自宅警備員の本懐

てとてと

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 バトラーは観察する。

 目の前には、13体のヒト型の旧式の軍事ロボットと、工事用の大型ロボットを軍事利用したロボット1体がいる。

 13体のヒト型は、それぞれ違うタイプの銃を持っていた。実弾を発射する物からエネルギー弾、電子弾などの種類があった。

 ヒト型から放たれた弾は、通常、ロボットの弱点ともいえる、バトラーの関節部分にあたる。瞬間にはじけ飛ぶ。

 弾け飛んだところが、クリスマスのイルミネーションのようにきれいな火花が散る。

 「この程度の武装で勝てる確率があったのでしょうか。まったく、理解に苦しみます。不確定要素があったとしても0.1以下の勝率でしょうに。」

 バトラーは一歩を踏み出す。

 それは人間には早過ぎる速度で動く。

 ヒト型は一瞬、目標を見失う。次の瞬間、先頭にいた1体のヒト型が、粉々に砕け散った。

 バトラーは歩みを止めずに、次々とヒト型を殴り、砕いている。

 あっという間に13体のヒト型がスクラップになった。

 いちごは、バトラーとヒト型の戦闘と呼ぶには、一方的な戦いを見て、

 「バトラーさん、すご。」

 っと、思わず声に出る。

 ヒト型は全身に分厚い金属製のアーマを身につけていた。バトラーの拳はその金属製のアーマを、陶器を壊すかの様に簡単に砕いた。

 あたり一面に、配線や金属片などの部品が散らばる。

 1番後ろにいた大型ロボットが、動き出す。現状どの銃火器も効き目がないと思ったのか、バトラーの2倍ほどの大きさのロボットは、2本の大きなアームをバトラーに向けて振りかぶる。

 バトラーはそれを全く気にせず、大型ロボットに近づく。

 大型ロボットは奥の手と言わんばかりに、3本目のアームを取り出す。手の部分が大きなレンチの様になっている。

 バトラーはレンチの部分に挟まれるが、それでも止まらない。

 大型ロボットは絶望した。

 バトラーは大型ロボットに近づき、自分の拳を見て殴る。

 大型ロボットの3本のアームは吹き飛び、胴体はひしゃげる。

 バトラーは大型ロボットを動かないことを確認する。

 そして、いちごの方へと向かっていくのだった。

 
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