転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

何気に皆集まって来た

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「…と、そろそろ帰らないとジュール様が心配し出しますね」

 重い腰を持ち上げたエレンさんに続くファンティーヌさん、それに釣られるように立ち上がる四人。私だけはハジさんが抱っこしてくれているのでそのまま。

 こうして、私は元王子様の隠密達を抱える事になった訳なんだけど、取り敢えずはジュールさんに報告だね。報告、連絡、相談…はすっ飛ばしたけどホウ・レン・ソウ大事。

 部屋にある数少ない私物を持つと教会を後にした。教会から出ると大分日が傾き、町の人達も帰り支度を始めていた。

 その中をゾロゾロと歩くのはちょっと目立つような気がするんだけど、私以外は特に気にした風もないので口に出さなかった。

 特に誰かに絡まれると言うイベントみたいな事もなく城門まで帰ってきた。のんびりと昼寝しているクリフさんを発見した。

「クリフしゃん、ただいま」

 察してくれたハジさんが寝ているクリフさんに近付いてくれた。するとクリフさんが片目だけ開けた。

「おう、お帰り。随分な大所帯になってんじゃね~か」

 また目を瞑り、ニヤリと笑うクリフさん。すかさず、茂みからカイルさんがヒョコッと現れ、大きなハリセンで寝ているクリフさんを叩いた。スパーンと良い音がしました。

「いって~、カイル何すんだよ」

「真面目にして下さいと言った筈ですよ」

 ハリセンをパシパシと叩くカイルさん。その後ろからはスヴェンさんが苦笑しながら現れた。

「お、ニア久し振りだな。あ?誰だ?」

「にちゃ」

「は?」

「どうも、コヒキだ」

「宜しく、キナリです」

「ロウ」

「こんにちは~、ハジです」

 順番に挨拶していく獣人の四人に面食らったようで目を限界まで見開いているスヴェンさん。それに続いてカイルさんとクリフさんも驚いた表情をしている。

「………ニアといると本当に退屈しないな」

「同意します」

「だな」

 待って、なんで溜め息混じりに此方へ憐れむような微妙な表情を向けるのかな?まるで私がトラブルメーカーみたいな空気を醸すの止めて。

「暫くは彼等にも騎士団の訓練に参加してもらいます」

「「「「おねしゃーす」」」」

「軽い」

 エレンさんの言葉にクリフさん達に軽い挨拶をする四人。それにすかさずツッコむファンティーヌさん。みんな息ピッタリだね。役割分担が自然とできちゃってるよ。

「じゃあ、姫様行きましょうか」

「う?」

「ジュール陛下の所ですよ」

「やでしゅ」

「ちゃんと帰って来た事を御報告しないといけません。さあ、行きますよ逝きますよ



 聞き間違いかな。なんか、ニュアンスがおかしいな?

 ハジさんが私をエレンさんに渡そうとするので全力抵抗する。絶対怒られるヤツやん。

 幼児が大人に敵う訳もなく、エレンさんに抱っこされた。テンション、ガタ落ちよ。しかもほぼ町を見て回る事が出来なかった。至れり尽くせりだね。

「踏んだり蹴ったりだろ」

「!!」

 ビックリした。エレンさんの背後から突如として、ノアさんが出現した。どんだけ神出鬼没なの。

 あれ?ノアさん心読んでる?読んでるよね?

「読んでない」

 読んでますやん。答えちゃってるし、顔を背けてるけど肩が震えてるよね。笑ってますやん。
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