3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

文字の大きさ
上 下
280 / 351

二百八十話 ヨーテルと長老3

しおりを挟む
ドカーーンッ!!


ヨーテルの放った雷撃は
長老に直撃した。


「これで少しはやる気になったん
じゃ──」


が、ヨーテルは長老が
全く傷を負っていないことに
言葉を失う。


「貴様!! これは重罪だそ!!
皆のもの! あいつを捕まえろ!」


付き添い人は顔面を朱に染めて
周りにいた連中に指示を出した。


「や、止め──」


すると、周りにいた連中は集団で
ヨーテルを押さえ込こもうとする。
さすがの彼女でも数には勝てず、
地べたに押さえつけられてしまった。
最後は付き添い人が抵抗する
ヨーテルの手足を紐で縛り
付けようと、歩み寄ったが



「よすんじゃ。皆のもの。
わしは怪我などしておらん。
その子を離してやりなさい。」


と、長老がそれを止めさせた。


「......覚えていろ! 次は無いからな!」


「見たかよ、あいつ。長老様に
手を出したぜ。」


「長老様が寛容なお方で命拾い
したわね。さっさと、死んじゃえば
いいのに。」


長老が出ていったギルドでは、
ヨーテルを卑下する声が飛び
交っていた。
その空気に耐えきれず、ヨーテルは
散らばった私物を広い集めて
討伐クエストに一人で向かった
のだった。















「全く! あの糞ガキが!」


「これ。口が悪いぞ。」


「し、しかし......よかったのですか?
あんな奴を野放しにしておいて。」


「別にわしはあの子を捕まえに来た
わけじゃないからの。
それに、あの子も被害者なんじゃよ。
きっと......」


「被害者? 加害者の間違えでは?」


一向にヨーテルのことを毛嫌いする
付き添い人に、はぁとため息をつき
ながら、道を歩いていると......


「長老様! 大変です!」


後ろから、とある職業者の一人が
顔を真っ青にしてこちらに
走って来た。


「どうしたんじゃ。そんなに
血相を変えて。」


「実は先ほど、北西部の森の中で
六体の魔族に遭遇したとの報告が。」


「なんじゃと!? 何故上の大陸に
魔族が......いや、それよりも
直ぐに北西部の森に他の者達が
入らないように封鎖するんじゃ。」


「そ、それが......実は......
調べたところ、少し前にその森に
討伐クエストを受けて向かった者が
一人おりまして......」


「一人じゃと!? まさか......!!」














【北西部の森】


「何よ! どいつもこいつも!
群れるしか能の無い弱者のくせに!
あの老人もよ! 私にあんなことされて
何も抵抗しないなんて、なめてるわ!」


そうグチグチ言いながら、ヨーテルは
道端に転がっていた石ころを
蹴って八つ当たりをする。


「......でも、今は集中よ......
任務中だわ......えっと......討伐目標は
森林グマを十体ね。
楽勝じゃない。」

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

F級スキル持ちのモブ陰キャ、諦めきれず毎日のようにダンジョンに潜ってたら【Lv.99999】まで急成長して敵がいなくなりました

藍坂いつき
ファンタジー
 ある日、世界に突如として現れた迷宮区《ダンジョン》と呼ばれる謎の地下迷宮。  同時にスキルと呼ばれる異能の能力、レベルという概念までが現れた。  各国の政府機関は国連と結託し、探索者ギルトというものを設立し、大探索者時代が到来する。  そんな中、長年引きこもりニート生活を極めていた高校生「國田元春」はニート生活から脱却すべく探索者免許を手に入れたのだが……開眼したスキルはF級と呼ばれる一番弱いスキルだった。  しかし、そのスキルには秘密があった。  それは、レベルが99999になると言うバグが発生すると言うもので……。 「え、俺のレベル高すぎない??」 ※筆者は長年ラブコメを書いている恋愛厨です。恋愛要素が多く、ファンタジーが上手いわけではありません。お手柔らかにお願いします。 ※カクヨムからの転載になります。カクヨムでは3000フォロワー、☆1000突破しました! HOTランキングトップ5入りありがとうございます!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

闇属性転移者の冒険録

三日月新
ファンタジー
 異世界に召喚された影山武(タケル)は、素敵な冒険が始まる予感がしていた。ところが、闇属性だからと草原へ強制転移されてしまう。  頼れる者がいない異世界で、タケルは元冒険者に助けられる。生き方と戦い方を教わると、ついに彼の冒険がスタートした。  強力な魔物や敵国と死闘を繰り広げながら、タケルはSランク冒険者を目指していく。 ※週に三話ほど投稿していきます。 (再確認や編集作業で一旦投稿を中断することもあります) ※一話3,000字〜4,000字となっています。

処理中です...