3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

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百六十一話 三日月島26

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時は少し遡り


【海底洞窟  三日月島入り口付近】


「長いなこの海底洞窟。」


タチアナ、隼人、ペルー一行は
海底洞窟を進んでいた。












「そうだな、もう歩き始めて
五時間になる。そろそろ
着いてもよいころだと思うのだが......」


魔王討伐軍を引っ張る真面目で毅然と
しているあのタチアナが、
流石に疲れたようで、汗を拭った。


「そういえばタチアナ。このまま
三日月島に着いたとして、まずは
どうするんだ?」


「そうだな......もしも仲間が
運良く三日月島にいてくれれば、
一刻も早く彼らと合流したいところだな。」


「それじゃあ、いなかったらどうする?」


「その時は三日月島にいる
幹部を討伐するとしよう。」


「そうか、三日月島にも幹部が
いるんだったな。どんなやつか
わかってるのか?」


「すまない。その類いの捜査は
全部長老に任せていてな......
私もあまり幹部については詳しく
ないんだ。」


「へー。ま、そんときは三日月島に
いる魚人にでも聞けばいいか。な?
ペルー。」



「......」


ペルーからの返事がない。


「寝ているのだろ。そっとして
おいてやれ。」


俺の頭の上でう◯こをした
ペルーは、今は俺のリュックの中で
すやすや寝ている。


「ペルーが寝てるってことは、
外はもう夜なのかもな。」


「そうだな。洞窟の中に
いる我々には確認できないが......」


そう言いながらタチアナは少し
不安そうな顔をする。
きっと仲間のことが心配なのだろう。


「お、あれ出口じゃないのか?」


俺の指差した先をタチアナも
見る。


「間違いないな。隼人、ここからは
気を引き閉めていくぞ。」



「あぁ、そういえば......海底洞窟の出口の
先っていきなり海じゃないよな?」


「まあ、どちらにせよ、
陸上に上がるには海の中を
泳いでいくしかないのではないか?」


「......俺、やっぱ戻──」


「ほら、行くぞ。隼人。」


「うお!?」


もたもたしている俺を、
タチアナは俺の腕をつかんで引っ張る。


そして俺たちは狭く、一本道の
海底洞窟を抜け、今度はいくつもの
分かれ道のある広々とした洞窟内へと
進んでいった。
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