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百七十九話 海底の城4
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「感受。」
感受
これは俺が聖職者になったときに
貰った分厚い本に記載されていた
回復魔法士が使える魔法である。
自分に触れている生命体の
同じ症状を感じることができる。
ちなみに、海の中には何万匹もの
プランクトンがいるので、無論、
その一匹一匹のプランクトンの
症状も感じることができた。
「なるほど。」
俺はそう言って右腕の裾を
まくりあげる。
「神の手。」
神の手
これも回復魔法士の扱える
魔法の一つ。
自分の右腕を透けさせて
身体の内側にある異物などを
取り出すときに用いられる。
多分、はたからすれば
今現在俺は右腕を人魚姫の
お腹に突き刺しているように
見えているだろう。
予想通りビールの叫び声が
後ろから聞こえてくる。
「ねえ! それ大丈夫なんでしょうね!」
「大丈夫です。」
流石のヨーテルも動揺しているよう
だった。
まあ、でもこの様子を見れば、
彼女は俺の正体を不審に思って
無さそうでよかった。
というのも、俺が
さっき使った二つの魔法はレベル800を
超えなければ扱えないからである。
使った瞬間、なにもんよ! あんた!
と問い詰められやしないか内心ひやひや
していた。
「多分ここに......あった。」
俺はそれをおもいっきり引っ張り出す。
そして、それは人魚姫の体内から
にゅるっと出てきて、その重さから
床にじゃらじゃらと落ちた。
「鎖?」
「ええ。」
そう、俺が人魚姫から取り出したのは
小さな鎖だった。
「呪術 不覚の鎖
確証はありませんが、おそらく
その青年の持っていたナイフに
その呪術が込められていたんでしょう。」
「不覚の鎖?」
「はい、まあ単純に言えば
かかった者の意識を封印するものです。」
俺が感受を使った時に
感じたものはこの鎖だった。
こういう類いの呪術系は
分厚い本で読んで知っていたから、
あとは神の手を使って取り出すだけ
という簡単なからくりである。
「じゃあこれでその
魔族は目覚めるの?」
「ええ、もう間もなくもすれば
意識を取り戻すでしょう。」
「そ、それ本当か?」
「ああ、本当だ。ワイン。
もう心配しなくてもいい。」
感受
これは俺が聖職者になったときに
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自分に触れている生命体の
同じ症状を感じることができる。
ちなみに、海の中には何万匹もの
プランクトンがいるので、無論、
その一匹一匹のプランクトンの
症状も感じることができた。
「なるほど。」
俺はそう言って右腕の裾を
まくりあげる。
「神の手。」
神の手
これも回復魔法士の扱える
魔法の一つ。
自分の右腕を透けさせて
身体の内側にある異物などを
取り出すときに用いられる。
多分、はたからすれば
今現在俺は右腕を人魚姫の
お腹に突き刺しているように
見えているだろう。
予想通りビールの叫び声が
後ろから聞こえてくる。
「ねえ! それ大丈夫なんでしょうね!」
「大丈夫です。」
流石のヨーテルも動揺しているよう
だった。
まあ、でもこの様子を見れば、
彼女は俺の正体を不審に思って
無さそうでよかった。
というのも、俺が
さっき使った二つの魔法はレベル800を
超えなければ扱えないからである。
使った瞬間、なにもんよ! あんた!
と問い詰められやしないか内心ひやひや
していた。
「多分ここに......あった。」
俺はそれをおもいっきり引っ張り出す。
そして、それは人魚姫の体内から
にゅるっと出てきて、その重さから
床にじゃらじゃらと落ちた。
「鎖?」
「ええ。」
そう、俺が人魚姫から取り出したのは
小さな鎖だった。
「呪術 不覚の鎖
確証はありませんが、おそらく
その青年の持っていたナイフに
その呪術が込められていたんでしょう。」
「不覚の鎖?」
「はい、まあ単純に言えば
かかった者の意識を封印するものです。」
俺が感受を使った時に
感じたものはこの鎖だった。
こういう類いの呪術系は
分厚い本で読んで知っていたから、
あとは神の手を使って取り出すだけ
という簡単なからくりである。
「じゃあこれでその
魔族は目覚めるの?」
「ええ、もう間もなくもすれば
意識を取り戻すでしょう。」
「そ、それ本当か?」
「ああ、本当だ。ワイン。
もう心配しなくてもいい。」
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