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第一章ヒューマニ王国編
事件発生
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今日も殆ど世話をする事なく本の朗読するロッテンマイラさん。私の世話はロナルドさんが他に用意した侍女が二人で交互に持ち回っている。
この侍女達実はベネッタさんの侍女だったみたいで時折、恨みがましく愚痴ってるんだよね。『王妃様付きだったのになんで子供の世話なんて』、『私は伯爵令嬢なのに』とかね。侍女としての自覚ある?いくら貴族の娘だからって仕事中に嫌々とした態度と言動で対面する私の身にもなってみて欲しいな。
一応、世話はしてくれるんだけど全部が雑なんだよね。これなら世話してくれなくても良いのに。此方だって嫌々させるとストレス溜まるんだけど?私に剥げろと?
今も嫌そうに世話する侍女に注意するようにペチンと腕を叩いた。
「きゃっ!この子暴力振るったわ!!」
赤ちゃんだからね。暴れるのは仕方無いよ。大人の言いなりになるわけないからね。
少しでも勤務態度が改善されるようにと思ったんだけど、侍女はあろう事か私を掴むと庭へと続く扉を開き、庭へと出ると迷う事なく池へと遣って来た。
不味い不味い!!これは流石に不味い!!と、思って暴れるけど侍女は私の首根っこを掴んでるから手が届かない。
次の瞬間、大きな音をたてて私を池へと落とした。
「良い気味ですわ。私に暴力など振るうからですわ。そのまま死ねば良いのですわ」
醜く歪む顔で笑う侍女。それを池の底へと沈んでいく私は絶句して見ていた。
暴れるけれど、衣服が重くどんどん沈んでいく。口からは肺の中の空気が否応なく出ていってしまう。叫ぼうにも水の中だし、私の言葉は言葉にならない。
前世だったあのどう足掻いても妹から逃げる事が出来なかった場所から救ってくれた女神リュシエル様。全く人の話を聞かない神外級のマイペースな女神。それでもこうやってまた新たな生を与えてくれてやり直す事が出来るとそう思っていたのに転生して早々にまさかまた死ぬ事になるとは…。
酸素が脳に供給されなくなったからか意識に靄がかかりだす。暗く冷たい水の感触と先程まで苦しかった感覚が薄れる。
「ああ、死ぬんだ」と、何処か他人事に思える。カイルさん、スヴェンさん、クリフさん、エレンさん、ファンティーヌさん、ノアさん。ちょっとしか一緒に居なかったけど、泣いてくれるかな?
でも泣いて欲しくないな。私のせいで悲しい顔をして欲しくないな。いつでも皆には笑っていて欲しいな。
少しだけしか一緒に居られなかったけど私の中では十分に大切な人達だったな。
妹が居た時はこれ程までに濃密に人間関係で絡んだ事無かったっけ。親しくなる前に妹に阻止されてたし。
ゆらゆら揺れる池の水面がどんどん遠くになって行く。底の方にはきっと太陽の光が届かない。誰か私を見付けてくれるかな?
この侍女達実はベネッタさんの侍女だったみたいで時折、恨みがましく愚痴ってるんだよね。『王妃様付きだったのになんで子供の世話なんて』、『私は伯爵令嬢なのに』とかね。侍女としての自覚ある?いくら貴族の娘だからって仕事中に嫌々とした態度と言動で対面する私の身にもなってみて欲しいな。
一応、世話はしてくれるんだけど全部が雑なんだよね。これなら世話してくれなくても良いのに。此方だって嫌々させるとストレス溜まるんだけど?私に剥げろと?
今も嫌そうに世話する侍女に注意するようにペチンと腕を叩いた。
「きゃっ!この子暴力振るったわ!!」
赤ちゃんだからね。暴れるのは仕方無いよ。大人の言いなりになるわけないからね。
少しでも勤務態度が改善されるようにと思ったんだけど、侍女はあろう事か私を掴むと庭へと続く扉を開き、庭へと出ると迷う事なく池へと遣って来た。
不味い不味い!!これは流石に不味い!!と、思って暴れるけど侍女は私の首根っこを掴んでるから手が届かない。
次の瞬間、大きな音をたてて私を池へと落とした。
「良い気味ですわ。私に暴力など振るうからですわ。そのまま死ねば良いのですわ」
醜く歪む顔で笑う侍女。それを池の底へと沈んでいく私は絶句して見ていた。
暴れるけれど、衣服が重くどんどん沈んでいく。口からは肺の中の空気が否応なく出ていってしまう。叫ぼうにも水の中だし、私の言葉は言葉にならない。
前世だったあのどう足掻いても妹から逃げる事が出来なかった場所から救ってくれた女神リュシエル様。全く人の話を聞かない神外級のマイペースな女神。それでもこうやってまた新たな生を与えてくれてやり直す事が出来るとそう思っていたのに転生して早々にまさかまた死ぬ事になるとは…。
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「ああ、死ぬんだ」と、何処か他人事に思える。カイルさん、スヴェンさん、クリフさん、エレンさん、ファンティーヌさん、ノアさん。ちょっとしか一緒に居なかったけど、泣いてくれるかな?
でも泣いて欲しくないな。私のせいで悲しい顔をして欲しくないな。いつでも皆には笑っていて欲しいな。
少しだけしか一緒に居られなかったけど私の中では十分に大切な人達だったな。
妹が居た時はこれ程までに濃密に人間関係で絡んだ事無かったっけ。親しくなる前に妹に阻止されてたし。
ゆらゆら揺れる池の水面がどんどん遠くになって行く。底の方にはきっと太陽の光が届かない。誰か私を見付けてくれるかな?
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