3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

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百三十八話 三日月島3

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「では隼人はずっと一人で戦ってきた
のだな。」


「いや、でも最初の頃は仲間を
作ったり、協力もしたりしてたよ。
ただ、どうせ別れがくるんだから
......無意味な関係なんてもう作る必要
なんてない。」


「無意味だなんて、そんなこと──」


「無意味だったよ。
その世界から消えてしまえば、
俺はあの人達と二度と会うこと
ができない。そんなの、死んだのと
一緒だ。」


「隼人......」


「......悪い。変なこと言ったな。忘れてくれ。」


別にこれを話すつもりなど、更々
なかったのに、
ついしゃべりすぎてしまった。
俺の話にタチアナが悲しそうな
表情をしている。


「これからも、君はそうやって
生きていくのか?」


「......かもな。」


「君と共に一緒に戦ってくれる
者はいないのか? そう、君と
同じ転生者とか。居るのだろう?
 隼人と同じように世界の危機を救う
転生者が。」


「まあ......いるには......いる。」


「ならば、その者達と共に行動すれ
ばいい。そうしたら、君は孤独から
解放される。」


「いや......別に俺は孤独が嫌とか──」


「いいや、隼人。君は疲れた目を
している。ずっと一人で何もかも
背負って、疲れはてた、そんな目だ。」


「......」


「違うか?」


俺は反論できなかった。
タチアナの言葉に。
これが図星っていうもんなんだろうか。
別に自分は孤独が辛いとか
思っていない。
......たぶん......


けれど、タチアナの言葉が自分の
胸にずきずき刺さる。


まるでいままで、自分を騙してきた
物が、一つ一つ壊されている、
そんな訳のわからない感覚だった。




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