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第一章
38.プロポーズ
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浜を走って1人と2匹を出迎えようと波打ち際に走り込んだところで、ライジャの後ろに更に2つ頭があるのに気がついた。
「ライ……ん?」
誰?あれって、もしやリリィの民?
近づいてくると、片方はオレンジ色の派手な髪色で、もう片方は夕陽だからイマイチはっきりしないけど、多分深緑色かな。
「ナオ、遅くなって済まなかった。心配させてしまったか?」
「ライジャ~」
すぐに変体して浜に上がってきた恋人に、思わず飛びついてしまった。
だって嬉しかったんだよ。
ぎゅう~っと抱きしめられて、やっと安心する。
やっぱりもうライジャと離れられないよ。
チュウまでしてから観客がいることをはっと思い出した。
ひゃあ、恥ずかしいっ。
2人は色々なことに驚いているみたいで、目が真ん丸。
「ああ、2人を紹介しておこう。儀式の見届け人を担当する」
波打ち際で改めて2人と顔をあわせる。
ふおぅ、すげぇイケメンです~。
2人共、全然系統が違うわ。
「こっちが私の警護と城の警備を束ねる者、ナギ」
「×××××、×××××、××ルルゥ××ナオ××」
低くて落ち着いた声だけど、案の定言葉は通じない。
「お初にお目にかかる。ルルゥの民、ナオにお会いできて光栄だと言っている」
ライジャがナギの言葉を通訳してくれる。
さすが警備担当というだけあって、しっかりと鍛えられて引き締まった体をしてる。
短い髪は濃い緑色で、瞳は綺麗な赤だった。
手に銀色の槍を持っている。
ストイックな兵士系だな~。
「こっちはカナン。知の守護者だ。歴史や知識を記録し保管する者」
「××××、ルルゥ×ナオ××。×××××、××~」
「初めまして、ルルゥのナオ。黒髪黒目がスゴく綺麗だと」
おおぅ、見た目を裏切らないチャラい系。
ハデなオレンジ色の髪と明るい水色の瞳でニコニコしながらヒラヒラと手を振ってくる。
「もう暗くなる。早く儀式を始めるぞ」
「儀式?」
ルルゥとリリィが嬉しそうにスリスリしてくるのでワシャワシャ撫でてやりながらライジャに聞く。
「××っ、×××××~!」
カナンが俺とルルゥ達を驚愕の眼差しで見て叫んでる。
「カナン、いいから早く玉を出せ」
ライジャに催促されて、ワタワタと持ってきた袋の中に手を入れてる。
ナギは警戒するように、回りをグルリと見回してる。
さすが警備担当。
袋から出てきたのは、貝みたいなものを加工した小さな箱。
ライジャが受け取ってそっと開くと、中にはふわふわの綿みたいな敷物の上に白い玉と黒い玉が一粒ずつ。
イクラくらいの小さな玉だ。
そっと摘まれた白い玉はルルゥの、黒い玉はリリィの口に入れられた。
何だろう、これ。
しばらくモゴモゴしていた2匹は、舌の上に玉を乗せてライジャに見せる。
あれ、玉の色に金色が混ざってるよ。
「神の承認が下りた」
ライジャは嬉しそうにその玉を両方うけとって箱の中に戻して、俺の前に片膝をついた。
「……ナオ」
「は、はい」
真剣なライジャの表情に、俺も背筋が伸びる。
よく分からないけど、これが儀式の始まりなんだと感じた。
「私と共にリリィの民の繁栄を支え、見守ってくれると約束してくれた。あの言葉はまことか?」
「はい」
「私達リリィの民は、3000年の時を生きると前に説明したな?」
「うん」
ライジャが俺の右手をそっと取り、手の甲に口づけを落とす。
ひゃ~、何これぇ。
プロポーズみたいなんですけどっ。
顔がボボボッと赤くなるのが分かる。
夕陽に紛れて分かりませんように。
ライジャの夕陽にキラめく銀の瞳がひたと俺を見上げてくる。
「私と共に、その3000年の時を生きる対(つい)になってほしい」
「は……え?3000年?」
何ですと?
「ライ……ん?」
誰?あれって、もしやリリィの民?
近づいてくると、片方はオレンジ色の派手な髪色で、もう片方は夕陽だからイマイチはっきりしないけど、多分深緑色かな。
「ナオ、遅くなって済まなかった。心配させてしまったか?」
「ライジャ~」
すぐに変体して浜に上がってきた恋人に、思わず飛びついてしまった。
だって嬉しかったんだよ。
ぎゅう~っと抱きしめられて、やっと安心する。
やっぱりもうライジャと離れられないよ。
チュウまでしてから観客がいることをはっと思い出した。
ひゃあ、恥ずかしいっ。
2人は色々なことに驚いているみたいで、目が真ん丸。
「ああ、2人を紹介しておこう。儀式の見届け人を担当する」
波打ち際で改めて2人と顔をあわせる。
ふおぅ、すげぇイケメンです~。
2人共、全然系統が違うわ。
「こっちが私の警護と城の警備を束ねる者、ナギ」
「×××××、×××××、××ルルゥ××ナオ××」
低くて落ち着いた声だけど、案の定言葉は通じない。
「お初にお目にかかる。ルルゥの民、ナオにお会いできて光栄だと言っている」
ライジャがナギの言葉を通訳してくれる。
さすが警備担当というだけあって、しっかりと鍛えられて引き締まった体をしてる。
短い髪は濃い緑色で、瞳は綺麗な赤だった。
手に銀色の槍を持っている。
ストイックな兵士系だな~。
「こっちはカナン。知の守護者だ。歴史や知識を記録し保管する者」
「××××、ルルゥ×ナオ××。×××××、××~」
「初めまして、ルルゥのナオ。黒髪黒目がスゴく綺麗だと」
おおぅ、見た目を裏切らないチャラい系。
ハデなオレンジ色の髪と明るい水色の瞳でニコニコしながらヒラヒラと手を振ってくる。
「もう暗くなる。早く儀式を始めるぞ」
「儀式?」
ルルゥとリリィが嬉しそうにスリスリしてくるのでワシャワシャ撫でてやりながらライジャに聞く。
「××っ、×××××~!」
カナンが俺とルルゥ達を驚愕の眼差しで見て叫んでる。
「カナン、いいから早く玉を出せ」
ライジャに催促されて、ワタワタと持ってきた袋の中に手を入れてる。
ナギは警戒するように、回りをグルリと見回してる。
さすが警備担当。
袋から出てきたのは、貝みたいなものを加工した小さな箱。
ライジャが受け取ってそっと開くと、中にはふわふわの綿みたいな敷物の上に白い玉と黒い玉が一粒ずつ。
イクラくらいの小さな玉だ。
そっと摘まれた白い玉はルルゥの、黒い玉はリリィの口に入れられた。
何だろう、これ。
しばらくモゴモゴしていた2匹は、舌の上に玉を乗せてライジャに見せる。
あれ、玉の色に金色が混ざってるよ。
「神の承認が下りた」
ライジャは嬉しそうにその玉を両方うけとって箱の中に戻して、俺の前に片膝をついた。
「……ナオ」
「は、はい」
真剣なライジャの表情に、俺も背筋が伸びる。
よく分からないけど、これが儀式の始まりなんだと感じた。
「私と共にリリィの民の繁栄を支え、見守ってくれると約束してくれた。あの言葉はまことか?」
「はい」
「私達リリィの民は、3000年の時を生きると前に説明したな?」
「うん」
ライジャが俺の右手をそっと取り、手の甲に口づけを落とす。
ひゃ~、何これぇ。
プロポーズみたいなんですけどっ。
顔がボボボッと赤くなるのが分かる。
夕陽に紛れて分かりませんように。
ライジャの夕陽にキラめく銀の瞳がひたと俺を見上げてくる。
「私と共に、その3000年の時を生きる対(つい)になってほしい」
「は……え?3000年?」
何ですと?
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