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ハジメテ?
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シエナを部屋の中に入れる。
彼女は俺を照れながらも熱い目で見つめてきていた。
……さっきまで普通のパジャマで過ごしていたシエナが、今はいわゆる勝負服を着ていた。
服を選定していることから思考は回っているように思える。副作用で発情しているのならばこういうことは今までの経験上出来ないはずだから、そういうのではないのだろう。
であれば、これは一体どういうことなのだろうか……?
「シエナ……一体どうしたんだ? その服は……」
「エリック様。私を……抱いていただけませんか?」
……お……お?
唐突すぎて頭が追いつかないぞ……?
「あー……何か怖いことでもあったのか? それで俺に抱かれることでその恐怖を忘れようとーー」
「いえ、そういうのでは……ないんです。その……エリック様と出会ってしばらくしてからずっとなんですが、アソコが寂しいと訴えかけてくるのです。『発情』したときのような猛烈な感じではないのですが……胸がキュンキュンして、アソコもキュンキュンとして……」
シエナがモジモジとしながら俺に体のことを話してくる。
……なるほど。それは……うん……スキルの副作用で、とかではなく、単に人間の欲求として発情しているだけだな。
「で、でもな? だからといって俺に抱いて欲しいなんて言ってくるのは駄目だぞ? そういう早合点は将来後悔することになるかも知れないしさ。シエナ、そういうのはもうちょっとお互いのことをーー」
「エリック様は……私を抱くのが嫌なのですか? そんなに……私には魅力が……ありませんか?」
シエナが俺の話を遮って若干悲しそうな顔を向けてくる。
……くっ……俺は必死で飛びつくのを我慢しているというのに……! こういうときに俺の弱点を突いてくるのはズルいぞ!
「……シエナはめちゃくちゃ魅力的だぞ? それに……正直言ってシエナのことを抱きたいという気持ちが無いと言えば嘘になるけど……そういうエッチなことをするときは相応の覚悟が必要というか……単に体が寂しくなったから、とかそういう理由ですると体だけの関係みたいじゃん? だから今日のところはーー」
「――私は今日、エリック様の女になるということを覚悟してここに来たんです。アソコが寂しくなったとかそういうのはただの……照れ隠し、あとづけの理由です。エリック様と出会ってからまだ短いですが、私はエリック様のことをお慕い申し上げております。ここまで言っても……まだ私を抱いてくれないのですか?」
シエナは必死で俺に訴えかけてくる。
いや……俺だって出来ることなら出会って三秒でヤりたいくらいにはどストライクだったわけだし、シエナが俺のことを好きだとはっきり言ってくれたのだからもうこのままヤッてしまっても良いんだが……
彼女は今日初めて自分でユニークスキルを発動させて、副作用で己が発情し、正気に戻すために黒い液体を無理やり飲まされるといったハードな一日を送っている。
そういうことがあったので、彼女の体のためにも今日は安静にさせておきたかったのだ。
ギルドの帰りに、街にある診療所でシエナを診てもらって『何も問題ないですね。スキルの副作用も完全に消えていて健康そのものです』と診断されたが……もしものことがあるかも知れない。
過保護過ぎる? それだけシエナを大切に思っているということなのだ。
この期に及んでまだ言い淀んでいると……
「……もし、抱いていただけないのでしたら……しばらく口を聞きませんから!」
シエナがプイッとそっぽを向きながら止めを刺してきた。
――嘘だろ!? シエナに口を聞いてもらえないだなんて……あれ? かなりの衝撃ではあるが、こういう場で言ってくる言葉としてはかなり優しいんじゃないか……?
よく分からんが、普通だったら『抱いてくれないんだったら里に帰らせて頂きます!』とか『あなたのことなんて嫌いになりますから!』とかそういうことを言ってくると思うんだが……シエナ、お前……こういう時まで俺に優しさを振りまいてくれるなんて……
そこまで言うのであれば、もう遠慮などしない。
今日一日は大事に大事をとって安静に、と思っていたが……診療所で大丈夫だと言ってきた医者を信じよう。
俺は体ごとそっぽを向いてしまったシエナを、背中から抱きしめる。奴隷の首輪が若干胸に当たるが気にせず強く、俺の思いを乗せて抱きしめる。
彼女は一瞬ビクン、としたがすぐに俺に体を預けてきた。
「俺が悪かった。シエナがここまで言ってくれていたのに……二の足を踏んで……」
「いえ、私も意地が悪いことをしてしまって申し訳ありませんでした。エリック様が私のことを思って『駄目だ』とおっしゃっていただいているのは分かっていたのですが……心の奥底から湧き上がってくる気持ちを抑えきれなくて……もう、我慢ができないのです」
シエナが耳を赤くする。
……覚悟は決まった。息子もスタンバイ状態に入っている。あとは、『しよっか』というだけだ。
さあ、言え! 言うんだ!
「……じゃあ……シエナ……」
「はい……宜しくおねがいします」
『するぞ!』と言う前にシエナが俺の心を読んでくれたかのように了承をしてきた。
……俺にもエッチなことするぞ! と相手に言える度胸が欲しい……
彼女は俺を照れながらも熱い目で見つめてきていた。
……さっきまで普通のパジャマで過ごしていたシエナが、今はいわゆる勝負服を着ていた。
服を選定していることから思考は回っているように思える。副作用で発情しているのならばこういうことは今までの経験上出来ないはずだから、そういうのではないのだろう。
であれば、これは一体どういうことなのだろうか……?
「シエナ……一体どうしたんだ? その服は……」
「エリック様。私を……抱いていただけませんか?」
……お……お?
唐突すぎて頭が追いつかないぞ……?
「あー……何か怖いことでもあったのか? それで俺に抱かれることでその恐怖を忘れようとーー」
「いえ、そういうのでは……ないんです。その……エリック様と出会ってしばらくしてからずっとなんですが、アソコが寂しいと訴えかけてくるのです。『発情』したときのような猛烈な感じではないのですが……胸がキュンキュンして、アソコもキュンキュンとして……」
シエナがモジモジとしながら俺に体のことを話してくる。
……なるほど。それは……うん……スキルの副作用で、とかではなく、単に人間の欲求として発情しているだけだな。
「で、でもな? だからといって俺に抱いて欲しいなんて言ってくるのは駄目だぞ? そういう早合点は将来後悔することになるかも知れないしさ。シエナ、そういうのはもうちょっとお互いのことをーー」
「エリック様は……私を抱くのが嫌なのですか? そんなに……私には魅力が……ありませんか?」
シエナが俺の話を遮って若干悲しそうな顔を向けてくる。
……くっ……俺は必死で飛びつくのを我慢しているというのに……! こういうときに俺の弱点を突いてくるのはズルいぞ!
「……シエナはめちゃくちゃ魅力的だぞ? それに……正直言ってシエナのことを抱きたいという気持ちが無いと言えば嘘になるけど……そういうエッチなことをするときは相応の覚悟が必要というか……単に体が寂しくなったから、とかそういう理由ですると体だけの関係みたいじゃん? だから今日のところはーー」
「――私は今日、エリック様の女になるということを覚悟してここに来たんです。アソコが寂しくなったとかそういうのはただの……照れ隠し、あとづけの理由です。エリック様と出会ってからまだ短いですが、私はエリック様のことをお慕い申し上げております。ここまで言っても……まだ私を抱いてくれないのですか?」
シエナは必死で俺に訴えかけてくる。
いや……俺だって出来ることなら出会って三秒でヤりたいくらいにはどストライクだったわけだし、シエナが俺のことを好きだとはっきり言ってくれたのだからもうこのままヤッてしまっても良いんだが……
彼女は今日初めて自分でユニークスキルを発動させて、副作用で己が発情し、正気に戻すために黒い液体を無理やり飲まされるといったハードな一日を送っている。
そういうことがあったので、彼女の体のためにも今日は安静にさせておきたかったのだ。
ギルドの帰りに、街にある診療所でシエナを診てもらって『何も問題ないですね。スキルの副作用も完全に消えていて健康そのものです』と診断されたが……もしものことがあるかも知れない。
過保護過ぎる? それだけシエナを大切に思っているということなのだ。
この期に及んでまだ言い淀んでいると……
「……もし、抱いていただけないのでしたら……しばらく口を聞きませんから!」
シエナがプイッとそっぽを向きながら止めを刺してきた。
――嘘だろ!? シエナに口を聞いてもらえないだなんて……あれ? かなりの衝撃ではあるが、こういう場で言ってくる言葉としてはかなり優しいんじゃないか……?
よく分からんが、普通だったら『抱いてくれないんだったら里に帰らせて頂きます!』とか『あなたのことなんて嫌いになりますから!』とかそういうことを言ってくると思うんだが……シエナ、お前……こういう時まで俺に優しさを振りまいてくれるなんて……
そこまで言うのであれば、もう遠慮などしない。
今日一日は大事に大事をとって安静に、と思っていたが……診療所で大丈夫だと言ってきた医者を信じよう。
俺は体ごとそっぽを向いてしまったシエナを、背中から抱きしめる。奴隷の首輪が若干胸に当たるが気にせず強く、俺の思いを乗せて抱きしめる。
彼女は一瞬ビクン、としたがすぐに俺に体を預けてきた。
「俺が悪かった。シエナがここまで言ってくれていたのに……二の足を踏んで……」
「いえ、私も意地が悪いことをしてしまって申し訳ありませんでした。エリック様が私のことを思って『駄目だ』とおっしゃっていただいているのは分かっていたのですが……心の奥底から湧き上がってくる気持ちを抑えきれなくて……もう、我慢ができないのです」
シエナが耳を赤くする。
……覚悟は決まった。息子もスタンバイ状態に入っている。あとは、『しよっか』というだけだ。
さあ、言え! 言うんだ!
「……じゃあ……シエナ……」
「はい……宜しくおねがいします」
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