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第3話
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スキルの取得と装備を整える。
俺達のしばらくの目標はこれだ。
この世界の情報は最低限しか持ち合わせていない。
2人での行動で得られる情報は限られる。
しかし、今はただクエストをこなして基本スキルの取得。
差したる問題はない。
スキル獲得クエストの内容は至極シンプルだった。
その武器を使ってゴブリンを5体倒す。
その中で俺は短剣と大剣を受注した。
エクスは片手剣、弓、大槌を受注。
「初期装備の武器でも500Gか。」
それにお金は初期額の1000Gと最初の狩で手にしたお金のみだ。
エクスは弓が初期装備であるだけレベルは6。お金も三項目選べるだけの余剰資金があった。
「回復ポーションが一つ100Gで手元には残らんな。」
「でも、死ぬよりマシでしょ。」
「まあな。」
購入したポーションを腰のポーチに入れ、大剣はストレージに入れた。
***
共闘した時、倒したモンスターの数は共有されるのかという疑問はあったがクエスト進行状況の覧を見たら共有されていた。
これは嬉しい発見だ。
それに夜中なだけあって人がいない分、効率よく進められる。
どこからか次々と来るゴブリンを迎え撃つ。
エクスが背中を守ってくれているだけあって被弾は一度もしていない。
それは弓から片手剣、槍に代わっても変わらなかった。
俺も十ニ分にエクスの背中には気を配った。
大剣を振り威力が上がり、レベルが上がりゴブリンを倒す速度も増していく。
最初の目標であるゴブリン15匹はものの数分でかたがついた。
[レベルがアップしました。]
これで、三度目の表示。
ステータスポイントも手に入った。
それに、成長を肌で感じていた。
筋力値の上昇で筋力と速力の上昇で一段と借りやすくなり、速度の上昇で動体視力の向上で敵の攻撃が遅くなったという錯覚を覚えた。
しかし、戦いの中恐ろしさも知った。
それは疲労度だ。
視界左上にあるHPの緑色のバーの下に存在する青色のバーが戦闘時にみるみる減っていく。
これが減っていくと息は切れ、体は重くなり、かなり動きにくくなった。
「シキはどれにステータス振る?」
「ん?そうだな……。」
今の戦いで感じた事を総まとめしてどうするか。
単純に強くなるなら筋力に。
ただ、強さに速さがついてこなければ意味がない。
だから、速度も上げなくてはいけない。
しかし、動けば動くほど疲労度は蓄積していくから体力も上げなくてはならない。
そして、早く強くなるなら感覚値もだ。
ただ、レベルアップの際にどれか一つ経験ボーナスで1ポイントステータスが上がる。
今のところ筋力に4、速度に1。
残りのステータスポイントは9か。
「エクスはどうしたんだよ。」
「僕は、筋力と感覚重視でその次に速度、最後に体力。
優先順位はこんな感じにしたよ。」
「ふむ……。」
体力は後回しにするか……。
ポーションで疲労度を回復できる。
しかし、瞬時に回復するものではなかった。
継続的にジワリジワリと増えていく。
今後、上位のポーションが手に入るのであれば一番あげる必要性が無いと感じる。
よしっと筋力と速度を重視にし、その次に感覚、体力とする。
シキ レベル7
筋力:16 速度:12
体力:9 感覚:9
こんなところだろう。
そして、クエストクリアでステータス画面にスキルが表示されていた。
[スキル]
短剣術レベル1
短剣装備時5%攻撃力上昇
大剣術レベル1
大剣装備時10%攻撃力上昇
「他のスキルはどこで取るんだろう?」
少なくとも武器スキルを身につけた街の中心にあるクエスト窓口には存在していない。
「それは調べていくしかないね。
で、この後なんだけど次の街に向かおうと思う。」
「もう行くのか?」
「もちろんしっかりと装備を整えて。
少しずつ敵の強さを図りながら移動距離を伸ばして、次の街ってところだけど。
それに、他人に先行させて強い装備を取られるのは結果的に僕達が危ない。」
確かに強い装備を取り逃がせば、今後の戦いで苦戦を強いる。
「……そうだな。」
しかし、強い装備のあるところには必ず強い敵も存在する。
正直、まだ現実味が無さすぎゲーム感覚でやってる部分がある。
ゲーム内で寝て起きるなんて土日や連休でたまにしてしまう事。
唯一、実感することといえばログアウトできないことくらいだ。
「なあ、エクスは……」
実感はあるかと聞こうとした。
だが、言葉を飲んだ。
自分も実感が湧かない状況で他人に聞いても何もならない。
「いや、何でもない。」
本当は湧いてこない方がいいのかも知れない。
湧いてこないって事はそれだけ危険な目に遭っていないのだから。
「そっか。」
ドンッ……!
地響きがした。
そしてもう一度、気のせいでなく確かに響いた。
「休憩はお終いみたいだ。」
「エクス……逃げれると思うか?」
「疲労度の蓄積具合から少し厳しいかな。ポーションは残り3本。」
「俺は残り2本。
疲労度の回復を待ってるか。」
今も徐々に疲労度は回復しつつある。
しかし、まだ半分と達したところ。
「アレに余力残して戦うのは無理じゃない?」
目の前に木々を掻き分けて出てきたのは巨大なゴブリン。
肉体には古傷が浮かび、背には幾つもの武器を背負ったモンスター。
名は[ゴブリンキング]
俺達のしばらくの目標はこれだ。
この世界の情報は最低限しか持ち合わせていない。
2人での行動で得られる情報は限られる。
しかし、今はただクエストをこなして基本スキルの取得。
差したる問題はない。
スキル獲得クエストの内容は至極シンプルだった。
その武器を使ってゴブリンを5体倒す。
その中で俺は短剣と大剣を受注した。
エクスは片手剣、弓、大槌を受注。
「初期装備の武器でも500Gか。」
それにお金は初期額の1000Gと最初の狩で手にしたお金のみだ。
エクスは弓が初期装備であるだけレベルは6。お金も三項目選べるだけの余剰資金があった。
「回復ポーションが一つ100Gで手元には残らんな。」
「でも、死ぬよりマシでしょ。」
「まあな。」
購入したポーションを腰のポーチに入れ、大剣はストレージに入れた。
***
共闘した時、倒したモンスターの数は共有されるのかという疑問はあったがクエスト進行状況の覧を見たら共有されていた。
これは嬉しい発見だ。
それに夜中なだけあって人がいない分、効率よく進められる。
どこからか次々と来るゴブリンを迎え撃つ。
エクスが背中を守ってくれているだけあって被弾は一度もしていない。
それは弓から片手剣、槍に代わっても変わらなかった。
俺も十ニ分にエクスの背中には気を配った。
大剣を振り威力が上がり、レベルが上がりゴブリンを倒す速度も増していく。
最初の目標であるゴブリン15匹はものの数分でかたがついた。
[レベルがアップしました。]
これで、三度目の表示。
ステータスポイントも手に入った。
それに、成長を肌で感じていた。
筋力値の上昇で筋力と速力の上昇で一段と借りやすくなり、速度の上昇で動体視力の向上で敵の攻撃が遅くなったという錯覚を覚えた。
しかし、戦いの中恐ろしさも知った。
それは疲労度だ。
視界左上にあるHPの緑色のバーの下に存在する青色のバーが戦闘時にみるみる減っていく。
これが減っていくと息は切れ、体は重くなり、かなり動きにくくなった。
「シキはどれにステータス振る?」
「ん?そうだな……。」
今の戦いで感じた事を総まとめしてどうするか。
単純に強くなるなら筋力に。
ただ、強さに速さがついてこなければ意味がない。
だから、速度も上げなくてはいけない。
しかし、動けば動くほど疲労度は蓄積していくから体力も上げなくてはならない。
そして、早く強くなるなら感覚値もだ。
ただ、レベルアップの際にどれか一つ経験ボーナスで1ポイントステータスが上がる。
今のところ筋力に4、速度に1。
残りのステータスポイントは9か。
「エクスはどうしたんだよ。」
「僕は、筋力と感覚重視でその次に速度、最後に体力。
優先順位はこんな感じにしたよ。」
「ふむ……。」
体力は後回しにするか……。
ポーションで疲労度を回復できる。
しかし、瞬時に回復するものではなかった。
継続的にジワリジワリと増えていく。
今後、上位のポーションが手に入るのであれば一番あげる必要性が無いと感じる。
よしっと筋力と速度を重視にし、その次に感覚、体力とする。
シキ レベル7
筋力:16 速度:12
体力:9 感覚:9
こんなところだろう。
そして、クエストクリアでステータス画面にスキルが表示されていた。
[スキル]
短剣術レベル1
短剣装備時5%攻撃力上昇
大剣術レベル1
大剣装備時10%攻撃力上昇
「他のスキルはどこで取るんだろう?」
少なくとも武器スキルを身につけた街の中心にあるクエスト窓口には存在していない。
「それは調べていくしかないね。
で、この後なんだけど次の街に向かおうと思う。」
「もう行くのか?」
「もちろんしっかりと装備を整えて。
少しずつ敵の強さを図りながら移動距離を伸ばして、次の街ってところだけど。
それに、他人に先行させて強い装備を取られるのは結果的に僕達が危ない。」
確かに強い装備を取り逃がせば、今後の戦いで苦戦を強いる。
「……そうだな。」
しかし、強い装備のあるところには必ず強い敵も存在する。
正直、まだ現実味が無さすぎゲーム感覚でやってる部分がある。
ゲーム内で寝て起きるなんて土日や連休でたまにしてしまう事。
唯一、実感することといえばログアウトできないことくらいだ。
「なあ、エクスは……」
実感はあるかと聞こうとした。
だが、言葉を飲んだ。
自分も実感が湧かない状況で他人に聞いても何もならない。
「いや、何でもない。」
本当は湧いてこない方がいいのかも知れない。
湧いてこないって事はそれだけ危険な目に遭っていないのだから。
「そっか。」
ドンッ……!
地響きがした。
そしてもう一度、気のせいでなく確かに響いた。
「休憩はお終いみたいだ。」
「エクス……逃げれると思うか?」
「疲労度の蓄積具合から少し厳しいかな。ポーションは残り3本。」
「俺は残り2本。
疲労度の回復を待ってるか。」
今も徐々に疲労度は回復しつつある。
しかし、まだ半分と達したところ。
「アレに余力残して戦うのは無理じゃない?」
目の前に木々を掻き分けて出てきたのは巨大なゴブリン。
肉体には古傷が浮かび、背には幾つもの武器を背負ったモンスター。
名は[ゴブリンキング]
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