26 / 35
1
26.決心
しおりを挟む
その日の夜は二重の意味で眠れなかった。
まず、「ここを使え」と言われた寝床がヤバすぎた。
イヴ・サンローランのベッドシーツで寝るなんてはじめてだ、と黒地に「YSL」が縦に重なった白いロゴがプリントされているシーツを眺めながら「本物?」と聞いたら、当たり前だろう、と呆れられた。
「……こんなの、パチもんをどこで買うっていうんです?」
「いや、フツーはこんなハイブランドのベッドシーツなんか使わないって……。そもそも、なんで二段ベッドで寝てんの?一人部屋だよね?」
部屋に来た時から不思議に思っていたことを質問すると、「二段ベッドで寝たかったから。それだけっすよ」という答えが返ってきた。
ということは、リョーちゃんは高いところで寝るのが好きで普段は上段で寝ているんだろうか、と思ったが、「ハヤトさん、上ね」と指定されて、ますますわけがわからなくなった。
「下で寝てるんなら、二段ベッド置いてる意味ないよね?……同じ値段でデカくて、もっといいベッド買えるでしょ?」
「……なんでか、知りたいですか?」
あまり深く考えずに、うん、と頷いた。「ここ、ここ」と下段のベッドに腰掛けたリョーちゃんが、上段の床板の部分を指差した。
そうか、上段のベッドが天井代わりになっていて隠れ家感が味わえながらも、ハシゴでの上り下りがめんどくさくない、「二段ベッドの下」が好きなんだと、その時はそう思っていた。
ひぃっ、と喉から絞り出すような悲鳴を上げたのは産まれて初めてだった。
上段のベッドの底にベタベタと何枚も貼られていたのは、おそらくジャニーズJr.だと思われる若い可愛い男の子の写真だった。
「いや、これヤバいって!どう考えても犯罪でしょ!」
「はあ?これの何が犯罪なんです?べつに盗撮したわけでもない、ショップで買ったやつか、雑誌に載ってた写真だから、何の問題もないっすけど?」
「無理無理無理!怖い!ほんとに怖い!てか、なんでこんなとこに貼ってんの?普通に壁に貼ればいいじゃん!」
「はあ……。ハヤトさん、なんもわかってないっすよね……。ここに寝た時だけ見えるのがいいんですよ」
「いや、理由聞いても怖い!マジで怖い、俺、この部屋で寝たくない!」
理由を聞いたら余計に怖く感じられた。正直言って、「絶対に幽霊が出るらしい」という噂で有名なトンネルに友達とドライブに行った時よりも遥かにゾッとした。
他に寝る場所は無い、という100パーセント嘘だとしか思えない理由でねじ伏せられて、諦めて横になったハイブランドのベッドシーツはサラサラしていて、肌触りがよかった。
けれど、仰向けに寝ていると、床板を突き破るかのような視線を背中に感じた。……もちろん、気のせいなんだろうけど、時々写真を眺めているであろうリョーちゃんの「んふっ」という含み笑いが聞こえるたびに、背中がゾクゾクして寒気を感じた。
「ハヤトさん、もう寝ました?」
「……うん?起きてるよ」
「東京行きます?」
「うん……」
ゴロゴロと寝返りを打ちながら返事をした。
最後に先生に送ったメッセージに、もう四日も既読がつかない。今までの最長記録だ。
単に嫌われていて、いよいよブロックされたのか、或いは具合を悪くしているのかは、分からなかった。
それを確かめるためにも、先生に会いたかった。
「……ハヤトさん、もし、ほんっとーに好きなら言いたくないことも言わないと駄目っすよ。さっきの……母親と自分を選ばせるのも……。
母親も母親で息子が会いに来ちゃってるうちは、一生変わらないっすから。本当に」
「うん、うん……。なんか、前にもそういうこと誰かに言われたことあるかも……」
「まあ……フラれたら、その時はその時で。俺があの先生をナンパしに行きますかね……。ハヤトさんと別れた後ならチョロそうだし」
「……また、そういうこと言う……」
リョーちゃんはつくづく変わった友達だった。
「女を紹介してよ」とか「ハヤトの彼女可愛いよね」と言ってくる高校や大学の友達とは、全然性質が違っていた。
スッと俺と先生の間に入ってきては、意地の悪いことを言ったり、鋭いことを言ったり、背中を押すようなことを言ったりする。
今日までずっと、会いに行かなければ、先生を追いかけなければ、とは思っていたけど、直接会って拒絶されるのが怖くて、なかなか勇気を出せずにいた。
不思議なことに「会えばきっと仲直りできるよ!頑張って!」と励まされるよりも、「俺がナンパしに行く」と言われた方が、よっぽど「ハッキリ面と向かって「迷惑だ」と言われてもいいから、とにかく直接会おう」という気持ちになった。
リョーちゃんはもしかしたら、こうなるのを狙っていてあんなことを言ったのか、それとも俺をからかっているのか、結局のところよくわからない。
先生と一緒でリョーちゃんも掴み所がない不思議な人だ。
けれど、先生と違って行動の一つ一つが「俺がそうしたいから」という理由で選択されているような気がした。
「全く、ハヤトさんは手がかかるんだから、しょうがねーなー」とボヤいているのが、下の方から聞こえたから、一応リョーちゃんの中では面倒を見てやっている、ということになっているらしかった。
「ありがとう。いろいろ考えてくれて……なんでそんな面倒見てくれんの?」
「性欲っすかね……」
「え?」
「25歳までならこうやって面倒見てやってもいいっすけど……」
「なんでよ?25歳まで友達なら、その後もずっと友達でいようよ」
「えー…30歳になると人間って完全に出来上がっちゃうからなー…。それに、ジジイはちょっと……。やっぱ人間、見た目が全てなんで」
「えー?そうかなー?どんなに可愛くても性格が合わなかったら、ずっと一緒にいられないって。見た目なんてその人の一部分でしかないじゃん」
「……それ、明らかに歴代の女を振り返って、特定の誰かのことを言ってますよね?」
「……内緒」
しつこく「昔の女について教えろ」と聞かれたけど、適当にはぐらかしたり聞こえていないふりをして誤魔化した。
「女のことはいいじゃん。
ほんとにさ、25歳までしか友達でいないっていうのはやめてよ」
リョーちゃんの友達でいることの条件になっているらしい25歳定年制については、「ハゲたり太ったりしない」ということを条件に、しぶしぶ考えなおしてくれたようだった。
「…ハヤトさん、東京のお土産お願いしますよ」
「うん……?覚えてたらね……」
「クソ本社のクソ親父が買ってくるような、いかにもな東京土産はいらないっすからね」
「ハイハイ……」
いっつも文句言いながら食べてるじゃん、とは思ったけど言わないでおいた。
リョーちゃんは、編集作業で集中したことで疲れたのか、すぐに寝てしまったようだった。
一方、俺はというと、いよいよ先生を追いかけて東京に行くということと、会って何を言えばいいんだろう、ということを考えて眠れなくなっていた。
「先生大好き、ごめんね」ですめば簡単なんだろうけど、先生に言わないといけないこと、話さないといけないことは山程あるからだ。
しかも、そのうちのほとんどが言いにくいことだ。例えば、リョーちゃんが言っていたように、お母さんと俺とどっちが好き?と聞いたとして、先生はものすごく困ったような顔をして黙り込んでしまうような気がした。
お母さんとのことに対して、先生に「守ってあげる」「俺を頼れ」「放っておけない」……こういうことを言えたら、たぶん文句なしでかっこいい。
けれど、言うだけでは駄目だ。というか、言うのは簡単で、言った後どうするかの方がずっと重要だという気がした。
二日後、東京に行くために電車に乗った。
電車はいくつもいくつも駅を通り過ぎた。
まだ、先生に自分の気持ちを上手く伝える段取りは決まっていないのに、東京駅に着くまでの時間は、もうほとんど残っていない。
まず、「ここを使え」と言われた寝床がヤバすぎた。
イヴ・サンローランのベッドシーツで寝るなんてはじめてだ、と黒地に「YSL」が縦に重なった白いロゴがプリントされているシーツを眺めながら「本物?」と聞いたら、当たり前だろう、と呆れられた。
「……こんなの、パチもんをどこで買うっていうんです?」
「いや、フツーはこんなハイブランドのベッドシーツなんか使わないって……。そもそも、なんで二段ベッドで寝てんの?一人部屋だよね?」
部屋に来た時から不思議に思っていたことを質問すると、「二段ベッドで寝たかったから。それだけっすよ」という答えが返ってきた。
ということは、リョーちゃんは高いところで寝るのが好きで普段は上段で寝ているんだろうか、と思ったが、「ハヤトさん、上ね」と指定されて、ますますわけがわからなくなった。
「下で寝てるんなら、二段ベッド置いてる意味ないよね?……同じ値段でデカくて、もっといいベッド買えるでしょ?」
「……なんでか、知りたいですか?」
あまり深く考えずに、うん、と頷いた。「ここ、ここ」と下段のベッドに腰掛けたリョーちゃんが、上段の床板の部分を指差した。
そうか、上段のベッドが天井代わりになっていて隠れ家感が味わえながらも、ハシゴでの上り下りがめんどくさくない、「二段ベッドの下」が好きなんだと、その時はそう思っていた。
ひぃっ、と喉から絞り出すような悲鳴を上げたのは産まれて初めてだった。
上段のベッドの底にベタベタと何枚も貼られていたのは、おそらくジャニーズJr.だと思われる若い可愛い男の子の写真だった。
「いや、これヤバいって!どう考えても犯罪でしょ!」
「はあ?これの何が犯罪なんです?べつに盗撮したわけでもない、ショップで買ったやつか、雑誌に載ってた写真だから、何の問題もないっすけど?」
「無理無理無理!怖い!ほんとに怖い!てか、なんでこんなとこに貼ってんの?普通に壁に貼ればいいじゃん!」
「はあ……。ハヤトさん、なんもわかってないっすよね……。ここに寝た時だけ見えるのがいいんですよ」
「いや、理由聞いても怖い!マジで怖い、俺、この部屋で寝たくない!」
理由を聞いたら余計に怖く感じられた。正直言って、「絶対に幽霊が出るらしい」という噂で有名なトンネルに友達とドライブに行った時よりも遥かにゾッとした。
他に寝る場所は無い、という100パーセント嘘だとしか思えない理由でねじ伏せられて、諦めて横になったハイブランドのベッドシーツはサラサラしていて、肌触りがよかった。
けれど、仰向けに寝ていると、床板を突き破るかのような視線を背中に感じた。……もちろん、気のせいなんだろうけど、時々写真を眺めているであろうリョーちゃんの「んふっ」という含み笑いが聞こえるたびに、背中がゾクゾクして寒気を感じた。
「ハヤトさん、もう寝ました?」
「……うん?起きてるよ」
「東京行きます?」
「うん……」
ゴロゴロと寝返りを打ちながら返事をした。
最後に先生に送ったメッセージに、もう四日も既読がつかない。今までの最長記録だ。
単に嫌われていて、いよいよブロックされたのか、或いは具合を悪くしているのかは、分からなかった。
それを確かめるためにも、先生に会いたかった。
「……ハヤトさん、もし、ほんっとーに好きなら言いたくないことも言わないと駄目っすよ。さっきの……母親と自分を選ばせるのも……。
母親も母親で息子が会いに来ちゃってるうちは、一生変わらないっすから。本当に」
「うん、うん……。なんか、前にもそういうこと誰かに言われたことあるかも……」
「まあ……フラれたら、その時はその時で。俺があの先生をナンパしに行きますかね……。ハヤトさんと別れた後ならチョロそうだし」
「……また、そういうこと言う……」
リョーちゃんはつくづく変わった友達だった。
「女を紹介してよ」とか「ハヤトの彼女可愛いよね」と言ってくる高校や大学の友達とは、全然性質が違っていた。
スッと俺と先生の間に入ってきては、意地の悪いことを言ったり、鋭いことを言ったり、背中を押すようなことを言ったりする。
今日までずっと、会いに行かなければ、先生を追いかけなければ、とは思っていたけど、直接会って拒絶されるのが怖くて、なかなか勇気を出せずにいた。
不思議なことに「会えばきっと仲直りできるよ!頑張って!」と励まされるよりも、「俺がナンパしに行く」と言われた方が、よっぽど「ハッキリ面と向かって「迷惑だ」と言われてもいいから、とにかく直接会おう」という気持ちになった。
リョーちゃんはもしかしたら、こうなるのを狙っていてあんなことを言ったのか、それとも俺をからかっているのか、結局のところよくわからない。
先生と一緒でリョーちゃんも掴み所がない不思議な人だ。
けれど、先生と違って行動の一つ一つが「俺がそうしたいから」という理由で選択されているような気がした。
「全く、ハヤトさんは手がかかるんだから、しょうがねーなー」とボヤいているのが、下の方から聞こえたから、一応リョーちゃんの中では面倒を見てやっている、ということになっているらしかった。
「ありがとう。いろいろ考えてくれて……なんでそんな面倒見てくれんの?」
「性欲っすかね……」
「え?」
「25歳までならこうやって面倒見てやってもいいっすけど……」
「なんでよ?25歳まで友達なら、その後もずっと友達でいようよ」
「えー…30歳になると人間って完全に出来上がっちゃうからなー…。それに、ジジイはちょっと……。やっぱ人間、見た目が全てなんで」
「えー?そうかなー?どんなに可愛くても性格が合わなかったら、ずっと一緒にいられないって。見た目なんてその人の一部分でしかないじゃん」
「……それ、明らかに歴代の女を振り返って、特定の誰かのことを言ってますよね?」
「……内緒」
しつこく「昔の女について教えろ」と聞かれたけど、適当にはぐらかしたり聞こえていないふりをして誤魔化した。
「女のことはいいじゃん。
ほんとにさ、25歳までしか友達でいないっていうのはやめてよ」
リョーちゃんの友達でいることの条件になっているらしい25歳定年制については、「ハゲたり太ったりしない」ということを条件に、しぶしぶ考えなおしてくれたようだった。
「…ハヤトさん、東京のお土産お願いしますよ」
「うん……?覚えてたらね……」
「クソ本社のクソ親父が買ってくるような、いかにもな東京土産はいらないっすからね」
「ハイハイ……」
いっつも文句言いながら食べてるじゃん、とは思ったけど言わないでおいた。
リョーちゃんは、編集作業で集中したことで疲れたのか、すぐに寝てしまったようだった。
一方、俺はというと、いよいよ先生を追いかけて東京に行くということと、会って何を言えばいいんだろう、ということを考えて眠れなくなっていた。
「先生大好き、ごめんね」ですめば簡単なんだろうけど、先生に言わないといけないこと、話さないといけないことは山程あるからだ。
しかも、そのうちのほとんどが言いにくいことだ。例えば、リョーちゃんが言っていたように、お母さんと俺とどっちが好き?と聞いたとして、先生はものすごく困ったような顔をして黙り込んでしまうような気がした。
お母さんとのことに対して、先生に「守ってあげる」「俺を頼れ」「放っておけない」……こういうことを言えたら、たぶん文句なしでかっこいい。
けれど、言うだけでは駄目だ。というか、言うのは簡単で、言った後どうするかの方がずっと重要だという気がした。
二日後、東京に行くために電車に乗った。
電車はいくつもいくつも駅を通り過ぎた。
まだ、先生に自分の気持ちを上手く伝える段取りは決まっていないのに、東京駅に着くまでの時間は、もうほとんど残っていない。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
新緑の少年
東城
BL
大雨の中、車で帰宅中の主人公は道に倒れている少年を発見する。
家に連れて帰り事情を聞くと、少年は母親を刺したと言う。
警察に連絡し同伴で県警に行くが、少年の身の上話に同情し主人公は少年を一時的に引き取ることに。
悪い子ではなく複雑な家庭環境で追い詰められての犯行だった。
日々の生活の中で交流を深める二人だが、ちょっとしたトラブルに見舞われてしまう。
少年と関わるうちに恋心のような慈愛のような不思議な感情に戸惑う主人公。
少年は主人公に対して、保護者のような気持ちを抱いていた。
ハッピーエンドの物語。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
漢方薬局「泡影堂」調剤録
珈琲屋
BL
母子家庭苦労人真面目長男(17)× 生活力0放浪癖漢方医(32)の体格差&年の差恋愛(予定)。じりじり片恋。
キヨフミには最近悩みがあった。3歳児と5歳児を抱えての家事と諸々、加えて勉強。父はとうになく、母はいっさい頼りにならず、妹は受験真っ最中だ。この先俺が生き残るには…そうだ、「泡影堂」にいこう。
高校生×漢方医の先生の話をメインに、二人に関わる人々の話を閑話で書いていく予定です。
メイン2章、閑話1章の順で進めていきます。恋愛は非常にゆっくりです。
頼りないセンセイと素直じゃない僕
海棠 楓
BL
入学した高校で出会った新任教師はどうにもいけ好かないヤツ……だったのに!!
成績優秀だけど斜に構えた生意気男子と、モテモテゆるふわ現代文教師の甘酸っぱい恋模様。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる