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二百八十四話 到着
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「滅絶。」
魔王は立ちすくんでいるヨーテルに、
あの魔法を放つ。
「......危ない......!」
恐怖からなのか、それともまだ
頭の整理ができていないからなのか、
じっと動かないでいたヨーテルを
鬼灯が抱えて、その黒い風を避ける。
それでようやくヨーテルは正気に
戻った。
「どうして......跡形も無く消し去った
はずなのに......!!」
「......体の一部が......残ってたとか?」
「そんなはずないわ。どこかの部位が
残ってないか確認したもの。」
苦悩しているヨーテルと鬼灯の
姿を楽しみながら、再び魔王は
「滅絶。」
と魔法を放つ。
「ジャイロストーム!」
あの黒い風をこの強風なら!
そう思ったヨーテルだったが、
ヨーテルの魔法は黒い風に
飲み込まれてしまった。
避けられない!
ヨーテルはその現実から目を背ける
ように、目を瞑ってしまったが、
鬼灯はまだ諦めておらず
「忍法 影分身」
と、自身の分身三体を生成して
自分達の盾とした。
サー......
黒い風は消滅したが、三体の分身も
あっという間に灰となってしまった。
だが、また黒い風が来る。
その為に何か対策を、と
ヨーテルと鬼灯は考えていたが
「おい!!! お前ら!! 後ろだ!!」
と、カクバの叫び声でばっと
後ろを振り向く。
「ゲハッ!!!」
突如として背後に現れた
魔王は、まずは鬼灯を蹴り飛ばした。
「貴様、邪魔だ。今はこやつに褒美を
与えようとしているのだ。
そこで、地べたに這いつくばりながら
順番が来るのを待つがいい。」
バシッ!
そう鬼灯に吐き捨てた魔王は
一旦距離を取ろうとした
ヨーテルの首を掴み、締め上げる。
「......ぐっ......ぁ......」
「ヨーテル!」
「もう遅い。」
首を絞められて今にも気を失いそうな
ヨーテルを救おうと、カクバとバーゼン
は動いたが、もう既にそ魔王は
左手のひらをヨーテルに向けて
口を開いていた。
「めつぜ──」
間に合わねぇ!!
カクバ達がそう思った次の瞬間
「ライジング・スラッシュ」
見えない壁の向こう側であの声が
したかと思えば......
ドッカーーーン!!!
一瞬にして、ヨーテルと魔王の背後に
あった石の壁が破壊された。
「ほう......まだ人間がおったか。」
「ゴホッゴホッ!」
魔王は興味の無くなった
ヨーテルを雑に地面に投げ捨て、
壊れた壁の方を見る。
「石化切烈!!!」
すると、壁を壊した張本人が
疾風の如く魔王に接近し、
魔王に斬りかかった。
その刃は魔王の心臓のある
位置をピンポイントに
射抜いたのだった。
魔王は立ちすくんでいるヨーテルに、
あの魔法を放つ。
「......危ない......!」
恐怖からなのか、それともまだ
頭の整理ができていないからなのか、
じっと動かないでいたヨーテルを
鬼灯が抱えて、その黒い風を避ける。
それでようやくヨーテルは正気に
戻った。
「どうして......跡形も無く消し去った
はずなのに......!!」
「......体の一部が......残ってたとか?」
「そんなはずないわ。どこかの部位が
残ってないか確認したもの。」
苦悩しているヨーテルと鬼灯の
姿を楽しみながら、再び魔王は
「滅絶。」
と魔法を放つ。
「ジャイロストーム!」
あの黒い風をこの強風なら!
そう思ったヨーテルだったが、
ヨーテルの魔法は黒い風に
飲み込まれてしまった。
避けられない!
ヨーテルはその現実から目を背ける
ように、目を瞑ってしまったが、
鬼灯はまだ諦めておらず
「忍法 影分身」
と、自身の分身三体を生成して
自分達の盾とした。
サー......
黒い風は消滅したが、三体の分身も
あっという間に灰となってしまった。
だが、また黒い風が来る。
その為に何か対策を、と
ヨーテルと鬼灯は考えていたが
「おい!!! お前ら!! 後ろだ!!」
と、カクバの叫び声でばっと
後ろを振り向く。
「ゲハッ!!!」
突如として背後に現れた
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「貴様、邪魔だ。今はこやつに褒美を
与えようとしているのだ。
そこで、地べたに這いつくばりながら
順番が来るのを待つがいい。」
バシッ!
そう鬼灯に吐き捨てた魔王は
一旦距離を取ろうとした
ヨーテルの首を掴み、締め上げる。
「......ぐっ......ぁ......」
「ヨーテル!」
「もう遅い。」
首を絞められて今にも気を失いそうな
ヨーテルを救おうと、カクバとバーゼン
は動いたが、もう既にそ魔王は
左手のひらをヨーテルに向けて
口を開いていた。
「めつぜ──」
間に合わねぇ!!
カクバ達がそう思った次の瞬間
「ライジング・スラッシュ」
見えない壁の向こう側であの声が
したかと思えば......
ドッカーーーン!!!
一瞬にして、ヨーテルと魔王の背後に
あった石の壁が破壊された。
「ほう......まだ人間がおったか。」
「ゴホッゴホッ!」
魔王は興味の無くなった
ヨーテルを雑に地面に投げ捨て、
壊れた壁の方を見る。
「石化切烈!!!」
すると、壁を壊した張本人が
疾風の如く魔王に接近し、
魔王に斬りかかった。
その刃は魔王の心臓のある
位置をピンポイントに
射抜いたのだった。
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