転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第一章ヒューマニ王国編

引き抜きではない

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「彼等はこれから大変だよ。竜人の長寿と頑強な体を持つようになるけど、竜人としての本能も受け継ぐ事になる」

「竜人の本能?」

 不思議そうにしているカイルさんとスヴェンさんの疑問にファンティーヌさんがすかさずに答える。

「“番”ですね」

「そうだよ~、これがなかなか厄介なんだ」

「と言うと?」

「“魂の伴侶”、“魂の半身”、“運命”だとか色々と言われる。とても簡単にいうと魂が選んだ恋人だ」

 すすすとノアさんが私の方に近付いてくるとファンティーヌさんから私を引き剥がした。助かったと思ったら今度はノアさんが頭を撫でながら説明を続ける。

「ただ、番に出会うには確率的にとても低いから大抵の竜人は妥協して結婚する。結婚した後で番と出会えば離婚する事もある」

 私も竜人だから他人事じゃないんだよね。でも私は番相手が現れるまでは待つかな。そこら辺の人と妥協して付き合うのはちょっと私には許容できなさそう。

「これからそれに翻弄される事になるだろうからね、頑張れって言っておくね」

 そう言ってるジュールさんやファンティーヌさん、ノアさんには番がいるのかな?

「因みに私は番と出会えていないよ」

「ボクはこの前見付けました」

「私もまだだ」

 此処にいる人三人中二人が番持ちじゃないって事か。やっぱり出会う確率は低いんだね。ファンティーヌさんいつ出会ったの?

「俺、別に番とか良いっす」

「私も今の所は遠慮したいです」

 仕事が第一だと言いたいのか、それとも女性に困ってないと言いたいのか?どっちかな?両方かな?

「大体、こんな所かな?後はヒューマニ王国から第四騎士団が消えた事位かな?」

 ホワッ!!えっ?消えた?なんで?何があったの?まさか!という勢いでファンティーヌさんを振り返って凝視する私。

「壊滅したんじゃないよ。第四騎士団がまるっとドラゴニア帝国に寝返ったんだよ。あと、元筆頭王宮魔術師マイルズ殿もね」

 頭抱えたいけど無理だから胸の前で手を組んでます。なんでそんな事態になっちゃってるのかな?

「元々クリフ団長は独立しようとしてたんだよ。独立後は冒険者登録しようかって話してたんだけど今回の件がきっかけで抜けたんだ。団員ともどもドラゴニア帝国に皆移住したんだよ」

「私達帝国のニアの親衛隊として遇するから国に追われたりだとかの心配はないよ。ニアだって知っている人が傍にいた方が安心するでしょ?」

 それは正直有難い。有難いけどマイルズさんはいらなかったな。絶対彼は私を研究対象としか見てないでしょ。嫌だよ?解剖したいとか言い出したら。私、逃げるよ。後、雇ったジュールさんを恨んでやるから。

「なんか寒気したんだけど?まあ、良いか。では改めまして、ようこそドラゴニア帝国へ。君達を歓迎するよ」

 いつの間にか私はドラゴニア帝国に来ていたようです。まあ、ヒューマニ王国での私の部屋って言ったらどピンクな部屋だもんね。なんか見覚えない部屋だと思ったら部屋じゃなくて国も違ったとは思ってなかったよ。でも言われてみれば少し空気が違うような気がする。気がするだけかもしれないけどね。

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これで第一章終了。次から第二章ドラゴニア帝国編です。
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