3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

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百二十六話 一方地上では13

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「っああああ!!」


カクバは無我夢中でラーバに
突進する。

しかし


「ほーら、動きなさい。」


ラーバの命令がかかり、鬼灯と
バーゼンがカクバの前に立ちはだかる。


「っ! くそ!」


立ちはだかる二人を見た、カクバは
急ブレーキをかける。
すると、バーゼンは動きが鈍く
なったカクバに掴みかかった。


「離せ! バーゼン! おい!」


「フフ、バカですね~カクバ君。
以前も同じ行動をしていましたよ。」


バーゼンに続いて鬼灯も
カクバを拘束する。


二人の力になすすべなく身動きの
とれなくなったカクバは、にやにやと
近づいてくるラーバを今にも食い殺し
そうな目でにらみつける。


「なんで、俺だけにその操る魔法を
かけなかった。こいつらにかけれたんだ。
俺にだっていつでもかけれただろ。」


「そうですね。正直いつでもカクバ君
には私の魔法をかけれそうでしたよ。」


「じゃあ、なんで──」


「カクバ君。」


さっきまでにやにやしていたラーバが
急に真面目な顔になる。


「あなたは魔族を滅ぼしたいですか?」


「は? どういう意味だ。」



「あなたはこの三人の中で最も
魔族を嫌悪していた印象がありましたが、
違いますか?」



「......あぁ、そうだ。俺は魔族が
だいっきらいだ。親父も仲間も、
俺の大切なやつらみんな、てめぇらに
殺された。てめぇらだけはぜってぇ
この世から消してやる。」


「ハハッ、いいですね~。
そうこなくては。」


「おい、だから一体てめぇは──」


「いいですか......カクバ君。
私の言うことをよくお聞きなさい。」














「は......お、お前、な、何言って──」


「別に信じなくても構いません。
ただ、カクバ君が私達魔族を滅ぼしたい
のであれば、このことをよく覚えて
いたほうがいいですよ。」


「ざけんな!!! んなことあって
たまるかよ!!!  第一、なんで
それを俺だけに教えたんだ!」


「保険です。」


「は? どういう──」


「さ、もういいでしょう。
そろそろあなたにも私の物になって
もらいましょうか。」


そう言うとラーバは嫌がるカクバの
口を無理やりこじ開ける。


「おひっ! ひゃめろ! へなせ!」


最後の力を振り絞ってなんとか
抵抗しようとするカクバの口の中に、
ラーバは


ブハーーー


と煙を吹き込んだのだった。









「さぁ、行きましょう。お前たち。」


ラーバの命令に三人が立ち上がる。


「いい駒が手に入りましたね~。
では、私達は私の島で他の人間たちを
待ちましょうか。」
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