の中で必死に児玉をかばってくれていたのは児玉も知っている。
できる限り、先手を打ったり、一緒に洗濯をしてくれたり、気をつかってくれていた。
それでも隙を見つけては、あの連中が邪魔してきてからどうにもならなかったのだが、今では寮生の殆どが、児玉を守れ、のムードになっている。
元々、恭王寮のカラーはそういうものだった。
喧嘩もなく、争いもなく、できれば静かに過ごしたい。そんな連中が集められたはずだった。
児玉が恭王寮に入れられたのは、多分、入試の面接の際に、緊張しすぎて大人しすぎたせいではないか、と自己分析している。
だから、本来ならあの、ちょっとだけ自己主張の強そうな奴が恭王寮でいばれるはずだった。
それが、児玉と言う存在ですっかり存在感を薄くしてしまったものだから、バランスが崩れたのではないか。
(雪ちゃん先輩も、なんか俺に恭王寮に居て欲しそうだし)
はっきり言われたわけではないが、児玉が御門に行きたいと言う度に、恭王寮も悪くないんじゃないの、と冗談交じりには言っていた。
確かに、寮の環境とか、寮自体に不満はないのだが、結局人の問題だ。
児玉を気にいらない連中が数人居る、それだけが問題になっている。
だけど雪充の雰囲気を見ると、多分だが、児玉を恭王寮寮から追い出すなら、元鷹を追い出しそうな気がする。
それは児玉のほうが正しいとか守りたいとかではなく、単純に、なぜかそんな気がするだけなのだが。
(俺、やっぱ御門、向いてないのかなあ)
児玉が御門寮に行きたがっているのは雪充は知っているし、児玉も自分が憧れた御門寮と場所は違ったとはいえ、憧れた杉松が御門寮に所属していたことは間違いない。
三年間ずっと久坂の家が寮だったわけではなく、暫定的なものだったとも聞いたし。
だから御門には行きたい。
幾久が居るなら余計にだ。
(でも、後期も駄目かなあ)
鳳にはなんとか手が届きそうだが、寮は提督が決めることなので、児玉には全くわからない。
雪充が何を考えているのかせめて聞ければいいのだけど。
(雪ちゃん先輩に、本気で相談してみようかな)
いじめっぽいものはなんだか去ってしまったようだし、このままの状態なら勉強にもそこまで支障が出る事もない。
この空気の中、さすがにこれ以上いじめをするような気は元鷹らにはないだろうし、そもそも、身内同士で争っているような雰囲気もあるので、そのうち自滅しそうでもある。
児玉にとってはどうでもいいことだ。
(幾久に、ちゃんと聞かなきゃな)
多分なにかしてくれたのだろうし、そのお陰でここまで収まったのなら、本当にどれだけお礼を言っても足りない。
(俺、あんなこと言ったのに)
お前には関係ないとか、色々幾久を傷つけたはずなのに、幾久はこうして児玉を助ける為に動いてくれていたわけだ。
(なんか俺って、ホントガキ)
幾久をあまり良く思って居なかった春からずっと反省しきりで、しかも報国院に居ろよといった当の自分が幾久を傷つけて遠ざけて、それなのにまた助けられてしまった。
(絶対、恩返ししねーとな)
全部、きちんと聞いて、きちんと謝って。
それから軽音部の先輩に聞いて、なにか地球部の手助けができないか聞いてみよう。
軽音部は昔から地球部と繋がりが深いと聞いているし、桜柳祭でもコラボしているようなものらしいので、きっとなにか出来る事はあるはずだ。
そう決心すると急に力が湧いてきた気がする。
「おいタマー、一緒に風呂行かね?」
弥太郎が尋ねてきた。いつもより時間が早いが、まあいいか、と頷いた。
「いーよ、行く」
これまでは元鷹の居ない時間帯を狙っていたが、今となっては気にする必要もない。
児玉は弥太郎と一緒に、寮の浴場へ向かった。
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