3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

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二百七話 仲間の捜索5

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「ルドルフさん!
私のことは馬鹿にしても
いいですが、私の部下のことまで──」


「こらこら落ち着くんじゃサッちゃん。
ルドルフ君もあまり人が不快に思うよ
うなことは言うもんではない。」


いつもおどおどしているサッちゃん
だが、流石に我慢の限界に
きたのか珍しくルドルフに反発する。
それを長老が止めに入った。


「はーい。」


「ご、ごめんなさい。で、でも......」


サッちゃんは何か言いたげに
口をもごもごさせる。
それを見たヨーテルがフォローなのか
それとも本当にそう思っているのか


「ま、あの男はまあまあ優秀
だったわね。」


と言い、あの男嫌いのヨーテルが!?
と長老までもが意外な顔をする。



「な、何よ。私が他人を誉めること
がらそんなに意外なわけ?」


「そ、そんなこと思っていない。」


タチアナはやや顔をひきつらせながら
答える。


「ふんっ! 別に私はあの男の
回復魔法が凄かったから
誉めただけよ。
逆に他に誉めれるところなんて
ないわ。あいつ、この私に無断で
勝手にいなくなって──」


ヨーテルは人のことを
置いていくのは別にどうとも
思っていないが、置いていかれるのは
嫌いなようで、未だにぐちぐち
言っている。



「あの......ヨーテルさん。
ちなみに隼人君はどんな
回復魔法を使ったんですか?」



すると、選抜試験時から
隼人の正体が気になっていた
サッちゃんがヨーテルに尋ねる。


「え? 私が見たのは確か......神の手
とかいう体に手を刺す魔法とか......」


「え!? か、神の手!?」


うわ......ヤバイ......


タチアナは自分が最も恐れていた
ことが今起きてしまったと悟った。



「さ、サーマクリフエント
ロマナーニ......そ、そろそろ本題に......」



「き、聞いてください! タチアナさん。
私、前々から隼人君のことが
気になっていたんですけど......
彼、自分の言っているレベルでは
絶対に使えない魔法を使っている
んです!」


タチアナの思いも虚しく
会議の話題は隼人へと
移っていくのだった。
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