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第一章ヒューマニ王国編
もう一人の守護者②(sideファンティーヌ)
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顔が赤くなっているのを自覚しながらノア殿を見上げるとキョトンとした顔をされていた。
自分だけが動揺しているのだと思うと少し恥かしかった。
「そうそう、ノアにはもう話したのだけどね。次代は少女だよ。良かったね、ファンティーヌ嬢」
竜帝ジュール様の言葉で動揺していた気持ちが何処かへ行ってしまい、変わりに込み上げてきた感情は歓喜。元々女性に仕えたいと思っていたけど、目の前の竜帝ジュールは男性でとても残念に思っていたけど、まさかこんなに早くボクの悲願である女性の竜帝に仕える事が出来るとはなんという僥倖だろう。
「姫様か…」
「姫様?」
ボクがポツリと溢した言葉をノア殿が瞬時に拾う。
「うん、女性だからボクは次代様の事を姫様って呼ぼうと思うんだ」
「ふむ。では、私も姫と呼ぼう。響きがなんとも可愛らしい」
クスクスと笑うノア殿にボクも嬉しくなって笑った。
ボクとノア殿との対面はなんとも穏やかに終わったのだけど、ちょうど宰相閣下であるランドルフが遣って来た。
「陛下」
そう言って声を潜めて竜帝ジュール様に耳打ちしている。それをボクとノア殿は固唾を飲んで見守る。違うな、ボクしか緊張していない。ノア殿は今、ぼんやりと執務室から見える庭を駆け回る鶏を目で追っている。確かになんでこんな所に鶏がいるんだろうか?
「なんだと!」
急に大きな声を出したかと思ったら竜帝ジュール様は両手で顔を隠してくぐもった声で呟いている。
「なんでよりによって…………」
「どうしたんです?」
「神鳥様が次代を人間の国に落っことしてきたらしい」
そらを聞いたノア殿も流石に絶句。ボクも同様に絶句した。よりによって人間の国なんかに姫様が取り残されているだなんて、考えただけで怖くなった。
人間の国であるヒューマニ王国の半数が人間以外であるボクら竜人や獣人、ドワーフ、エルフなんかを獣だとか人間の成り損ないだとかと宣う度し難い種族だ。
そんな中に姫様がいるだなんて、どんな扱いを受けるか分かったものではない。
幸いというならば、今の王は穏健派でボクらと事を構える事を良しとしない人物だと言う事か。運良く王宮で保護してもらっていれば良いけれど。
最悪、強硬派に見付かれば戦争に突入する可能性もある。人間は力も無く、自分達の力量を図るのが下手だ。そのせいなのか他国へと考えなしに戦争を仕掛けては負けている。所謂敗戦国なのだが、周りの国々は穏やかにしたいのでそこまで大きくする事無い。
ボクらの国も大人に子供が突っ掛かっているとしか思えなかったので今までは静観していたけど、今回は姫様の件がある。姫様に害を成したと思えば、竜人国民全員が臨戦態勢になる可能性だってある。
「幸いにして王宮で保護されているらしいと情報が入っています」
ピリピリし始めた空気が宰相ランドルフ様の言葉で凪いだ。
安堵の次にボクの頭に浮かんだのは『迎えに行かなくては』だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そろそろ本編行きたいな。
自分だけが動揺しているのだと思うと少し恥かしかった。
「そうそう、ノアにはもう話したのだけどね。次代は少女だよ。良かったね、ファンティーヌ嬢」
竜帝ジュール様の言葉で動揺していた気持ちが何処かへ行ってしまい、変わりに込み上げてきた感情は歓喜。元々女性に仕えたいと思っていたけど、目の前の竜帝ジュールは男性でとても残念に思っていたけど、まさかこんなに早くボクの悲願である女性の竜帝に仕える事が出来るとはなんという僥倖だろう。
「姫様か…」
「姫様?」
ボクがポツリと溢した言葉をノア殿が瞬時に拾う。
「うん、女性だからボクは次代様の事を姫様って呼ぼうと思うんだ」
「ふむ。では、私も姫と呼ぼう。響きがなんとも可愛らしい」
クスクスと笑うノア殿にボクも嬉しくなって笑った。
ボクとノア殿との対面はなんとも穏やかに終わったのだけど、ちょうど宰相閣下であるランドルフが遣って来た。
「陛下」
そう言って声を潜めて竜帝ジュール様に耳打ちしている。それをボクとノア殿は固唾を飲んで見守る。違うな、ボクしか緊張していない。ノア殿は今、ぼんやりと執務室から見える庭を駆け回る鶏を目で追っている。確かになんでこんな所に鶏がいるんだろうか?
「なんだと!」
急に大きな声を出したかと思ったら竜帝ジュール様は両手で顔を隠してくぐもった声で呟いている。
「なんでよりによって…………」
「どうしたんです?」
「神鳥様が次代を人間の国に落っことしてきたらしい」
そらを聞いたノア殿も流石に絶句。ボクも同様に絶句した。よりによって人間の国なんかに姫様が取り残されているだなんて、考えただけで怖くなった。
人間の国であるヒューマニ王国の半数が人間以外であるボクら竜人や獣人、ドワーフ、エルフなんかを獣だとか人間の成り損ないだとかと宣う度し難い種族だ。
そんな中に姫様がいるだなんて、どんな扱いを受けるか分かったものではない。
幸いというならば、今の王は穏健派でボクらと事を構える事を良しとしない人物だと言う事か。運良く王宮で保護してもらっていれば良いけれど。
最悪、強硬派に見付かれば戦争に突入する可能性もある。人間は力も無く、自分達の力量を図るのが下手だ。そのせいなのか他国へと考えなしに戦争を仕掛けては負けている。所謂敗戦国なのだが、周りの国々は穏やかにしたいのでそこまで大きくする事無い。
ボクらの国も大人に子供が突っ掛かっているとしか思えなかったので今までは静観していたけど、今回は姫様の件がある。姫様に害を成したと思えば、竜人国民全員が臨戦態勢になる可能性だってある。
「幸いにして王宮で保護されているらしいと情報が入っています」
ピリピリし始めた空気が宰相ランドルフ様の言葉で凪いだ。
安堵の次にボクの頭に浮かんだのは『迎えに行かなくては』だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そろそろ本編行きたいな。
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