転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

クラーケンも所詮は烏賊なのさ

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「いつもミゲランヘル殿がクラーケンと戦っているなら出没時間とか場所とか分かっているんですか?」

 確かに何処で罠にかけようって言うんだろうか。長年対峙してきた敵なのだから同じ時間からゴングを鳴らしているんだろう。

「それが…奴は気紛れでな。分からんのよ。いつもなんとなく船で出てみたり、出現してから駆け付けたりしていたからな」

 困り顔で呟くミゲランヘルさん。まさかのノープランで行き当たりばったりだとは思わなかったよ。

「ではどうするのです?」

「あら、でも姫を連れていけば釣れるのではなくて?」

 本格的に釣りの話になってきたな。クラーケンか。烏賊だよね。蛸とかだったら蛸壺とかで捕まえられそうだけどな。

 烏賊。烏賊。烏賊かぁ~、烏賊って夜行性とかじゃなかったっけ?

「じぃじ、くりゃーけんはいちゅも日がちゃかい時に出りゅ?」

「ん?んん~、いや、そう言えば暗い時間の方が頻繁に会うな」

 やっぱり烏賊と一緒で夜行性なのか。と、すると光を使って誘い込めないだろうか。でもこの場合は住み処の近くとかの方が良いかも。

「しゅみかちょかわかりゅ?」

「いや、申し訳無い」

 分からないのか。確か、祖父が烏賊を釣ってきた事があった。その時に言っていたのが、潮がよく当たる場所ではとても肥えた烏賊が釣れるとか言っていた気がする。なんでなのかは興味がなかったから聞き流してたっけ。

「じゃあ、かいちぇいに隆起した場所が多くちぇ潮がよくあちゃるちょこりょとか」

「ああ、あります。あります。沖合いに小さな無人島がありまして…」

「専門的な事は良いです。では姫はその場所に行けばクラーケンに会える確率が高いと?」

 ミゲランヘルさんの言葉をバッサリと斬ったエレンさんが私へと簡潔にまとめた言葉を投げ掛ける。

「多分」

「手がかりがない以上はそれに賭けてみるか」

 やれやれと言いたいのか嘆息し、立ち上がるコヒキさん。

「あら?お話は終わりかしら?」

「ああ、では今から出るとしよう」

 さっき町に着いたばかりで正直宿屋とかで休みたいんだけど、これは言い出しづらい雰囲気です。

「眠い」

 他の人達は席と立ち、一ヶ所に集まって話し合っている。席に大人しく座っているのは私とスヴェンさんとカトレアさんだけだ。二つ隣に座っているスヴェンさんがボソッと呟いたけど誰も聞いてない。スヴェンさんの目蓋がくっつきそうなんだけど。

 取り敢えず話が纏まりそうだと感じ、翼を消す事にした。だって邪魔だしね。消す時は簡単だったけど、まさか散るとは思ってなかった。

「…」

 私の廻りには抜け落ちた羽毛が大量に散乱する事になった。

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