3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

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二百三十二話 仲間の捜索30

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「どうしたのだよ、カクバ。
ラーバに何か言われたのか?」


「い、いや! なんでもね!
なんも言われてねえよ!」


不審な表情を浮かべて
問い詰めるバーゼンに
カクバは首を大袈裟に横に振る。



「......後で聞くのだよ。」


その反応に何かあったんだな
と感じたバーゼンはとりあえず
一旦そのことを置くことにした。


「ふふふ。まあいいですよ。
直に私の言ったことが
真実だとわかります。
その時が来たときに果たして
あなた方が核を殺せるのでしょうか。
それが見れないのが残念です。」


「......核? お主は一体何を
言っているんじゃ。」


「それは......秘密です。」


すると、長老はより低い声で
話せ、さもなくばとラーバを脅したが
当のラーバは謎めいた笑みを浮かべる
だけだった。


「長老。もういいでしょう。
さっさとそいつを殺らないと
こっちが気味が悪くなるわ。」


「そうじゃな。」


「待ってください、長老。
幹部を一人ここで生け捕りに
できれば、我々に魔族についての
多くの情報が手に入ります。
ここで始末しては......」


「......」


長老にとってこの魔族は
殺したくて仕方がない敵。
しかし、タチアナの言う通り
ここで魔族の幹部を生け捕りに
できれば、後々戦況が
有利に働くかもしれない。
自分の長年の悲願を果たすか、
それとも人間側が魔族に勝利する
ためにここは我慢するか、長老は
少し葛藤したようだったが


「......タチアナちゃんの言う
通りじゃな。」


と、心の中の憎悪を必死に
圧し殺した。


「ふふふふふっ!!!」


その様子を見ていたラーバが
唐突に狂ったように笑い出し、
ひとしきり笑い終えるとふぅーと
呼吸を整えて、その口を開いた。


「何故私がこんなにも
今心が踊っているのか
わかりますか!? ふふふっ!
完成したからですよ。
人間側が敗北する要因となる
であろう核が!
完成したんです!!!!」


ラーバの意味不明な
言葉に一同が理解できずに
ただ呆然としている。


「それではそろそろ私はここで
退場させていただきます。
皆さん、どうぞ頑張ってください。」


ジュワン


すると、ラーバの体に
魔方陣が刻み込まれた。


それを見た長老は
何かするきだと悟り、
生け捕りにするのを止めて
息の根を止めようとしたが、
その必要はなかった。


「予言します。
あなた方人間は、魔王様が
直々に手を下さなくとも
内部から崩壊する!!!」


そう言ってラーバは自身の
肉片や血を辺りに撒き散らせて自爆した。

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