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黒猫はおやつに含まれますか?
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子供のころは王子様にあこがれていた。子供のころといっても、もう高校1年生だけれど、長い目で見れば子供である。人生100年時代。まだ20歳にもなっていないのだから。
でも、友達の一言。
「王は死んだ!」
友達は、歴史マニアで、歴歴子という生粋の歴女。歴子は喝破した。
「どうして死んだの?」
「革命がおこったからだ。これからは自由だ」
的な発言で王様はもういないということを知ることになった。ちょうど私たちはフランス革命について勉強していた。
でも、いつも思う。だれかかっこいい上流階級の人が迎えに来てくれないかなって。
素敵な国(パナマとか)に連れて行ってもらいたい。
その日の帰り道、不吉な影を見ることになった。目の前を黒猫が横切ったのだ。クロネコヤマトの宅急便が。
その日は眠れなかった。私の住む地方では迷信があった。
黒猫が前を横切ると3年以内に死ぬ。今までに4、5人はそれで死んでるらしい。
ど、どうなんだろう。クロネコヤマトも黒猫に分類されるのかな。
あまりに不安なので、友達に電話をした。
「歴子。起きてる?」
「なによ?起きてるに決まってるじゃない」
「今日ね。クロネコが私の前を横切ったの」
「へ~。だからなに?」
「死んじゃうんじゃないかって」
「あんた、そんな迷信まだ信じてるの?そんなわけないじゃない」
「うん。そうだよね」
「じゃ、私は寝るから。おやすみ」
プツンと電話は切れた。
こんな不安なことがあるだろうか。クロネコが目の前を横切ったのだ。ああ、恐ろしい。
今日ねてる間に死んでしまうかもしれない!
そうおもって、歴子に再び電話をかけた。
「ただいま、留守にしております。発信音のあとに」
「歴子起きて~~。怖いよ~」
「なによ?」
「あ、起きてた」
「もう寝るんだから、いい加減にしてよね」
「ご、ごめん。でも一つだけ聞きたいことがあって」
「なに?」
「クロネコヤマトは黒猫に含まれるのかな」
「…」
プツン。
「ちょっと~!歴子!!」
切れてしまった。
またかけなおす。
「なによ?」
「どうして切るのよ~」
「そのクロネコヤマトは黒猫に含まれるかって、バナナはおやつに含まれるかぐらいどうでもいい問題よ」
「どうでもよくなんてない!」
「だって、バナナなんていらないじゃない。お菓子の方がおいしいんだし。それとおんなじ」
「え?」
「迷信を信じている暇があったら、歴史でも勉強しなさい。おやすみ」
プー、プー。
電話はまた切れてしまった。
歴子、正直言ってバカだけど、歴史だけはできるのよね。
…私も勉強しないとな。
学校は勉強する場所。
クロネコヤマトも運送会社。
黒猫は生き物。
パンツはおやつに含まれるかぐらい、見当違いなことを私は思っていたのかもしれない。
でも、友達の一言。
「王は死んだ!」
友達は、歴史マニアで、歴歴子という生粋の歴女。歴子は喝破した。
「どうして死んだの?」
「革命がおこったからだ。これからは自由だ」
的な発言で王様はもういないということを知ることになった。ちょうど私たちはフランス革命について勉強していた。
でも、いつも思う。だれかかっこいい上流階級の人が迎えに来てくれないかなって。
素敵な国(パナマとか)に連れて行ってもらいたい。
その日の帰り道、不吉な影を見ることになった。目の前を黒猫が横切ったのだ。クロネコヤマトの宅急便が。
その日は眠れなかった。私の住む地方では迷信があった。
黒猫が前を横切ると3年以内に死ぬ。今までに4、5人はそれで死んでるらしい。
ど、どうなんだろう。クロネコヤマトも黒猫に分類されるのかな。
あまりに不安なので、友達に電話をした。
「歴子。起きてる?」
「なによ?起きてるに決まってるじゃない」
「今日ね。クロネコが私の前を横切ったの」
「へ~。だからなに?」
「死んじゃうんじゃないかって」
「あんた、そんな迷信まだ信じてるの?そんなわけないじゃない」
「うん。そうだよね」
「じゃ、私は寝るから。おやすみ」
プツンと電話は切れた。
こんな不安なことがあるだろうか。クロネコが目の前を横切ったのだ。ああ、恐ろしい。
今日ねてる間に死んでしまうかもしれない!
そうおもって、歴子に再び電話をかけた。
「ただいま、留守にしております。発信音のあとに」
「歴子起きて~~。怖いよ~」
「なによ?」
「あ、起きてた」
「もう寝るんだから、いい加減にしてよね」
「ご、ごめん。でも一つだけ聞きたいことがあって」
「なに?」
「クロネコヤマトは黒猫に含まれるのかな」
「…」
プツン。
「ちょっと~!歴子!!」
切れてしまった。
またかけなおす。
「なによ?」
「どうして切るのよ~」
「そのクロネコヤマトは黒猫に含まれるかって、バナナはおやつに含まれるかぐらいどうでもいい問題よ」
「どうでもよくなんてない!」
「だって、バナナなんていらないじゃない。お菓子の方がおいしいんだし。それとおんなじ」
「え?」
「迷信を信じている暇があったら、歴史でも勉強しなさい。おやすみ」
プー、プー。
電話はまた切れてしまった。
歴子、正直言ってバカだけど、歴史だけはできるのよね。
…私も勉強しないとな。
学校は勉強する場所。
クロネコヤマトも運送会社。
黒猫は生き物。
パンツはおやつに含まれるかぐらい、見当違いなことを私は思っていたのかもしれない。
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