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第二章ドラゴニア帝国編
猫に紛れて別のものが隠れてた
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「………そっか」
泣きそうな表情で笑っているコヒキさん。今までは差別されていたりしたのかもしれないけど、これからは違う。だってホワイトタイガーだよ。格好良いじゃん。素敵やん。
あれ?でも他の面々も虎?って言う訳じゃないよね。どう見ても猫だし。
「キナリは猫の獣人である第一側妃の血を受け継いでいる」
「にゃんこ」
コヒキさんが私の疑問を察してくれたのか説明を始めた。
「ロウは一応虎らしいんだが、黒いんだ。正妃だった俺の母親も虎だったし、俺も虎だから」
「虎しゃん?」
「の筈なんだけどな。俺、真っ黒だろ?だから違うのかも…母上が誰かと…」
「メラニズムでしゅね」
「メラ?は?」
「しりょとはんちゃいでくりょいんでしゅ。めじゅらしい兄弟って事でしゅ」
「つまり、俺は虎で間違いないけど兄上とは真逆で色が濃いって事か?」
まあ、間違ってないといえば、間違ってないけど。メラニンとかって言っても多分分からないだろうし、この理解で良いよね。
「あい」
その通りだと同意すればロウさんが嬉しそうに笑った。
「そうか…俺本当に虎だったんだ。母上は過ちを犯してなかったんだな…」
そんな嫌疑がかかってたんだ。まあ、どちらも通常個体じゃないからね。
「僕も母上の血の方が濃いんだ」
ペタンとした耳が可愛いし、クリクリお目々も大変怪しからん可愛さです。
「ですが、何故先代の王子達が流浪しているのですか」
もっともなファンティーヌさんの疑問にエレンさんも私も確かにと頷く。
「当代の獣王は先代の弟だ。とても権力欲が強く、どちらが王となるか争ったと母上から聞いた事がある。結局政戦に負けて一度は旅に出たと」
コヒキさんの語りに続いて今度はキナリさんも話し出した。
「それからは旅を続け力をつけ、先代の王を弑逆し獣王の座についたんだよ。先代の官僚を全て排除し自分の意見だけを聞く官僚で周りを固めた。次に手を出したのが後宮」
キナリさんの次はロウさんが継いだ。悲痛な表情で語る内容に私は胸が痛くなる。自分の父親を『父』ではなく『先代』と言う。そこに遣る瀬無さを感じる。でも先代だと言っていても自分達の父親だ。そんな父を殺した相手を憎くないと言えばきっと嘘になるだろう。
「後宮には先代の正妃と側妃三人がいたのだけどそれら全てを当代は自分のものにした。そうなると先代の子供である俺らは邪魔になる。暗殺を恐れた母上達が逃がしてくれたんだ」
きっとその決断は苦渋だっただろう事は想像に難くない。我が子を手放す事をよしとする親など居ないだろう。きっと。
「つまり、姫様について行き、当代の獣王に復讐したいと言う事ですか。血統の正統性を主張し、戦争を仕掛ければきっと後に続く者は現れるでしょうが、それでは姫様を利用する事になります。それは我等には看過できません」
ざわっと私でも総毛立つ殺気を放つファンティーヌさん。見るとコヒキさん達の尻尾が膨らんでいる。にゃんこ、良い。
泣きそうな表情で笑っているコヒキさん。今までは差別されていたりしたのかもしれないけど、これからは違う。だってホワイトタイガーだよ。格好良いじゃん。素敵やん。
あれ?でも他の面々も虎?って言う訳じゃないよね。どう見ても猫だし。
「キナリは猫の獣人である第一側妃の血を受け継いでいる」
「にゃんこ」
コヒキさんが私の疑問を察してくれたのか説明を始めた。
「ロウは一応虎らしいんだが、黒いんだ。正妃だった俺の母親も虎だったし、俺も虎だから」
「虎しゃん?」
「の筈なんだけどな。俺、真っ黒だろ?だから違うのかも…母上が誰かと…」
「メラニズムでしゅね」
「メラ?は?」
「しりょとはんちゃいでくりょいんでしゅ。めじゅらしい兄弟って事でしゅ」
「つまり、俺は虎で間違いないけど兄上とは真逆で色が濃いって事か?」
まあ、間違ってないといえば、間違ってないけど。メラニンとかって言っても多分分からないだろうし、この理解で良いよね。
「あい」
その通りだと同意すればロウさんが嬉しそうに笑った。
「そうか…俺本当に虎だったんだ。母上は過ちを犯してなかったんだな…」
そんな嫌疑がかかってたんだ。まあ、どちらも通常個体じゃないからね。
「僕も母上の血の方が濃いんだ」
ペタンとした耳が可愛いし、クリクリお目々も大変怪しからん可愛さです。
「ですが、何故先代の王子達が流浪しているのですか」
もっともなファンティーヌさんの疑問にエレンさんも私も確かにと頷く。
「当代の獣王は先代の弟だ。とても権力欲が強く、どちらが王となるか争ったと母上から聞いた事がある。結局政戦に負けて一度は旅に出たと」
コヒキさんの語りに続いて今度はキナリさんも話し出した。
「それからは旅を続け力をつけ、先代の王を弑逆し獣王の座についたんだよ。先代の官僚を全て排除し自分の意見だけを聞く官僚で周りを固めた。次に手を出したのが後宮」
キナリさんの次はロウさんが継いだ。悲痛な表情で語る内容に私は胸が痛くなる。自分の父親を『父』ではなく『先代』と言う。そこに遣る瀬無さを感じる。でも先代だと言っていても自分達の父親だ。そんな父を殺した相手を憎くないと言えばきっと嘘になるだろう。
「後宮には先代の正妃と側妃三人がいたのだけどそれら全てを当代は自分のものにした。そうなると先代の子供である俺らは邪魔になる。暗殺を恐れた母上達が逃がしてくれたんだ」
きっとその決断は苦渋だっただろう事は想像に難くない。我が子を手放す事をよしとする親など居ないだろう。きっと。
「つまり、姫様について行き、当代の獣王に復讐したいと言う事ですか。血統の正統性を主張し、戦争を仕掛ければきっと後に続く者は現れるでしょうが、それでは姫様を利用する事になります。それは我等には看過できません」
ざわっと私でも総毛立つ殺気を放つファンティーヌさん。見るとコヒキさん達の尻尾が膨らんでいる。にゃんこ、良い。
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