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第二章
オネエの実力、ラシードの苦悩 5
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<リカー視点>
こんなに嬉しい一日はなかった。
ライジャ様とナオちゃんが結ばれた日が人生最良の日だったのに、それを軽く越えてしまったわ。
真面目なラシードのことだからちゃんと返事はしてくれるだろうとは思っていたけれど、まさかこんなサプライズをしてくれるなんて想像もしてなかった。
アタシとラシードの鱗で作られた見事な装飾を身に着けた姿は、やっぱり極上の男だったわ。
煌めく鱗の光に負けないマリンブルーの瞳は、しっかりとアタシを捕らえて離さず、改めてプロポーズをしてくれた。
なんていい男なのかしら。
この男がこれからアタシだけのものになるなんて、夢のよう。
でも夢じゃもったいないから、しっかりと頂くわ。ふふふ。
自分で用意したものとカナンから貰ったものを持って、ラシードとルルゥの島に向かう。
何度か来たけれど、ステキな場所よね。
とにかく夕陽がロマンチックよ。
一般の民用に離れて5軒が建てられていたけど、今回はナオちゃんが自ら建てた家を是非使って~と勧めてくれたから、有り難く使わせて頂くの。
家の前に設置されたチェアに腰かけて2人で見る夕陽は、最高に綺麗。
「なんて綺麗……まだ夢を見てるみたいよ、ラシード」
「うん、綺麗だな……」
ラシードは杯を傾けて差し入れに貰った酒に舌鼓をうっている。
そんなに飲んではいないけど、連日の仕事の疲れも相まって少しトロリとしてる。
目元が少し赤くなって、可愛いわぁ。
「ラシード、少し疲れてるでしょ……それ飲んだら、休みましょ」
「……お、おう…そうだな」
流し目を送ると、イケメンがキョドってる。
アタシは準備の為に先に家に入った。
持ってきた綺麗な柄のシーツをベッドに被せて、横に2種類の玉をこそっと用意する。
ラシードが入ってきて、カナンから渡された冊子を手に取ってベッドに腰掛ける。
厳重に梱包してあるヒモと格闘している間、アタシは鼻歌を歌いながら、いつもしている化粧をキレイに落とした。
「カナンのヤツ……なんでこんなにしっかりとっ」
吹き出しそうになるのを堪えて、邪魔になる髪を後ろで括る。
ようやく解けたヒモにほっとしているイケメンさん。
その中身を見たら、ビックリするでしょうねぇ。
「………ん?……んん?………え…?」
ゆっくりと立ち上がって、焦ってパラパラと頁をめくっているラシードの前に立つ。
「何が書いてある?」
「いや、なにも………へ?」
全て白紙の冊子を手に、困った顔で見上げて来たラシードは、アタシの顔を見て固まった。
「スッピンは初めてだったわね、見せるのは」
ニッコリと笑ってから、パクパクしてるラシードの胸をトンと押してベッドに倒す。
「……リカー……お前…」
「なに?」
覆いかぶさってもまだ凝視してると思ったら
「………イケメンだな、お前」
「ぶっ」
素で言ってくるラシードに、思わず噴き出した。
なにこの天然ちゃん、可愛いったらないわ。
「そりゃどうも。アンタもいい男よ、ラシード」
押し倒されたままの天然ボケのいい男は、アタシの下でアワアワとしている。
「えっと、だな。その……カナンに指南書の冊子を貰ったんだが、どうやら手違いで違うものを……」
「あら、それは残念だったわねぇ。でもアタシがぜ~んぶやってあげるから、心配いらないわよ」
「は……?…いや……え?」
意味が理解出来ずにポカンとしてるラシードの顔をしっかりと押さえて、唇を奪う。
「……んんっ………ちょっ……ま………っん…」
甘い唇を存分に堪能してから、更に口を押し開いて舌を滑り込ませる。
逃げる舌を絡めとって擦り合わせれば、ラシードはビクビクと体を震わせる。
ああ、最高だわ。
ラシードの全てを自分のものにできるなんて。
たぎるなんてもんじゃない。
キスを仕掛けながら、まだ握っている白紙の冊子をラシードの手から奪ってそこら辺に放り投げると、その手でサイドに用意しておいた玉を2つ取った。
初めてのキスに息を乱して呆けているラシードの目の前に、ピンク色の玉をかざして見せる。
「これ、何だか分かる?私のミルク玉よ」
そう、カナンの入れ知恵で、アタシは出発の前にマスをかいてミルク玉を作っておいた。
取り敢えず2個飲ませちゃいな、堕とせるから~と軽く言ってニヤっと笑うカナンは、悪い顔をしていたわね。
「ミルク玉……?」
指南書を読んでいないラシードには、何のことか全く分からない。
自分の口に含んで砕いてから、キスでラシードの口に流し込む。
しっかりと飲んだのを確認してから、唇を離す。
「どう?美味しい?」
「ミルク玉って、子供が飲むヤツだろ?何で……ん、甘いけど……強い酒みたいに喉が焼ける感じが……?あれ、なん……か…」
言ってる側から、ラシードの息が上がってきた。
即効性なんだ、これ。
「なんか……あつ……」
瞳が潤んで、はあっと熱い吐息を吐くラシードは、ふるいつきたくなるくらい艶めかしい。
「めいっぱい気持ち良くしてあげるわね、ラシード。だから…」
アタシの子供を孕んでね。
心の中で両手を合わせていただきますと唱えてから、超美味しそうな据え膳に襲いかかった。
こんなに嬉しい一日はなかった。
ライジャ様とナオちゃんが結ばれた日が人生最良の日だったのに、それを軽く越えてしまったわ。
真面目なラシードのことだからちゃんと返事はしてくれるだろうとは思っていたけれど、まさかこんなサプライズをしてくれるなんて想像もしてなかった。
アタシとラシードの鱗で作られた見事な装飾を身に着けた姿は、やっぱり極上の男だったわ。
煌めく鱗の光に負けないマリンブルーの瞳は、しっかりとアタシを捕らえて離さず、改めてプロポーズをしてくれた。
なんていい男なのかしら。
この男がこれからアタシだけのものになるなんて、夢のよう。
でも夢じゃもったいないから、しっかりと頂くわ。ふふふ。
自分で用意したものとカナンから貰ったものを持って、ラシードとルルゥの島に向かう。
何度か来たけれど、ステキな場所よね。
とにかく夕陽がロマンチックよ。
一般の民用に離れて5軒が建てられていたけど、今回はナオちゃんが自ら建てた家を是非使って~と勧めてくれたから、有り難く使わせて頂くの。
家の前に設置されたチェアに腰かけて2人で見る夕陽は、最高に綺麗。
「なんて綺麗……まだ夢を見てるみたいよ、ラシード」
「うん、綺麗だな……」
ラシードは杯を傾けて差し入れに貰った酒に舌鼓をうっている。
そんなに飲んではいないけど、連日の仕事の疲れも相まって少しトロリとしてる。
目元が少し赤くなって、可愛いわぁ。
「ラシード、少し疲れてるでしょ……それ飲んだら、休みましょ」
「……お、おう…そうだな」
流し目を送ると、イケメンがキョドってる。
アタシは準備の為に先に家に入った。
持ってきた綺麗な柄のシーツをベッドに被せて、横に2種類の玉をこそっと用意する。
ラシードが入ってきて、カナンから渡された冊子を手に取ってベッドに腰掛ける。
厳重に梱包してあるヒモと格闘している間、アタシは鼻歌を歌いながら、いつもしている化粧をキレイに落とした。
「カナンのヤツ……なんでこんなにしっかりとっ」
吹き出しそうになるのを堪えて、邪魔になる髪を後ろで括る。
ようやく解けたヒモにほっとしているイケメンさん。
その中身を見たら、ビックリするでしょうねぇ。
「………ん?……んん?………え…?」
ゆっくりと立ち上がって、焦ってパラパラと頁をめくっているラシードの前に立つ。
「何が書いてある?」
「いや、なにも………へ?」
全て白紙の冊子を手に、困った顔で見上げて来たラシードは、アタシの顔を見て固まった。
「スッピンは初めてだったわね、見せるのは」
ニッコリと笑ってから、パクパクしてるラシードの胸をトンと押してベッドに倒す。
「……リカー……お前…」
「なに?」
覆いかぶさってもまだ凝視してると思ったら
「………イケメンだな、お前」
「ぶっ」
素で言ってくるラシードに、思わず噴き出した。
なにこの天然ちゃん、可愛いったらないわ。
「そりゃどうも。アンタもいい男よ、ラシード」
押し倒されたままの天然ボケのいい男は、アタシの下でアワアワとしている。
「えっと、だな。その……カナンに指南書の冊子を貰ったんだが、どうやら手違いで違うものを……」
「あら、それは残念だったわねぇ。でもアタシがぜ~んぶやってあげるから、心配いらないわよ」
「は……?…いや……え?」
意味が理解出来ずにポカンとしてるラシードの顔をしっかりと押さえて、唇を奪う。
「……んんっ………ちょっ……ま………っん…」
甘い唇を存分に堪能してから、更に口を押し開いて舌を滑り込ませる。
逃げる舌を絡めとって擦り合わせれば、ラシードはビクビクと体を震わせる。
ああ、最高だわ。
ラシードの全てを自分のものにできるなんて。
たぎるなんてもんじゃない。
キスを仕掛けながら、まだ握っている白紙の冊子をラシードの手から奪ってそこら辺に放り投げると、その手でサイドに用意しておいた玉を2つ取った。
初めてのキスに息を乱して呆けているラシードの目の前に、ピンク色の玉をかざして見せる。
「これ、何だか分かる?私のミルク玉よ」
そう、カナンの入れ知恵で、アタシは出発の前にマスをかいてミルク玉を作っておいた。
取り敢えず2個飲ませちゃいな、堕とせるから~と軽く言ってニヤっと笑うカナンは、悪い顔をしていたわね。
「ミルク玉……?」
指南書を読んでいないラシードには、何のことか全く分からない。
自分の口に含んで砕いてから、キスでラシードの口に流し込む。
しっかりと飲んだのを確認してから、唇を離す。
「どう?美味しい?」
「ミルク玉って、子供が飲むヤツだろ?何で……ん、甘いけど……強い酒みたいに喉が焼ける感じが……?あれ、なん……か…」
言ってる側から、ラシードの息が上がってきた。
即効性なんだ、これ。
「なんか……あつ……」
瞳が潤んで、はあっと熱い吐息を吐くラシードは、ふるいつきたくなるくらい艶めかしい。
「めいっぱい気持ち良くしてあげるわね、ラシード。だから…」
アタシの子供を孕んでね。
心の中で両手を合わせていただきますと唱えてから、超美味しそうな据え膳に襲いかかった。
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