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第二部 復興編
1.急な来訪
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「何故アデルがここに!?」
声を掛けようとしたが、ライド王子はスゴく焦って伝令の後を追って走っていってしまった。
あそこまで焦る王子は初めて見たわ。
横に立ってるリネルを見たら、こっちもあ然としている。
「なあ、アデルって誰だ?」
俺の声に、リネルがはっと我に返った。
と、思ったら、ガッと腕を掴まれた。
「お話は向こうで。とにかく王子の後を」
リネルに腕を引っ張られながら、ワタワタと階段を下りる。
後ろを見ると、ザウスも追っかけてきていた。
ひえ、みんな顔が怖いぞ。
走り込んだのは応接の間。
中にはフードを被った数人の男性がいた。
他には、ライド王子が話している女性がひとり。
うっわ、可愛い!
緩くウェーブした艶々の長い亜麻色の髪に、二重のパッチリとした緑の瞳。
ピンク色の唇と、アラビア風衣装に包まれた抜群のボンキュボンスタイル。
なにあの子、芸能界デビューしたら超売れっ子だぞ。
「あら、ザウス久し振り~。リネルも変わらないわね」
ニッコリと笑って手を振る姿も、めっちゃ可愛い。
「アデル、そんなことより何故ここに!こんな少人数の護衛だけで来たのか?」
焦っているライド王子を歯牙にもかけず、動じない少女。
この子がアデル?
そして、誰?
すっごく聞きたいんだが、うっかり話しかけて俺の正体がバレてもマズいしな~。
俺はただの一兵士のスタンスだからね。
とりあえずザウスの部下です~的な雰囲気を出して、黙って気配を消して立っていよう。
「大丈夫よ、ライド。私の側近達はみんな手練れですもの。それよりも、急に文が届かなくなったってシシル宰相から聞いて、びっくりしたのよ?」
両手をグー握りしてブンブン上下に振って、心配したんだからっ!と怒る姿も可愛らしい。
「あ~……す、すまない。色々と立て込んでいてだな…」
タジタジとしてるライド王子を見るに、かなり仲の良い相手のようだな。
彼女か?
微笑ましいやりとりをぼんやりと見ていると、不意にユラリと殺気のようなものが立ち上って、ハッと身構える。
後ろのフードの男!
一瞬で詰め寄って、剣を抜きかけていた右腕ごと腹を蹴って吹き飛ばす。
ライド王子の前には、ザウスが剣を抜き放ってカバーに入っているのを一瞬で確認して、その横に立つフードの男にも回し蹴りを叩き込んだ。
と、思ったが、腕でガードされた。
ステップを踏んで体を捻じり、今度は右手の手刀を首目掛けて繰り出す。
「そこまで!」
一番後ろのフードの男が叫んだ途端、殺気がフッと掻き消えた。
首に入るギリギリの所で、俺も手を止めた。
アイツがリーダーか?
フードを取った男は、壮年のシブいイケオジだった。
「えっ……シシル!?」
後ろでライド王子の叫び声が上がる。
シシル……?シシルって確か……この国の宰相の名前…。
「すごい体術を使うなお前。テイルを吹っ飛ばすとは大したもんだ。俺も危なかったぜ」
手刀を入れる寸前だった男がフードを外してコートを脱ぐと、ザウスと同じ年頃の男だった。
お、コイツもイケメンだな。
茶色の短髪に黒目で凛々しい。
さっき回し蹴りを止めた時にも感じたが、やっぱり体もすごく鍛えられていた。
俺の手刀にも反応していたから、多分止めなくても防がれてただろうな。
「スザールか」
今度は、剣を下ろしたザウスが反応した。
護衛同士で面識があるようだ。
「いってて……スゲー蹴りだな。腕が折れるかと思ったぜ」
ひっくり返ってた男が起き上がると、右手をイテテと振った。
「すまん、とっさに体が動いちまった」
手を握手のように差し出すと、軽くパンと打ち鳴らしてきた。
この世界の兵士同士の挨拶だ。
「剣には自信あるんだが、抜かせてもらえないとはな~」
頭を掻いてい笑ってる、ちょっと軽そうな青年テイルは、銀髪青目のこれまたイケメン。
護衛って顏で選んでるんじゃないよな?と疑うレベルでみんなイケメンだ。
シシル宰相が俺の前に来ると、じっと見つめてくる。
「良い護衛を付けていて安心したが……見慣れぬ体術だ。ライド王子、この者はどこから?」
多分テストする為に護衛のスザールにわざと殺気を出させたんだろう。
成程、食えない御仁だな。
「………聖女様です」
シシル宰相と握手をした瞬間だったが、俺はピキッと固まった。
「……は?」
来訪者全員の目が点になってるじゃないか!
言い方!ライド王子、言い方!
「…………せいじょ……様…??」
アデルちゃんの視線が一番痛かった。
上から下まで2往復したよね?
ギャフン。
声を掛けようとしたが、ライド王子はスゴく焦って伝令の後を追って走っていってしまった。
あそこまで焦る王子は初めて見たわ。
横に立ってるリネルを見たら、こっちもあ然としている。
「なあ、アデルって誰だ?」
俺の声に、リネルがはっと我に返った。
と、思ったら、ガッと腕を掴まれた。
「お話は向こうで。とにかく王子の後を」
リネルに腕を引っ張られながら、ワタワタと階段を下りる。
後ろを見ると、ザウスも追っかけてきていた。
ひえ、みんな顔が怖いぞ。
走り込んだのは応接の間。
中にはフードを被った数人の男性がいた。
他には、ライド王子が話している女性がひとり。
うっわ、可愛い!
緩くウェーブした艶々の長い亜麻色の髪に、二重のパッチリとした緑の瞳。
ピンク色の唇と、アラビア風衣装に包まれた抜群のボンキュボンスタイル。
なにあの子、芸能界デビューしたら超売れっ子だぞ。
「あら、ザウス久し振り~。リネルも変わらないわね」
ニッコリと笑って手を振る姿も、めっちゃ可愛い。
「アデル、そんなことより何故ここに!こんな少人数の護衛だけで来たのか?」
焦っているライド王子を歯牙にもかけず、動じない少女。
この子がアデル?
そして、誰?
すっごく聞きたいんだが、うっかり話しかけて俺の正体がバレてもマズいしな~。
俺はただの一兵士のスタンスだからね。
とりあえずザウスの部下です~的な雰囲気を出して、黙って気配を消して立っていよう。
「大丈夫よ、ライド。私の側近達はみんな手練れですもの。それよりも、急に文が届かなくなったってシシル宰相から聞いて、びっくりしたのよ?」
両手をグー握りしてブンブン上下に振って、心配したんだからっ!と怒る姿も可愛らしい。
「あ~……す、すまない。色々と立て込んでいてだな…」
タジタジとしてるライド王子を見るに、かなり仲の良い相手のようだな。
彼女か?
微笑ましいやりとりをぼんやりと見ていると、不意にユラリと殺気のようなものが立ち上って、ハッと身構える。
後ろのフードの男!
一瞬で詰め寄って、剣を抜きかけていた右腕ごと腹を蹴って吹き飛ばす。
ライド王子の前には、ザウスが剣を抜き放ってカバーに入っているのを一瞬で確認して、その横に立つフードの男にも回し蹴りを叩き込んだ。
と、思ったが、腕でガードされた。
ステップを踏んで体を捻じり、今度は右手の手刀を首目掛けて繰り出す。
「そこまで!」
一番後ろのフードの男が叫んだ途端、殺気がフッと掻き消えた。
首に入るギリギリの所で、俺も手を止めた。
アイツがリーダーか?
フードを取った男は、壮年のシブいイケオジだった。
「えっ……シシル!?」
後ろでライド王子の叫び声が上がる。
シシル……?シシルって確か……この国の宰相の名前…。
「すごい体術を使うなお前。テイルを吹っ飛ばすとは大したもんだ。俺も危なかったぜ」
手刀を入れる寸前だった男がフードを外してコートを脱ぐと、ザウスと同じ年頃の男だった。
お、コイツもイケメンだな。
茶色の短髪に黒目で凛々しい。
さっき回し蹴りを止めた時にも感じたが、やっぱり体もすごく鍛えられていた。
俺の手刀にも反応していたから、多分止めなくても防がれてただろうな。
「スザールか」
今度は、剣を下ろしたザウスが反応した。
護衛同士で面識があるようだ。
「いってて……スゲー蹴りだな。腕が折れるかと思ったぜ」
ひっくり返ってた男が起き上がると、右手をイテテと振った。
「すまん、とっさに体が動いちまった」
手を握手のように差し出すと、軽くパンと打ち鳴らしてきた。
この世界の兵士同士の挨拶だ。
「剣には自信あるんだが、抜かせてもらえないとはな~」
頭を掻いてい笑ってる、ちょっと軽そうな青年テイルは、銀髪青目のこれまたイケメン。
護衛って顏で選んでるんじゃないよな?と疑うレベルでみんなイケメンだ。
シシル宰相が俺の前に来ると、じっと見つめてくる。
「良い護衛を付けていて安心したが……見慣れぬ体術だ。ライド王子、この者はどこから?」
多分テストする為に護衛のスザールにわざと殺気を出させたんだろう。
成程、食えない御仁だな。
「………聖女様です」
シシル宰相と握手をした瞬間だったが、俺はピキッと固まった。
「……は?」
来訪者全員の目が点になってるじゃないか!
言い方!ライド王子、言い方!
「…………せいじょ……様…??」
アデルちゃんの視線が一番痛かった。
上から下まで2往復したよね?
ギャフン。
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