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31.いいよ
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次の日は昼からバイトもあるし、帰る前にどうしても寄っておきたいところがあるから、一応朝5時には起きた。
先生を起こさないように、アラームの音は出さないでバイブだけにして、起動した瞬間に気合いでソッコー止めた。
なのに、結局先生は起きてしまった。
「……ごめん、起きた、よね?」
「ん……」
目を覚ましてからも先生はぼーっとしていた。ほんとは何時に起きる予定だったの?と聞く前に、ベッタベタに甘えてきたから、早く起きたのにベッドからはダラダラして出られなかった。
昨日駅で能面みたいな顔でブスッとしてたのと同じ人ですよね?と思わず聞きたくなる程の変わりようだった。
「……ちょっと、駄目だって。朝からそういうことしたくなるじゃん」
「うん……?」
「俺は構わない」と言っているかのような、甘ったるい相づちだった。
「駄目だよ」と制止しても、先生の冷たい手に腕を掴まれる。皮膚の質感やその下にある筋肉を確かめるようにして、指先がゆっくり腕を撫でてくる。くすぐるような動きだった。
「ヤッベエ……、これは先生からのオーケーの合図と解釈して、このままいくべきか……?」と迷った。出勤前なのにいいのかなー、と先生の表情をうかがったけど、うっとりしたように目を閉じていて、半分眠っているみたいだった。
服の裾をほんの少しだけ捲ると、くすぐったかったようで、ビク、とお腹が反応した。
「……仕事は?」
「……うん?……行く……」
「……そうだよね」
仕事行く前なのにいいの?と耳元に唇を寄せて囁くと、微かに頷いた。
黒くてツヤツヤした髪の毛先から覗く先生の耳朶は薄くて柔らかかった。
上に来ているものは捲り上げて、下に着ているものはずり下げるという、だらしなく乱れた格好になると、目のやり場に困るくらい先生は艶かしかった。
昨日、散々舐めたり吸ったりした場所が無防備に晒されている。
「……先生、これからは俺のためだけに戻って来て。……すぐじゃなくていいから、俺を先生の一番にして」
「……んっ」
「……ダメ?」
ゴメンね、俺はたぶんものすごいズルいことしてるよね、と心の中で謝りながら先生が一番触って欲しいであろうところを触った。
ふ、と先生が短く息を吐いてから目を開けた。困ったような顔で首を横に振っていて、「駄目?」という問い掛けに対していいのか駄目なのか分からなかった。
それでもう一度、今度は「俺を選んで」と囁いたら、短い声で唸りながら何度も頷いていた。
寝起きかつ、射精する寸前にこんなことを約束させたって意味はないのかもしれなかった。
あとで、冷静になった時、先生はやっぱりお母さんのことを思い出して、家族を簡単には切り捨てられない、と悩むだろうし、そんな自分を「酷い人間なんだろうか」と思うかもしれない。
でも、約束させずにはいられなかった。
朝から欲情したことが気恥ずかしかったのか、ぐったりしながらも先生は心配そうに眉間に皺を寄せた。服を直してあげてから「全然いいよ」という意味で、身体を擦ってやった。
先生の服で隠れていない、腕や手のひらといった部分がしっとりとしていて暖かかった。
完全に目が覚めたのか、パチリと開いた目がじっとこっちを見ていた。
先生はキレていない時は本当に可愛い顔をしている。
俺が高校生だった頃、「なんだか冷たくて怖いけど浅尾先生と仲良くなりたい」とたくさんの生徒が先生のことをチラチラと眺めていたのをなんとなく思い出した。
もちろん、俺もその一人で、怒られ過ぎて「怖い」という感覚が麻痺していたから誰よりもグイグイ行けた。
学年朝会だとか式典の時には先生がどこにいるのかいつも探していた。
たいがい、先生は体育館の後ろの方にいて「いた!」と俺が笑いかけると、「前向け」「キョロキョロすんな」「真っ直ぐ立て」と目と口パクで叱ってきた。何を言われてるか、声が聞こえなくてもたいていわかった。
構われてる、そう思うと嬉しくてずっとソワソワしていた。
あの時と、少しも先生の顔は変わっていない。なのに、今は先生と一緒にいると「構われたい」「仲良くなりたい」以外の考えがフッと頭を過る。
昨日みたいに「気持ちよかった」と満足した時でも、ほんの一瞬切なくなる。あの頃よりもずっと近しい仲なのに、俺はまだ先生の一番じゃない。
白くて滑らかな頬に触れながら、それでもいいよ、と思うしかなかった。
カーテンの隙間から陽の光が入り込んで、先生が顔をしかめた。
眩しくないようにしてあげようと、自分の胸に抱き込んだ時だった。
「…………何時だっ!」
「えっ?嘘。余韻に浸るの短かすぎない?どういうこと?」
スイッチのオンオフの切り替えじゃないんだから……と呆れながらも、時計は確認せずに体感で「7時じゃない?」と答えると先生はベッドから飛び出して行った。
それからものすごいスピードでシャワーを浴びて、髪をセットして戻って来た。
その後は「お前も入れ」と無理やり風呂に押し込められた。
ほんと、「イチャついた後の余韻は一分まで」というタイマーでもセットされてんのかな……と首を捻りながら戻ってくると、今度は冷蔵庫の前で先生が一人でオロオロしていた。
「……何も食べるものがない」
「昨日も冷蔵庫は空っぽだったじゃん?なんで、今朝になって大騒ぎしてんの?」
俺に対して「コイツに朝食を食べさせる」という使命感を燃やしているのか、「いらない。ほんとダイジョブ」と断ってるのに、「いいから飲め」とウィダーインゼリーを無理やり口に突っ込んできた。もし、ここが職場の飲み会で飲まされたのが日本酒やビールだったら間違いなくパワハラで訴えられる案件だ。
「あ、てか、ゴメン。さっき、7時つったけど、6時の間違いだった」
「は……」
今が7時だよ、良かったねー、と笑いかけると、喜ぶどころか「……おちょくってんのか」と怒られた。
先生は朝余裕が無い時は、こういう感じなんだ、と思いながら黙ってウィダーインゼリーを二人で並んで座って飲んだ。
結局、玄関で靴を履くまでの間「燃えるゴミの日だ」とか「お前荷物は?」と言いながら先生は一人でずっとバタバタしていた。
「……髪、ボサボサだよ」
玄関でよく磨かれた黒の革靴を履いている先生の髪を整えていたら、「……どうせ、会社に着く頃にはグシャグシャになる」と返ってきた。そうなることが、不愉快なのかなんだかぶっきらぼうな言い方だった。
「先生、目立つんだからちゃんとしなよ」
「……べつに、そんなことは、どうでも…。お前、この後は真っ直ぐ帰るんだろうな?」
「帰る前に寄る所があるから」
「……寄るってどこに?何をしに?」
「原宿。買い物」
正直にそう答えたら「なんでそんなところに寄る必要があるんだ」と怪訝そうな声で聞かれた。
「どこにも寄るな。真っ直ぐ帰れ」とまだ何もしていないのに、怒った声でそんなことを言われた。無駄遣いをするとか、危険な場所に行くとか、絶対に勝手に決めつけているに決まっていた。
「国立国会図書館に行く」とでも言えば良かったのかもしれない、と一瞬思ったけど、たぶんそう言ったとしても「何の本を借りに?公共の場ではマナーを守って他の利用者に迷惑をかけるな」と言ってくるに違いない。
面倒になって「土産を買う」と正直に答えたら、親かバイト先のために買うと思ったのか一万円札を無言で渡してきた。
「えっ、いや、違う違う!友達に買うだけだから!」
「友達……」
友達を大切にするのはいいことだと判断されたのか、「……お土産の基本はかさ張らない、日持ちするものだ」と助言されるだけですんだ。
「クソ本社のクソ親父が買ってくる、いかにもな東京土産はいらない」と友達からそう言われているから、先生の想像しているであろうクッキーとかラスクとかは絶対に買えそうになかった。
「……あー、大丈夫大丈夫。食べ物じゃなくて原宿で売ってる写真だから」
「……写真?」と先生は不思議そうな顔をしていた。「アイドルの男の子の写真を買う」と言ったら何か誤解されそうだから詳しくは言えなかった。
「そうそう。俺が無事に写真を買って帰れるように祈っといて」
「……当たり前だろ。着いたら必ず連絡しろ。着かなくても連絡しろ」
「ありがとー」
バッと抱き着いたら、先生がほんの少しよろめいてコツ、と靴底が鳴った。品のある乾いた音がした。
「ね、次はいつ会える?」
「え……」
単に仕事が忙しいのか、他の理由で躊躇しているのか、先生はすぐには答えなかった。
「……わからない。けど、その時は、…………これからは、どこにも寄らないで真っ直ぐ会いに行く、と思う……。本当はすぐ行きたい、けど……仕事が」
たどたどしくそう言いながら、先生はなんだか不安そうだった。「本当に自分は、何も気にせずに誰かに会いに行くなんてことは出来るんだろうか」とでも思っていそうだった。
それでも、口に出したらきっと何かが変わるよ、とそんな気がした。「大丈夫だよ」と俺が先生を励まさないといけないのに、先生の肩に顔を埋めて「ありがと。待ってる」と伝えただけで、なんだか泣けそうだった。
先生を起こさないように、アラームの音は出さないでバイブだけにして、起動した瞬間に気合いでソッコー止めた。
なのに、結局先生は起きてしまった。
「……ごめん、起きた、よね?」
「ん……」
目を覚ましてからも先生はぼーっとしていた。ほんとは何時に起きる予定だったの?と聞く前に、ベッタベタに甘えてきたから、早く起きたのにベッドからはダラダラして出られなかった。
昨日駅で能面みたいな顔でブスッとしてたのと同じ人ですよね?と思わず聞きたくなる程の変わりようだった。
「……ちょっと、駄目だって。朝からそういうことしたくなるじゃん」
「うん……?」
「俺は構わない」と言っているかのような、甘ったるい相づちだった。
「駄目だよ」と制止しても、先生の冷たい手に腕を掴まれる。皮膚の質感やその下にある筋肉を確かめるようにして、指先がゆっくり腕を撫でてくる。くすぐるような動きだった。
「ヤッベエ……、これは先生からのオーケーの合図と解釈して、このままいくべきか……?」と迷った。出勤前なのにいいのかなー、と先生の表情をうかがったけど、うっとりしたように目を閉じていて、半分眠っているみたいだった。
服の裾をほんの少しだけ捲ると、くすぐったかったようで、ビク、とお腹が反応した。
「……仕事は?」
「……うん?……行く……」
「……そうだよね」
仕事行く前なのにいいの?と耳元に唇を寄せて囁くと、微かに頷いた。
黒くてツヤツヤした髪の毛先から覗く先生の耳朶は薄くて柔らかかった。
上に来ているものは捲り上げて、下に着ているものはずり下げるという、だらしなく乱れた格好になると、目のやり場に困るくらい先生は艶かしかった。
昨日、散々舐めたり吸ったりした場所が無防備に晒されている。
「……先生、これからは俺のためだけに戻って来て。……すぐじゃなくていいから、俺を先生の一番にして」
「……んっ」
「……ダメ?」
ゴメンね、俺はたぶんものすごいズルいことしてるよね、と心の中で謝りながら先生が一番触って欲しいであろうところを触った。
ふ、と先生が短く息を吐いてから目を開けた。困ったような顔で首を横に振っていて、「駄目?」という問い掛けに対していいのか駄目なのか分からなかった。
それでもう一度、今度は「俺を選んで」と囁いたら、短い声で唸りながら何度も頷いていた。
寝起きかつ、射精する寸前にこんなことを約束させたって意味はないのかもしれなかった。
あとで、冷静になった時、先生はやっぱりお母さんのことを思い出して、家族を簡単には切り捨てられない、と悩むだろうし、そんな自分を「酷い人間なんだろうか」と思うかもしれない。
でも、約束させずにはいられなかった。
朝から欲情したことが気恥ずかしかったのか、ぐったりしながらも先生は心配そうに眉間に皺を寄せた。服を直してあげてから「全然いいよ」という意味で、身体を擦ってやった。
先生の服で隠れていない、腕や手のひらといった部分がしっとりとしていて暖かかった。
完全に目が覚めたのか、パチリと開いた目がじっとこっちを見ていた。
先生はキレていない時は本当に可愛い顔をしている。
俺が高校生だった頃、「なんだか冷たくて怖いけど浅尾先生と仲良くなりたい」とたくさんの生徒が先生のことをチラチラと眺めていたのをなんとなく思い出した。
もちろん、俺もその一人で、怒られ過ぎて「怖い」という感覚が麻痺していたから誰よりもグイグイ行けた。
学年朝会だとか式典の時には先生がどこにいるのかいつも探していた。
たいがい、先生は体育館の後ろの方にいて「いた!」と俺が笑いかけると、「前向け」「キョロキョロすんな」「真っ直ぐ立て」と目と口パクで叱ってきた。何を言われてるか、声が聞こえなくてもたいていわかった。
構われてる、そう思うと嬉しくてずっとソワソワしていた。
あの時と、少しも先生の顔は変わっていない。なのに、今は先生と一緒にいると「構われたい」「仲良くなりたい」以外の考えがフッと頭を過る。
昨日みたいに「気持ちよかった」と満足した時でも、ほんの一瞬切なくなる。あの頃よりもずっと近しい仲なのに、俺はまだ先生の一番じゃない。
白くて滑らかな頬に触れながら、それでもいいよ、と思うしかなかった。
カーテンの隙間から陽の光が入り込んで、先生が顔をしかめた。
眩しくないようにしてあげようと、自分の胸に抱き込んだ時だった。
「…………何時だっ!」
「えっ?嘘。余韻に浸るの短かすぎない?どういうこと?」
スイッチのオンオフの切り替えじゃないんだから……と呆れながらも、時計は確認せずに体感で「7時じゃない?」と答えると先生はベッドから飛び出して行った。
それからものすごいスピードでシャワーを浴びて、髪をセットして戻って来た。
その後は「お前も入れ」と無理やり風呂に押し込められた。
ほんと、「イチャついた後の余韻は一分まで」というタイマーでもセットされてんのかな……と首を捻りながら戻ってくると、今度は冷蔵庫の前で先生が一人でオロオロしていた。
「……何も食べるものがない」
「昨日も冷蔵庫は空っぽだったじゃん?なんで、今朝になって大騒ぎしてんの?」
俺に対して「コイツに朝食を食べさせる」という使命感を燃やしているのか、「いらない。ほんとダイジョブ」と断ってるのに、「いいから飲め」とウィダーインゼリーを無理やり口に突っ込んできた。もし、ここが職場の飲み会で飲まされたのが日本酒やビールだったら間違いなくパワハラで訴えられる案件だ。
「あ、てか、ゴメン。さっき、7時つったけど、6時の間違いだった」
「は……」
今が7時だよ、良かったねー、と笑いかけると、喜ぶどころか「……おちょくってんのか」と怒られた。
先生は朝余裕が無い時は、こういう感じなんだ、と思いながら黙ってウィダーインゼリーを二人で並んで座って飲んだ。
結局、玄関で靴を履くまでの間「燃えるゴミの日だ」とか「お前荷物は?」と言いながら先生は一人でずっとバタバタしていた。
「……髪、ボサボサだよ」
玄関でよく磨かれた黒の革靴を履いている先生の髪を整えていたら、「……どうせ、会社に着く頃にはグシャグシャになる」と返ってきた。そうなることが、不愉快なのかなんだかぶっきらぼうな言い方だった。
「先生、目立つんだからちゃんとしなよ」
「……べつに、そんなことは、どうでも…。お前、この後は真っ直ぐ帰るんだろうな?」
「帰る前に寄る所があるから」
「……寄るってどこに?何をしに?」
「原宿。買い物」
正直にそう答えたら「なんでそんなところに寄る必要があるんだ」と怪訝そうな声で聞かれた。
「どこにも寄るな。真っ直ぐ帰れ」とまだ何もしていないのに、怒った声でそんなことを言われた。無駄遣いをするとか、危険な場所に行くとか、絶対に勝手に決めつけているに決まっていた。
「国立国会図書館に行く」とでも言えば良かったのかもしれない、と一瞬思ったけど、たぶんそう言ったとしても「何の本を借りに?公共の場ではマナーを守って他の利用者に迷惑をかけるな」と言ってくるに違いない。
面倒になって「土産を買う」と正直に答えたら、親かバイト先のために買うと思ったのか一万円札を無言で渡してきた。
「えっ、いや、違う違う!友達に買うだけだから!」
「友達……」
友達を大切にするのはいいことだと判断されたのか、「……お土産の基本はかさ張らない、日持ちするものだ」と助言されるだけですんだ。
「クソ本社のクソ親父が買ってくる、いかにもな東京土産はいらない」と友達からそう言われているから、先生の想像しているであろうクッキーとかラスクとかは絶対に買えそうになかった。
「……あー、大丈夫大丈夫。食べ物じゃなくて原宿で売ってる写真だから」
「……写真?」と先生は不思議そうな顔をしていた。「アイドルの男の子の写真を買う」と言ったら何か誤解されそうだから詳しくは言えなかった。
「そうそう。俺が無事に写真を買って帰れるように祈っといて」
「……当たり前だろ。着いたら必ず連絡しろ。着かなくても連絡しろ」
「ありがとー」
バッと抱き着いたら、先生がほんの少しよろめいてコツ、と靴底が鳴った。品のある乾いた音がした。
「ね、次はいつ会える?」
「え……」
単に仕事が忙しいのか、他の理由で躊躇しているのか、先生はすぐには答えなかった。
「……わからない。けど、その時は、…………これからは、どこにも寄らないで真っ直ぐ会いに行く、と思う……。本当はすぐ行きたい、けど……仕事が」
たどたどしくそう言いながら、先生はなんだか不安そうだった。「本当に自分は、何も気にせずに誰かに会いに行くなんてことは出来るんだろうか」とでも思っていそうだった。
それでも、口に出したらきっと何かが変わるよ、とそんな気がした。「大丈夫だよ」と俺が先生を励まさないといけないのに、先生の肩に顔を埋めて「ありがと。待ってる」と伝えただけで、なんだか泣けそうだった。
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