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二百十三話 仲間の捜索11
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「......ったく......えらいめに
会った。」
ヨーテルに荷物検査を強要されてから
二時間が経過し、今は船内に
いる全員の職業者たちが
広々とした会議室に集められていた。
前の席にはタチアナをはじめとする
隊長達が座り、俺たち下っ端は
席が少ないため、ずっと立ったまま
だった。
「皆、よく集まった。
これより、次の目的地である
呪覆島についての説明をしようと
思う。」
堂々と座っていた隊長達の中から
タチアナが立ち上がり、壁に
大きな地図を貼り、とある島を
指差す。
「我々は現在、ジュラ島から少し
離れたほぼ北西の海域にいるが、
そこから真っ直ぐ北に進むと
たどり着く。時間は後一時間もない。
早急に準備に取りかかってほしい。
さて早速、島の中についての
情報だが、まず霧がとても濃い。
島の中に入ったら先10メートルは
何も見えないと言っていいだろう。
そして何よりも皆に危惧してほしいの
のはそこら辺に底なし沼があるという
ことだ。島は湿地帯になっており、
一度沼に飲まれたら、霧が濃い
ため、救助も厳しいだろう。
だから、皆にはくれぐれも気をつけ
てほしい。次に、島にいる幹部に
ついてたが......」
タチアナは礼儀正しく後は
お願いしますと長老を見る。
「うむ。わしが先ほど占ったんじゃが、
結果は......見た目は人間じゃが、
目は闇を宿しておる魔族じゃった。」
それって......長老が憎んでいるラーバ
じゃないのか?
俺はそう思って長老を見ると、
長老は俺がそう反応するのが
わかっていたようで、俺の顔を
見て頷いた。
「特徴からして......おそらく
ラーバじゃのう。カクバ君たちも
以前はこの島でラーバと遭遇した
と言っておった。」
「そして、三人とも
こてんぱんにやられたわね。」
すると、大人しく話を聞いていた
ヨーテルが馬鹿にしたように
口を開いた。
「聞けばその魔族、敵を操れる
とか言うじゃない。ただでさえ、
霧が濃くて行方不明になりそう
なのに、そんな幹部がいるんじゃ
ここにいる全員で島に入るのは危険
じゃない? ね、タチアナ。」
「そうだな。私もアイラス島で
自分の部下が操られてとても
苦労した。ここは島に
上陸するメンバーを最小限に
した方がいいかもしれないな......」
「それなら回復魔法士いらないから
この船に置いていきましょう!」
「ルドルフ......少し黙っていてくれ。」
タチアナはやや飽きれを含みながら
キレ口調で言った。
会った。」
ヨーテルに荷物検査を強要されてから
二時間が経過し、今は船内に
いる全員の職業者たちが
広々とした会議室に集められていた。
前の席にはタチアナをはじめとする
隊長達が座り、俺たち下っ端は
席が少ないため、ずっと立ったまま
だった。
「皆、よく集まった。
これより、次の目的地である
呪覆島についての説明をしようと
思う。」
堂々と座っていた隊長達の中から
タチアナが立ち上がり、壁に
大きな地図を貼り、とある島を
指差す。
「我々は現在、ジュラ島から少し
離れたほぼ北西の海域にいるが、
そこから真っ直ぐ北に進むと
たどり着く。時間は後一時間もない。
早急に準備に取りかかってほしい。
さて早速、島の中についての
情報だが、まず霧がとても濃い。
島の中に入ったら先10メートルは
何も見えないと言っていいだろう。
そして何よりも皆に危惧してほしいの
のはそこら辺に底なし沼があるという
ことだ。島は湿地帯になっており、
一度沼に飲まれたら、霧が濃い
ため、救助も厳しいだろう。
だから、皆にはくれぐれも気をつけ
てほしい。次に、島にいる幹部に
ついてたが......」
タチアナは礼儀正しく後は
お願いしますと長老を見る。
「うむ。わしが先ほど占ったんじゃが、
結果は......見た目は人間じゃが、
目は闇を宿しておる魔族じゃった。」
それって......長老が憎んでいるラーバ
じゃないのか?
俺はそう思って長老を見ると、
長老は俺がそう反応するのが
わかっていたようで、俺の顔を
見て頷いた。
「特徴からして......おそらく
ラーバじゃのう。カクバ君たちも
以前はこの島でラーバと遭遇した
と言っておった。」
「そして、三人とも
こてんぱんにやられたわね。」
すると、大人しく話を聞いていた
ヨーテルが馬鹿にしたように
口を開いた。
「聞けばその魔族、敵を操れる
とか言うじゃない。ただでさえ、
霧が濃くて行方不明になりそう
なのに、そんな幹部がいるんじゃ
ここにいる全員で島に入るのは危険
じゃない? ね、タチアナ。」
「そうだな。私もアイラス島で
自分の部下が操られてとても
苦労した。ここは島に
上陸するメンバーを最小限に
した方がいいかもしれないな......」
「それなら回復魔法士いらないから
この船に置いていきましょう!」
「ルドルフ......少し黙っていてくれ。」
タチアナはやや飽きれを含みながら
キレ口調で言った。
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