転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

空だって飛べるはず

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 まだ皆がクラーケン退治を話しているのを集中した私は遠くで聞いていた。

 更にメキメキメキッと大きな音とビリリッと私の背中の服が破れた。後、バッサァってなんか出た。

「う?」

 破れた衝撃と驚きで固まっているとようやく口の中のものを飲み込んだノアさんが飲んでいたお茶を吹き出した。

「姫、翼、生えた」

 あまりの急展開に驚いたノアさんの言葉が片言になってる。ノアさんの言葉で話し込んでいた皆の視線が私に集中した。

「え?え?」

「それは…本物?」

 固まっていた私が混乱する皆の様子に逆に冷静になり、自分の背中を振り返る。翼は翼だけどドラゴンとかの皮膜ではなく、イメージしやすかった鳥の羽根だった。真っ白だね。鶏の羽根じゃないと良いけど。

 自分の背中から生えているのが信じられなくて動くのかな?

「本物か?いや、でもこれは…」

 ノアさんが驚きながらも私の翼へと手を伸ばし、柔らかな羽毛へと指先が埋まる。

「あらあらあら、天使様みたいですわね」

 のほほんと笑っているカトレアさんも私の翼を撫で回る。凄くくすぐったいんだけど。と、思っていると翼がバサバサ動き出した。おう。

「動きましたわよ!」

「滑らかな手触りはとても極上の」

 ノアさんの熱く語るのが聞こえるけど無視して良いのかな?

 でもこれで餌役が出来るよね。討伐者が
ミゲランヘルさんで餌…なんか自分で言っててちょっと悲しいな。いや、自分で提案するんだけどさ。

 討伐に関しての具体案はどうするべきだろう。クラーケンって言う位なのだからとても大きいんだろう。だとすると武器とか討伐した後に運ぶ方法とか、段取りとかを詰めなくてはいけないよね。

「あい!」

 元気良く挙手した私に皆がビクッてしてる。そうだよね。急に動いたら驚くよね。

「えちゃ役やるでしゅ。頑張りましゅ!」

「駄目だ」

 自ら餌役を買って出た私を速攻で却下したのはコヒキさんだった。

 まさか却下されるとは思ってなかった私は目に見えて愕然とした表情をしていた事だろう。効果音はガーンとかつきそうな感じだ。

「どちて?」

「いや、姫は次期竜帝でしょうが、こんな所で危険な目にあってるって竜帝陛下が知ったら俺達どうなるか…」

 語るごとにコヒキさんの顔色が真っ青になり、同じ様にキナリさん、ロウさん、ハジさんも真っ青だ。ジュールさんとなんなあったのだろうか?

「それに…」

 続けようとする言葉を飲み込み、チラッとファンティーヌさんの様子を伺う。彼女は私の事、大好きだからね。危険な目に自ら率先して飛び込むのを黙って見ているわけないか。

「でもわたち飛べるよ。ひっちょあんどあうえいで対処しゅれば行けましゅ」

 グッと握り拳を作って、鼻息荒くコヒキさんを見上げる。
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