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第二章 不穏な影

楽しみで楽しみで仕方ありませんわ

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大分馬車も進み、やっと王都が見えてきましたわ。
距離はそこまで遠くは無いにしろ、馬車なら二、三日は掛かります。
いつもなら王都に馬車を使って行くのが面倒くさいので転移魔法や飛行魔法で手抜きをしていましたが、流石に使用人や商人の荷物も含めてしまうと魔法は出来なくは無いのですが、手間と魔力が余分に掛かるのと私がチート能力を発揮し過ぎて例の人に私の存在をバレない様にする為、今回は辞める事にしました。
辞めた結果、タイガーファングに襲われてしまいましたので意味は無かったのですけどね。
と言うかバレてる可能性が高まりました…これは私の失態ですわ…

まあ、起きてしまった物は仕方がありません。
それ以降、この様な事件が起きない様に最新の注意を払って気をつける事にしましょう。

とりあえず、やっと王都が見えたと言う事は王宮にも近付いたと言う事でやっと落ち着いてお茶が出来ると思い嬉しくなりました。

久し振りに来る王都は相変わらず賑やかで平民達が生き生きと商いをしている姿がとても素晴らしいです。
皆自分の仕事に誇りを持って居るのが目に見えて分かりますわ。
この国は素晴らしい国民達に支えられて居ると常々思いましたわ。

そんな国民達を見て居ると早く商会のみんなに会いたくなりました。
タイガーファングを見せてあげたいわね。
タイガーファングの毛皮もこんだけ有ればいろんな作品も作れるから創作意欲も湧くでしょうし、また儲かってしまいますわね。
楽しみで楽しみで仕方がありませんわ。

商会の事を考えていると王宮に向かう途中でルーチェ商会の本店が見えてきましたわ。
遠目から見ましたが相変わらずお客様がいっぱい出入りしているのが見えてとても嬉しくなりましたわね。

スパニッシュ領に本店があると思われる方がいらっしゃいますが実は本店はスパニッシュ領では無く王都にあります。
王都の方が流行に詳しい人達や、インフルエンサーが多いので一度インフルエンサーの方に商品を高評価して頂けたらその日のうちに評価された商品が完売してしまいます。
流行の最先端や影響力を与える人が多いと商売は軌道に乗りやすくなるので本店を王都にしましたわ。

そして、ルーチェ商会の本店は各支店に転移魔法陣が置いていますの許可さえあればどの支店にも自由に行き来する事が可能です。
勿論誰でも行ける訳ではなくオーナーである私と各店舗の店長のみですわ。
つまり転移魔法陣を使えるのはルーチェ商会の幹部クラスの一部のみ…つまり私の許可がないと使えません。
なので今はまだ悪用されたことはありませんがタイガーファングの件もありますので今後は油断はできません。

気を引き締めていかないと…

少しだけ頬っぺたを叩き、しっかりしないとと気を引き締めていこうと決意しました。
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