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第一章
13.正体
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さあ、決戦の夜だ。
戦わないけどね。
本当はオオカミさんにいてほしかったけど、巻き込むのは気が引けたからそのままお帰りいただいた。
家から少し離れたところに、昨日と同じ内容でゴミを置く。
離れ過ぎても姿が確認できないし、近過ぎると怖いので距離は慎重に決めた。
あ、盾とか作れば良かった!と気づいたのはさっき。
遅いよ、俺~。
明かりがないもん。作れない~。
明かりを用意するには、昼に焚火をつけてそのまま夜までキープしないといけないってのが難点だな。
虫眼鏡方式の欠点。
でも原始人方式は大変だから、すんなり諦めます、はい。
体力、温存。大事。
昨日と同じく入口に板を立てて塞ぐ。
でも、一枚は斜めにして顔が半分覗くくらいの隙間を上の方にあけて、つっかえ棒はしっかりした。
徹夜は覚悟しよう。
どうせソワソワして眠れないしね。
入口の前に転がって、横にナイフを置いた。
グルルルッという声で、俺は飛び起きた。
あれっ、寝てた?俺。
緊張感なさ過ぎだな、おい。
セルフツッコミしてナイフをしっかりと持ち直す。
空は白んできている。もう夜明け近いのか。
グルグル唸る集団は、始め昨日と同じく家の裏手をウロウロしているようだった。
でも、そこにゴミがないことが分かるとイライラしたように家の周りをグルグルと回ってるみたい。
「ひぃ~、近いよ近い」
怖くて顔なんか出せない。
扉の横にひっついて息を潜めるのが精一杯。
しばらくしてやっと少し離れた所のゴミに気がついたみたいで、ガルガル唸る声が離れる。
ここで姿を確認しないと、またジャングルには行けないんだからと勇気を振り絞って外を覗いた。
朝焼けの中でガツガツとゴミを漁るその姿は、恐ろしい……
「って、ニワトリか~い!」
そうっと覗いてることも忘れて、叫んでしまった。
うそぉ。
「ガルッ?」
と俺を振り向くその姿は紛れもなく。
はい、ニワトリさんでした。
5羽いたよ。
色は、頭・胴・尻尾の順に、緑・青・赤っていうスゲー取り合わせだけれども。
インコか~い、とツッコミたくなる配色。
トサカなんかピンクですよ。
ないわ~。
グルルルッとか唸ったり、ガオッとか吠えるニワトリいましたっけ?
「紛らわしいわっ」
オオカミが「ニャ~ン」で、ニワトリが「ガオッ」ですか。
そうですか。
俺が茫然としてる間も、極彩色のニワトリズはパン屑や実の皮を食べまくってる。
特にパン屑が美味しいらしくて、食べるとガルルッと吠えてる。
何故か実が入ってるヤツは見向きもしない。
え、実は食べないの?皮の方が好きなの?
ええ~、何それ。
綺麗に食べ尽くすと、最後にガオッと吠えてポンっとお尻から緑の玉を産んだ。
「……はあ~…やっぱ卵なのかぁ」
昨日生んだ卵には見向きもせずに、葉っぱを咥えてヨタヨタと歩き出す。
途中で1匹がピタッと立ち止まるからどうしたのかと見ていると、一声ガオッと吠えて卵を産んだ。
う、産み忘れてたのね。
吠えた拍子に落としてしまった葉っぱを慌てて咥えなおして仲間の後を追いかける姿に、ついに吹き出してしまった。
「なっ…何あれ、可愛いっ……ひ~っ…」
ベッドにダイブしてジタバタ転がる。
どんなおっかない獣かと思っていたのに、ニワトリさん。
しかも残飯を片づけて卵まで置いていってくれるサービス付き。
ツッコミどころ満載で、どこからツッコんでいいのか判らないってヤツ。
「まさかのニワトリさんか~」
緊張がほぐれて、ぐてっとしてしまう。
安心したら眠くなったので、このまま二度寝に突入。
戦わないけどね。
本当はオオカミさんにいてほしかったけど、巻き込むのは気が引けたからそのままお帰りいただいた。
家から少し離れたところに、昨日と同じ内容でゴミを置く。
離れ過ぎても姿が確認できないし、近過ぎると怖いので距離は慎重に決めた。
あ、盾とか作れば良かった!と気づいたのはさっき。
遅いよ、俺~。
明かりがないもん。作れない~。
明かりを用意するには、昼に焚火をつけてそのまま夜までキープしないといけないってのが難点だな。
虫眼鏡方式の欠点。
でも原始人方式は大変だから、すんなり諦めます、はい。
体力、温存。大事。
昨日と同じく入口に板を立てて塞ぐ。
でも、一枚は斜めにして顔が半分覗くくらいの隙間を上の方にあけて、つっかえ棒はしっかりした。
徹夜は覚悟しよう。
どうせソワソワして眠れないしね。
入口の前に転がって、横にナイフを置いた。
グルルルッという声で、俺は飛び起きた。
あれっ、寝てた?俺。
緊張感なさ過ぎだな、おい。
セルフツッコミしてナイフをしっかりと持ち直す。
空は白んできている。もう夜明け近いのか。
グルグル唸る集団は、始め昨日と同じく家の裏手をウロウロしているようだった。
でも、そこにゴミがないことが分かるとイライラしたように家の周りをグルグルと回ってるみたい。
「ひぃ~、近いよ近い」
怖くて顔なんか出せない。
扉の横にひっついて息を潜めるのが精一杯。
しばらくしてやっと少し離れた所のゴミに気がついたみたいで、ガルガル唸る声が離れる。
ここで姿を確認しないと、またジャングルには行けないんだからと勇気を振り絞って外を覗いた。
朝焼けの中でガツガツとゴミを漁るその姿は、恐ろしい……
「って、ニワトリか~い!」
そうっと覗いてることも忘れて、叫んでしまった。
うそぉ。
「ガルッ?」
と俺を振り向くその姿は紛れもなく。
はい、ニワトリさんでした。
5羽いたよ。
色は、頭・胴・尻尾の順に、緑・青・赤っていうスゲー取り合わせだけれども。
インコか~い、とツッコミたくなる配色。
トサカなんかピンクですよ。
ないわ~。
グルルルッとか唸ったり、ガオッとか吠えるニワトリいましたっけ?
「紛らわしいわっ」
オオカミが「ニャ~ン」で、ニワトリが「ガオッ」ですか。
そうですか。
俺が茫然としてる間も、極彩色のニワトリズはパン屑や実の皮を食べまくってる。
特にパン屑が美味しいらしくて、食べるとガルルッと吠えてる。
何故か実が入ってるヤツは見向きもしない。
え、実は食べないの?皮の方が好きなの?
ええ~、何それ。
綺麗に食べ尽くすと、最後にガオッと吠えてポンっとお尻から緑の玉を産んだ。
「……はあ~…やっぱ卵なのかぁ」
昨日生んだ卵には見向きもせずに、葉っぱを咥えてヨタヨタと歩き出す。
途中で1匹がピタッと立ち止まるからどうしたのかと見ていると、一声ガオッと吠えて卵を産んだ。
う、産み忘れてたのね。
吠えた拍子に落としてしまった葉っぱを慌てて咥えなおして仲間の後を追いかける姿に、ついに吹き出してしまった。
「なっ…何あれ、可愛いっ……ひ~っ…」
ベッドにダイブしてジタバタ転がる。
どんなおっかない獣かと思っていたのに、ニワトリさん。
しかも残飯を片づけて卵まで置いていってくれるサービス付き。
ツッコミどころ満載で、どこからツッコんでいいのか判らないってヤツ。
「まさかのニワトリさんか~」
緊張がほぐれて、ぐてっとしてしまう。
安心したら眠くなったので、このまま二度寝に突入。
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