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第二章ドラゴニア帝国編

いざ、実食

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 鼻唄混じりに片手鍋に生クリームと砂糖と牛乳を適当に放り込み、次に片栗粉をふわっとぶち込み、一通り混ぜたら用意してもらった容器に注いで魔法で冷やして完成。なんちゃってパンナコッタの出来上がりだよ。

 私が機嫌良く歌いながらデザートを作っている間に皆が席についていたので急いで私も席に着き、昼食となった。

 ジューシーな鳥肉からは肉汁が溢れだし、鼻に抜ける皮目の香ばしい香りとハーブの匂いに更に食欲が刺激される。

 皆はこれでもかと山盛りになっているハーブ焼きを平らげ、私も食が進んでペロッと食べてしまった。さあ、次はデザートだい。

「僕達が運ぶから姫様はそのままで良いよ」

 ハジさん達が食べ終わった食器を持ってキッチンへ向かい、帰って来る時に私特製のパンナコッタを持って来てくれた。

「なんだ、これ?」

「白い」

「甘い匂いがしますね」

 どうやら初めて見るようで、興味津々にスプーンで突いたりしている。私はそれを気にする事もなく、パクリと一口。うん、上出来だ。

 視線が刺さるなと思い、其方を向けば皆が私をガン見していた。なんで?毒とか入ってないんだし食べれば良いのに。

「なんで食べないんでしゅか?」

 小首を傾げて聞いてみると初めての食べ物で食べ方が分からなかったのだと言われた。

「美味しいものを食べりゅのにしちゅようなのはどうちゃべちゃいかでしゅ」

 そう言うと皆が食べ始めてくれた。しかし、この噛み噛みどうにかならんかね。目を輝かせるロウさん、吟味するように舌の上で転がすハジさん、ニコニコしながら食べ進めるカイルさん、ちょびちょびと食べるスヴェンさん。甘い物が得意じゃないのかな?

 デザートまで完食するとノアさんがお茶を淹れてくれた。濃く渋いお茶を冷ましながら飲んでいると視線をまた感じた。チラッと見ると何故かあんぐりと口を開けている面々。今度は何?

「姫様、よくそんな渋いのが飲めますね」

「それはお茶ではない」

 いや、お茶だから。この世界でお茶って言ったら紅茶だからね。ノアさんが淹れてくれたのは烏龍茶だ。確かに飲み慣れてないと飲みにくいかもしれない。

 因みにノアさんは平然と飲んでる。自分で淹れたのだからノアさんにとっては飲み慣れたお茶なのだろう。

 結局飲みきったのはノアさんと私だけだった。飲みきった私に気を良くしたのかノアさんが何杯もお代わりを淹れてくれるから水っ腹が張って苦しいです。

「姫様、もうそれ位で…」

 ファンティーヌさんが私がまだ飲みきっていないカップを取り上げると手の届かない所へと置く。

「ノア殿、飲んでもらえて嬉しいのは分かりますが、姫様の体の容量を考えて下さい。もうこれ以上お茶を摂取すれば弾けます」

 弾けないよ!怖いこと言わないでよ。ノアさんがファンティーヌさんの言葉を聞いて眉が若干下がり、しょんぼりした表情になる。
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