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入浴
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「え、エリック……見えていませんよね?」
約十分後。
現在、諸々の準備を終え、近くの温泉にて俺は目隠しをした状態で……シエナとメリッサに頭と体を洗ってもらっている。ちゃんと下半身にはタオルを巻いているから安心して欲しい。
「何も見えん。視界は真っ暗で暗闇にいるようだ」
マジで何も見えん。というか、視界が閉ざされているからメリッサとシエナと俺を洗う音と感覚が脳に直に来ている感じがする。
メリッサは俺の頭を洗ってくれているのだが、少し大雑把な性格なのか、指に力を入れながら所構わず勢いよくゴシゴシしている。まあ、個人的にはこういう荒い感じの洗い方は好きなので、気持ちがいい。良いけど……『これが……エリックの……エリックの……頭ですのね……な、なぜか分からないけど……ドキドキしますわ……』とか言いながら洗うのは止めていただきたい。こっちがドキドキするだろうが。
で、シエナの方はと言うと……秘湯でのお手々を使った洗い方や、先日のお風呂での体を使った洗い方ではなく、今日はちゃんと柔らかいタオルを使って洗ってくれている。
それはもう優しく優しく洗ってくれていて、なんというか涙が出そうになくらいだ。シエナの思いが込められているようで……最高です。
そんな感じで頭も体も洗ってもらった後、お湯を掛けてもらって……綺麗サッパリになる。
その後。俺は先に温泉に入って……シエナとメリッサの二人は、お互いの頭や体を洗いっこし始めた。
「シエナさんは……なんというか髪の毛も薄い茶色ですし……毛も薄いですし……全体的に美しいですわね……」
コシコシと何処かを洗う音とともに、メリッサの感嘆する声が聞こえてくる。
そうなんだよなぁ……メリッサは全体的にバランスが取れている女性で、キレイなんだよ。毛が薄いとかそこら辺はまじまじ見ていないから分からないが……確かに、腕とか足とかツルツルだったように思える。まあ、毛の処理とやらをしているらしいが……もともと体毛が薄い人なんだろう。
「メリッサ様こそ、毛の処理をしていないとおっしゃっていましたが……毛なんてどこにも見当たらないくらい綺麗ですよ? これなら、恥ずかしがらなくても良かったのでは?」
「そ、その……ゴニョゴニョゴニョ……」
「そんなことは……あ、あぁ……確かに、少し濃いような気がしますが……形は整っていますし……むしろ殿方は興奮するような感じだと思いますよ?」
なにを二人が話しているのかさっぱり分からん。
毛の話なんだろうが……『濃い』、『形は整っている』、『殿方は興奮する』。この三つの単語を聞いても全くピンとこない。
……うなじのことだろうか? 確かにうなじは形が整っている方がいいよな。ただ……ここで男の俺が横槍を入れるのも無粋だし、黙って彼女たちの話し声と洗う音を聞きながら、温泉を楽しみますか。
しばらくした後。シエナとメリッサが洗い終えたのか、温泉に入ってきた。声から判断して、俺の左にメリッサ、右にシエナというような感じだろう。
「ふぅ……この温泉もいい湯加減で気持ちがいいですね」
「わたくしはもう少し熱いお湯のほうが好みですけど……こういう長い間入ることが出来る温度もいいものですわね」
シエナとメリッサがそれぞれの感想を述べる。俺も二人の意見に首肯し……三人との温泉を楽しむ。
チャプン……チャプン……
お湯が縁に当たる音と、シエナとメリッサの呼吸音だけが聞こえてくる。
モンスターのいない、安全地帯での……開放的な入浴。本当は目隠しを取って景色も楽しみたいところではあったが……みんなと一緒に入れただけで十分だよな。
約十分後。
現在、諸々の準備を終え、近くの温泉にて俺は目隠しをした状態で……シエナとメリッサに頭と体を洗ってもらっている。ちゃんと下半身にはタオルを巻いているから安心して欲しい。
「何も見えん。視界は真っ暗で暗闇にいるようだ」
マジで何も見えん。というか、視界が閉ざされているからメリッサとシエナと俺を洗う音と感覚が脳に直に来ている感じがする。
メリッサは俺の頭を洗ってくれているのだが、少し大雑把な性格なのか、指に力を入れながら所構わず勢いよくゴシゴシしている。まあ、個人的にはこういう荒い感じの洗い方は好きなので、気持ちがいい。良いけど……『これが……エリックの……エリックの……頭ですのね……な、なぜか分からないけど……ドキドキしますわ……』とか言いながら洗うのは止めていただきたい。こっちがドキドキするだろうが。
で、シエナの方はと言うと……秘湯でのお手々を使った洗い方や、先日のお風呂での体を使った洗い方ではなく、今日はちゃんと柔らかいタオルを使って洗ってくれている。
それはもう優しく優しく洗ってくれていて、なんというか涙が出そうになくらいだ。シエナの思いが込められているようで……最高です。
そんな感じで頭も体も洗ってもらった後、お湯を掛けてもらって……綺麗サッパリになる。
その後。俺は先に温泉に入って……シエナとメリッサの二人は、お互いの頭や体を洗いっこし始めた。
「シエナさんは……なんというか髪の毛も薄い茶色ですし……毛も薄いですし……全体的に美しいですわね……」
コシコシと何処かを洗う音とともに、メリッサの感嘆する声が聞こえてくる。
そうなんだよなぁ……メリッサは全体的にバランスが取れている女性で、キレイなんだよ。毛が薄いとかそこら辺はまじまじ見ていないから分からないが……確かに、腕とか足とかツルツルだったように思える。まあ、毛の処理とやらをしているらしいが……もともと体毛が薄い人なんだろう。
「メリッサ様こそ、毛の処理をしていないとおっしゃっていましたが……毛なんてどこにも見当たらないくらい綺麗ですよ? これなら、恥ずかしがらなくても良かったのでは?」
「そ、その……ゴニョゴニョゴニョ……」
「そんなことは……あ、あぁ……確かに、少し濃いような気がしますが……形は整っていますし……むしろ殿方は興奮するような感じだと思いますよ?」
なにを二人が話しているのかさっぱり分からん。
毛の話なんだろうが……『濃い』、『形は整っている』、『殿方は興奮する』。この三つの単語を聞いても全くピンとこない。
……うなじのことだろうか? 確かにうなじは形が整っている方がいいよな。ただ……ここで男の俺が横槍を入れるのも無粋だし、黙って彼女たちの話し声と洗う音を聞きながら、温泉を楽しみますか。
しばらくした後。シエナとメリッサが洗い終えたのか、温泉に入ってきた。声から判断して、俺の左にメリッサ、右にシエナというような感じだろう。
「ふぅ……この温泉もいい湯加減で気持ちがいいですね」
「わたくしはもう少し熱いお湯のほうが好みですけど……こういう長い間入ることが出来る温度もいいものですわね」
シエナとメリッサがそれぞれの感想を述べる。俺も二人の意見に首肯し……三人との温泉を楽しむ。
チャプン……チャプン……
お湯が縁に当たる音と、シエナとメリッサの呼吸音だけが聞こえてくる。
モンスターのいない、安全地帯での……開放的な入浴。本当は目隠しを取って景色も楽しみたいところではあったが……みんなと一緒に入れただけで十分だよな。
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