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第二章ドラゴニア帝国編
報復からの報復
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酷い目に逢ったと蟀谷を自分で撫で撫でしながら皆と合流する。お昼寝からのスヴェンさんの拷問ですっかりと夜になってしまっていたのだ。
「姫様、どうしたのですか?」
ファンティーヌさんが心配そうに私と目線を合わせる。自分のせいだと言えず、ふいっと目線を自分から逸らした。
それに不穏な何かを感じたのか、一緒に来ていたスヴェンさんとノアさんへ視線を向ける。
「何があったんですか?」
「何も?」
頭の後ろで腕を組み、下手な口笛で誤魔化そうとするスヴェンさん。ファンティーヌさんが異常に私に甘い件とコヒキさんへの容赦の無い戯れを思い出して、顔を青くする。
「何、スヴェンが姫を教育したのだ」
「は?」
「こう、蟀谷を掴んで」
「ちょっ…」
流石、ノアさん。正直に言っちゃった。スヴェンさん、万事休す。
恐る恐るファンティーヌさんの様子を窺うとニッコリと笑っている。
その満面の笑みからは薄ら寒いものを感じた。それはスヴェンさんも同じで真っ青な顔を通り越して真っ白になり、震える足を動かして一歩下がった。
「何処へ行こうというのですか?」
笑っているのに目が笑っていないファンティーヌさん。彼女の後ろにエレンさんがいるのに気付いた。止めようとしているようだけど躊躇っている。もしファンティーヌさんの行動を止めて自分へと矛先が向けられたらどうしようと思ったのではないだろうか。何この恐怖政治みたいなの。皆の精神にファンティーヌさんへの恐怖心が刷り込まれてる。
「フィーねぇちゃ、わたちが悪いのよ」
「いえ、姫様は常に正しいのです」
え?何その絶対的な信頼。私も人間、いや竜人なんだから間違えるよ。
じりじりとファンティーヌさんはスヴェンさんに近付く。ファンティーヌさんを止められる人は居ないのかと諦めていると
「何してるんだ?」
そう声を掛けてきたのはカトレアさんを連れたミゲランヘルさんだった。何故か、また褌姿になっている。
「う?」
「ああ、この姿ですか?海に出るのに濡れても良い格好なのですよ」
水着感覚で褌なんだ。まあ、濡れても替えるの簡単だもんね。
「皆の分も用意しているが、どうする?」
「私は遠慮します」
「俺も遠慮します」
「褌しかないんすか?」
順番にカイルさん、エレンさん、スヴェンさんが返事した。侍女さんが用意してくれているのは人数分の白い褌だけ。
「俺達は待機で良いかな?」
そう言ったのはコヒキさんだった。確かに猫とかは水に入るの嫌がるもんね。でも貴方は虎でしょ?虎も猫科だけど、そもそも本物の猫じゃなくて獣人でしょうが。半分は人やん。
「私は…」
おっと遂にノアさんの性別が判明するのか?
「辞退する」
しなかった。残念。でも断ってくれて良かった。仮に男性だった場合、あの容姿で褌一丁だと凄い違和感しかないからね。
「姫様、どうしたのですか?」
ファンティーヌさんが心配そうに私と目線を合わせる。自分のせいだと言えず、ふいっと目線を自分から逸らした。
それに不穏な何かを感じたのか、一緒に来ていたスヴェンさんとノアさんへ視線を向ける。
「何があったんですか?」
「何も?」
頭の後ろで腕を組み、下手な口笛で誤魔化そうとするスヴェンさん。ファンティーヌさんが異常に私に甘い件とコヒキさんへの容赦の無い戯れを思い出して、顔を青くする。
「何、スヴェンが姫を教育したのだ」
「は?」
「こう、蟀谷を掴んで」
「ちょっ…」
流石、ノアさん。正直に言っちゃった。スヴェンさん、万事休す。
恐る恐るファンティーヌさんの様子を窺うとニッコリと笑っている。
その満面の笑みからは薄ら寒いものを感じた。それはスヴェンさんも同じで真っ青な顔を通り越して真っ白になり、震える足を動かして一歩下がった。
「何処へ行こうというのですか?」
笑っているのに目が笑っていないファンティーヌさん。彼女の後ろにエレンさんがいるのに気付いた。止めようとしているようだけど躊躇っている。もしファンティーヌさんの行動を止めて自分へと矛先が向けられたらどうしようと思ったのではないだろうか。何この恐怖政治みたいなの。皆の精神にファンティーヌさんへの恐怖心が刷り込まれてる。
「フィーねぇちゃ、わたちが悪いのよ」
「いえ、姫様は常に正しいのです」
え?何その絶対的な信頼。私も人間、いや竜人なんだから間違えるよ。
じりじりとファンティーヌさんはスヴェンさんに近付く。ファンティーヌさんを止められる人は居ないのかと諦めていると
「何してるんだ?」
そう声を掛けてきたのはカトレアさんを連れたミゲランヘルさんだった。何故か、また褌姿になっている。
「う?」
「ああ、この姿ですか?海に出るのに濡れても良い格好なのですよ」
水着感覚で褌なんだ。まあ、濡れても替えるの簡単だもんね。
「皆の分も用意しているが、どうする?」
「私は遠慮します」
「俺も遠慮します」
「褌しかないんすか?」
順番にカイルさん、エレンさん、スヴェンさんが返事した。侍女さんが用意してくれているのは人数分の白い褌だけ。
「俺達は待機で良いかな?」
そう言ったのはコヒキさんだった。確かに猫とかは水に入るの嫌がるもんね。でも貴方は虎でしょ?虎も猫科だけど、そもそも本物の猫じゃなくて獣人でしょうが。半分は人やん。
「私は…」
おっと遂にノアさんの性別が判明するのか?
「辞退する」
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