54 / 110
第三章
54.今までの出来事
しおりを挟む
夢を見たんだ。
周りには何もなくて、どこまでも白が続く世界で俺は一人だった。自分には何もない。それを突きつけられている様で、なんだかとても寂くなった。ふと隣を見るとリナリアが立っていた。俺を見上げ、笑ってる。それがどうしようもなく嬉しくて、俺は彼女へ手を伸ばした。でも、届く前に彼女は消えてしまった。
そんな今朝見た夢を思い出しながら、最後手に持っていたファイルを本棚に戻す。
瘴気もなくなり瘴魔も激減し、闇ビトもいない。仮初の平和の中特にやる事のない俺達は、資料を保管している部屋の整理を頼まれた。マリーじゃないが、こんな事他の人間がやればいいのに。
部屋の中は初めはファイルや紙が乱雑に置かれていたが、それも綺麗に整頓されもうすぐ片付く。あとは皆に任せてもいいか。俺は自身の最後の仕事をしようと、椅子に腰掛け報告書に手をつける。ペンを進めながら今までの出来事を振り返る。
事の始まりは突如現れた黒の霧。それは世界各地で起こり神出鬼没で原因も不明な上、そこから得体の知れない異形の怪物も現れた。人々は霧の事を瘴気。そこから現れる異形の怪物を瘴魔と呼び、恐れていた。
「おい、そこ邪魔なんだ。本当に無駄に体がデカいんだから」
「るせぇなぁっ!! ちっさすぎて見えなかったんだよ」
「は? もういっぺん言ってみろっ!!」
「まぁまぁ」
アルとカミュンが怒鳴り合う声がする。見るとファイルを抱えたアルと、本棚の前に立つカミュンがまたいつもの様に言い合いをしている。噛みつき合う二人を宥めるグレミオ。今はカイリとマリーは別の事を頼まれてここにはいない。
この隊ができて、もう三ヶ月になるのか。
瘴気の調査の為にと結成されたこの隊は、隊長の俺を含め六人でやってきた。能力はあるが問題児のこいつらをまとめるのは、当時は本当に大変だった。何よりも頭を悩ましたのは、瘴気の原因も瘴魔がなんなのかさえ全く手掛かりが掴めない状況であった事。そんな時だった。
『アドニールに会いに行く』
セラートが持ち掛けてきた計画。簡潔に言えば光の騎士と崇められるアドニールが、瘴気の原因を知ってそうだから聞きに行こうって事。今も無謀なものだったと思うが、瘴気の原因が突き止められるかも知れないとあの時の俺は淡い期待もあった。それは同行する友人のカイトも同じだった。
偶然アドニールに会う事は出来たが、同時に巨大な瘴気とも遭遇し他国で戦闘に巻き込まれてしまう。その最中の悲劇。カイトが瘴気の中へ連れて行かれていかれた。
『瘴気の中へ入ると瘴魔になる』
あの時は自身もどうなるかは分からなかったが、それでもカイトを助ける為に迷わず瘴気の中へ入った。
瘴気の中を彷徨う間で全身真っ黒な体に大きな一つ目玉の瘴魔に出会したな。人の言葉を喋り、自我があった目玉の瘴魔。あいつが今だになんだったかは分からない。
なんとかカイトも見つけられ、追いかけてきてくれたアドニールとも合流できた時は心底ほっとした。きっとこれでカイトは助かる。
……でも、カイトは死んでしまった。
一緒にいた。誰やよりも大切な友人だったのに、俺のせいで失ってしまった。俺はカイトが瘴魔に変化する前にアドニールと共にカイトを置いて逃げたんだ。
進んでいた筆が止まる。
俺も人間であったら、今頃化け物になっていたんだろうな。
瘴気へ入った時乗っていた馬も、そして……カイトも瘴魔へと変化しようとしていた。俺は自身に流れる闇の血のせいなのか瘴魔に変化する事なく生き残った。生きてたってカイトを失った悲しみと絶望、自責の念しかなかった。
でも、彼女に会えたから。
アドニールの正体はリナリア。あの時は女である事もキルの友達であった事も驚いたな。彼女はいろいろ話してくれた。
瘴気の原因、それは悪魔だった。リナリアも出会った目玉の瘴魔から聞いた話だと、元は時を司る神だったらしいが悪魔に堕ちた。反乱を起こしたらしいが、何故かは分からない。そいつは神々によって封印されていたが、解かれ自由になった。なぜ解かれたのか。その理由も不明。
自由の身になった悪魔は他にも存在する世界を壊し回っているが、世界を渡る為に条件があった。
一つは悪魔の力は強大すぎる故、自身が他の世界に直接渡れない。だから悪魔は己の心臓を切り離し飛ばし、たどり着いた他の世界と自身がいる世界、原点の世界を繋げる。それが瘴気だった。そして、瘴魔の正体は他の世界の住人達の成れの果て。時折斬った瘴魔の骸から出てくる異物と呼んでいた見慣れぬ物は、その世界の人々の持ち物だったんだ。
心臓は辿り着いた世界に住む誰かの魂を喰らい、その人間になり変わっている。考えるだけで恐ろしい。そいつがどこにいて、誰になり変わっているのか分かれば悪魔を倒す事ができるのに。それもリナリアの魂の闇が消えれば見つける事ができると言っていたが、どうすればいいのか彼女自身も分からないと言っていた。
二つ目は神に力を与えられたその世界の人間を殺す事。神々は悪魔の侵攻を遅らせるために、その世界に住む誰かに神の力を与え依代にし、結界を張っていた。悪魔が次の世界に渡れぬよう。その人柱に選ばれたのはこの世界ではリナリアだ。
そもそもなぜ悪魔はこの様な行いをするのか。それもこれも自身を封印した神"あの人"に会う為。
そんな神話みたいな話をしてくれた彼女はしばらくこの隊に入り行動を共にした。当時はここでこんな事をしてる暇があるのかと呆れたが、理由があった。
俺の母は悪魔の髪。
闇ビトと思っていた母は、もっとタチの悪い悪魔だった。それを伝えようとしてくれた。彼女は悪魔に狙われた俺を守ろうとしてくれた。生きる意味も見出せない、復讐に心を燃やす俺を彼女は救ってくれた。
この頃から俺は、彼女の事が。
俺もリナリアの為に何かしたかった。でも、俺を置いて行く彼女。時間がないのは分かっていた。悪魔は心臓以外の体の部位も切り離す。心臓を見つける前に瘴気が再び現れたら、リナリアはそいつらとも戦わなければならない。
再び世界が繋がる前に……でも昨日、悪魔にあった。一人の悪魔がこの世界に留まっていた。
堕ちた神の声、悪魔フォニ。俺は悪魔と知らずに以前こいつと接触していた。あろう事か助けた。それもこれも全部罠だった。思い出すだけで怒りとそして、自分の愚かさに溺れそうになる。
フォニは言っていた。悪魔の目的はこの世界だと。その会いたい"あの人"の力を分けたリナリアに会う事。彼女が自身の闇を消すか、それとも彼女を亡き者にすれば悪魔は"あの人"が力を取り戻しに現れるか、それか自身を討ちに来るだろうと信じている。
しかし、どうも腑に落ちない。
悪魔は封印される最後"あの人"に一撃を喰らわせ、その時に自身の闇、そう俺の母である髪を侵入させたと言っていた。その闇を切り離すために"あの人"は、力と一緒にリナリアへ押し付けた。身勝手な奴。とにかく、悪魔がこの世界に来る前に母が何故この世界に存在していたのかはなんとなく理解できた。だが、問題なのは時系列がどうも合わない気がする。
封印が解かれた。その時にこの世界、多分他の世界にも悪魔の闇が漏れ出て闇ビトなる者が現れた。それはどうだろう……この世界では50年くらい前で俺もまだ生まれる前の話。50年。なら神である"あの人"と悪魔になった奴のいざこざは、それ以前になるはず。その時に闇に犯され、すぐにリナリアへ与える事は無理だ。だって彼女はまだ19なんだ。この時間のズレはなんだろう。そしてミツカゲは何かを隠してる気がする。でも、もう俺に出来ることは何もない。
フォニの言葉が何度も頭の中でこだまする。
『彼女が気になっているのはそのせいですよ』
彼女の事……好きなんじゃないかって思っていた。
あの悪魔に言われた事を鵜呑みにするわけじゃない。でもこの思いは母のせいだと、悪魔のせいで偽りなんだと言われれば、そうなのかもしれない。出会ったばかりの人を好きになるのか、その疑問もこれで答えが出た気がした。最初からこの思いはなかった。全部嘘だったのか。それでも、彼女を思い出す。離れ会えなくなった今、ますます思い募るんだ。
ずっと気丈に振る舞っていたのに、泣いていた彼女。今何を思い、どうしているだろう。
周りには何もなくて、どこまでも白が続く世界で俺は一人だった。自分には何もない。それを突きつけられている様で、なんだかとても寂くなった。ふと隣を見るとリナリアが立っていた。俺を見上げ、笑ってる。それがどうしようもなく嬉しくて、俺は彼女へ手を伸ばした。でも、届く前に彼女は消えてしまった。
そんな今朝見た夢を思い出しながら、最後手に持っていたファイルを本棚に戻す。
瘴気もなくなり瘴魔も激減し、闇ビトもいない。仮初の平和の中特にやる事のない俺達は、資料を保管している部屋の整理を頼まれた。マリーじゃないが、こんな事他の人間がやればいいのに。
部屋の中は初めはファイルや紙が乱雑に置かれていたが、それも綺麗に整頓されもうすぐ片付く。あとは皆に任せてもいいか。俺は自身の最後の仕事をしようと、椅子に腰掛け報告書に手をつける。ペンを進めながら今までの出来事を振り返る。
事の始まりは突如現れた黒の霧。それは世界各地で起こり神出鬼没で原因も不明な上、そこから得体の知れない異形の怪物も現れた。人々は霧の事を瘴気。そこから現れる異形の怪物を瘴魔と呼び、恐れていた。
「おい、そこ邪魔なんだ。本当に無駄に体がデカいんだから」
「るせぇなぁっ!! ちっさすぎて見えなかったんだよ」
「は? もういっぺん言ってみろっ!!」
「まぁまぁ」
アルとカミュンが怒鳴り合う声がする。見るとファイルを抱えたアルと、本棚の前に立つカミュンがまたいつもの様に言い合いをしている。噛みつき合う二人を宥めるグレミオ。今はカイリとマリーは別の事を頼まれてここにはいない。
この隊ができて、もう三ヶ月になるのか。
瘴気の調査の為にと結成されたこの隊は、隊長の俺を含め六人でやってきた。能力はあるが問題児のこいつらをまとめるのは、当時は本当に大変だった。何よりも頭を悩ましたのは、瘴気の原因も瘴魔がなんなのかさえ全く手掛かりが掴めない状況であった事。そんな時だった。
『アドニールに会いに行く』
セラートが持ち掛けてきた計画。簡潔に言えば光の騎士と崇められるアドニールが、瘴気の原因を知ってそうだから聞きに行こうって事。今も無謀なものだったと思うが、瘴気の原因が突き止められるかも知れないとあの時の俺は淡い期待もあった。それは同行する友人のカイトも同じだった。
偶然アドニールに会う事は出来たが、同時に巨大な瘴気とも遭遇し他国で戦闘に巻き込まれてしまう。その最中の悲劇。カイトが瘴気の中へ連れて行かれていかれた。
『瘴気の中へ入ると瘴魔になる』
あの時は自身もどうなるかは分からなかったが、それでもカイトを助ける為に迷わず瘴気の中へ入った。
瘴気の中を彷徨う間で全身真っ黒な体に大きな一つ目玉の瘴魔に出会したな。人の言葉を喋り、自我があった目玉の瘴魔。あいつが今だになんだったかは分からない。
なんとかカイトも見つけられ、追いかけてきてくれたアドニールとも合流できた時は心底ほっとした。きっとこれでカイトは助かる。
……でも、カイトは死んでしまった。
一緒にいた。誰やよりも大切な友人だったのに、俺のせいで失ってしまった。俺はカイトが瘴魔に変化する前にアドニールと共にカイトを置いて逃げたんだ。
進んでいた筆が止まる。
俺も人間であったら、今頃化け物になっていたんだろうな。
瘴気へ入った時乗っていた馬も、そして……カイトも瘴魔へと変化しようとしていた。俺は自身に流れる闇の血のせいなのか瘴魔に変化する事なく生き残った。生きてたってカイトを失った悲しみと絶望、自責の念しかなかった。
でも、彼女に会えたから。
アドニールの正体はリナリア。あの時は女である事もキルの友達であった事も驚いたな。彼女はいろいろ話してくれた。
瘴気の原因、それは悪魔だった。リナリアも出会った目玉の瘴魔から聞いた話だと、元は時を司る神だったらしいが悪魔に堕ちた。反乱を起こしたらしいが、何故かは分からない。そいつは神々によって封印されていたが、解かれ自由になった。なぜ解かれたのか。その理由も不明。
自由の身になった悪魔は他にも存在する世界を壊し回っているが、世界を渡る為に条件があった。
一つは悪魔の力は強大すぎる故、自身が他の世界に直接渡れない。だから悪魔は己の心臓を切り離し飛ばし、たどり着いた他の世界と自身がいる世界、原点の世界を繋げる。それが瘴気だった。そして、瘴魔の正体は他の世界の住人達の成れの果て。時折斬った瘴魔の骸から出てくる異物と呼んでいた見慣れぬ物は、その世界の人々の持ち物だったんだ。
心臓は辿り着いた世界に住む誰かの魂を喰らい、その人間になり変わっている。考えるだけで恐ろしい。そいつがどこにいて、誰になり変わっているのか分かれば悪魔を倒す事ができるのに。それもリナリアの魂の闇が消えれば見つける事ができると言っていたが、どうすればいいのか彼女自身も分からないと言っていた。
二つ目は神に力を与えられたその世界の人間を殺す事。神々は悪魔の侵攻を遅らせるために、その世界に住む誰かに神の力を与え依代にし、結界を張っていた。悪魔が次の世界に渡れぬよう。その人柱に選ばれたのはこの世界ではリナリアだ。
そもそもなぜ悪魔はこの様な行いをするのか。それもこれも自身を封印した神"あの人"に会う為。
そんな神話みたいな話をしてくれた彼女はしばらくこの隊に入り行動を共にした。当時はここでこんな事をしてる暇があるのかと呆れたが、理由があった。
俺の母は悪魔の髪。
闇ビトと思っていた母は、もっとタチの悪い悪魔だった。それを伝えようとしてくれた。彼女は悪魔に狙われた俺を守ろうとしてくれた。生きる意味も見出せない、復讐に心を燃やす俺を彼女は救ってくれた。
この頃から俺は、彼女の事が。
俺もリナリアの為に何かしたかった。でも、俺を置いて行く彼女。時間がないのは分かっていた。悪魔は心臓以外の体の部位も切り離す。心臓を見つける前に瘴気が再び現れたら、リナリアはそいつらとも戦わなければならない。
再び世界が繋がる前に……でも昨日、悪魔にあった。一人の悪魔がこの世界に留まっていた。
堕ちた神の声、悪魔フォニ。俺は悪魔と知らずに以前こいつと接触していた。あろう事か助けた。それもこれも全部罠だった。思い出すだけで怒りとそして、自分の愚かさに溺れそうになる。
フォニは言っていた。悪魔の目的はこの世界だと。その会いたい"あの人"の力を分けたリナリアに会う事。彼女が自身の闇を消すか、それとも彼女を亡き者にすれば悪魔は"あの人"が力を取り戻しに現れるか、それか自身を討ちに来るだろうと信じている。
しかし、どうも腑に落ちない。
悪魔は封印される最後"あの人"に一撃を喰らわせ、その時に自身の闇、そう俺の母である髪を侵入させたと言っていた。その闇を切り離すために"あの人"は、力と一緒にリナリアへ押し付けた。身勝手な奴。とにかく、悪魔がこの世界に来る前に母が何故この世界に存在していたのかはなんとなく理解できた。だが、問題なのは時系列がどうも合わない気がする。
封印が解かれた。その時にこの世界、多分他の世界にも悪魔の闇が漏れ出て闇ビトなる者が現れた。それはどうだろう……この世界では50年くらい前で俺もまだ生まれる前の話。50年。なら神である"あの人"と悪魔になった奴のいざこざは、それ以前になるはず。その時に闇に犯され、すぐにリナリアへ与える事は無理だ。だって彼女はまだ19なんだ。この時間のズレはなんだろう。そしてミツカゲは何かを隠してる気がする。でも、もう俺に出来ることは何もない。
フォニの言葉が何度も頭の中でこだまする。
『彼女が気になっているのはそのせいですよ』
彼女の事……好きなんじゃないかって思っていた。
あの悪魔に言われた事を鵜呑みにするわけじゃない。でもこの思いは母のせいだと、悪魔のせいで偽りなんだと言われれば、そうなのかもしれない。出会ったばかりの人を好きになるのか、その疑問もこれで答えが出た気がした。最初からこの思いはなかった。全部嘘だったのか。それでも、彼女を思い出す。離れ会えなくなった今、ますます思い募るんだ。
ずっと気丈に振る舞っていたのに、泣いていた彼女。今何を思い、どうしているだろう。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
竜焔の騎士
時雨青葉
ファンタジー
―――竜血剣《焔乱舞》。それは、ドラゴンと人間にかつてあった絆の証……
これは、人間とドラゴンの二種族が栄える世界で起こった一つの物語―――
田舎町の孤児院で暮らすキリハはある日、しゃべるぬいぐるみのフールと出会う。
会うなり目を輝かせたフールが取り出したのは―――サイコロ?
マイペースな彼についていけないキリハだったが、彼との出会いがキリハの人生を大きく変える。
「フールに、選ばれたのでしょう?」
突然訪ねてきた彼女が告げた言葉の意味とは――!?
この世にたった一つの剣を手にした少年が、ドラゴンにも人間にも体当たりで向き合っていく波瀾万丈ストーリー!
天然無自覚の最強剣士が、今ここに爆誕します!!
神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。
SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。
サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」
今日も誰かが飯を食いに来る。異世界スローライフ希望者の憂鬱。
KBT
ファンタジー
神の気まぐれで異世界転移した荻野遼ことリョウ。
神がお詫びにどんな能力もくれると言う中で、リョウが選んだのは戦闘能力皆無の探索能力と生活魔法だった。
現代日本の荒んだ社会に疲れたリョウは、この地で素材採取の仕事をしながら第二の人生をのんびりと歩もうと決めた。
スローライフ、1人の自由な暮らしに憧れていたリョウは目立たないように、優れた能力をひた隠しにしつつ、街から少し離れた森の中でひっそりと暮らしていた。
しかし、何故か飯時になるとやって来る者達がリョウにのんびりとした生活を許してくれないのだ。
これは地味に生きたいリョウと派手に生きている者達の異世界物語です。
【北の果てのキトゥルセン】 ~辺境の王子に転生したので、まったり暮らそうと思ったのに、どんどん国が大きくなっていく件について~
次元謄一
ファンタジー
タイトル変更しました→旧タイトル 「デッドエンドキングダム ~十五歳の魔剣使いは辺境から異世界統一を目指します~」
前世の記憶を持って生まれたオスカーは国王の落とし子だった。父の死によって十五歳で北の辺境王国の統治者になったオスカーは、炎を操る魔剣、現代日本の記憶、そしてなぜか生まれながらに持っていた【千里眼】の能力を駆使し、魔物の森や有翼人の国などを攻略していく。国内では水車を利用した温泉システム、再現可能な前世の料理、温室による農業、畜産業の発展、透視能力で地下鉱脈を探したりして文明改革を進めていく。
軍を使って周辺国を併合して、大臣たちと国内を豊かにし、夜はメイド達とムフフな毎日。
しかし、大陸中央では至る所で戦争が起こり、戦火は北までゆっくりと、確実に伸びてきていた。加えて感染するとグールになってしまう魔物も至る所で発生し……!?
雷を操るツンデレ娘魔人、氷を操るクール系女魔人、古代文明の殺戮機械人(女)など、可愛いけど危険な仲間と共に、戦乱の世を駆け抜ける!
登場人物が多いので結構サクサク進みます。気軽に読んで頂ければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる