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第一章ヒューマニ王国編
赤ちゃんは癒しだよね
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ほんわかと暖かい光が私の胸に灯る。出来れば、この私の暖かな想いがエレンさんの傷付いた心を癒して欲しい。多くは望まない。
ーーどうか泣かないで、優しい子。笑ってくれたら嬉しいな。
そう思いながらエレンさんに伝わるようにと服を握る手の力を強める。
「ニア?」
「ニア、お前……」
なんか驚いているようなクリフさんとスヴェンさんの声が聞こえる。でも私は必死にエレンさんに想いが伝わるようにとぎゅっと目を瞑っているので分からない。
どんどん暖かくなる胸の光はやがて全身を巡るようになった。それを遠慮なくエレンさんに流す。泣き止んで欲しいから、元気になって欲しいから。
不意にぽんぽんと背中を叩かれて集中していた想いが霧散する。驚いて顔を上げるとまだ潤んで目を真っ赤にさせたエレンさんと目が合った。
「ありがとう、ニア。僕は元気になったよ」
へにゃりと笑うエレンさんの瞳から一つ涙が溢れた。それでも先程までの悲痛に泣く顔ではなくなっていた。上手く笑えなくても心が少しは落ち着いたのを感じた私も同じようにへにゃりと笑う。
「ニアは凄いですね。此方まで癒してくれるなんて」
その言葉でカイルさんを見ると何故か彼も泣いていた。何故に?
「此方まで影響するとはな」
「悲しくないのに涙が止まらねぇ」
他のクリフさんや文官さんも涙を流し、スヴェンさんに至っては涙と鼻水が出ていた。汚いよ。
「暖かいな。玉体の心は」
はい?玉体って私だよね。なんで?私の心が暖かいってどゆ事かな?
「城全体にこの魔力が満ちるとは成る程僕の魔力では満足しないのが分かったよ。魔力は僕以上だ」
目を潤ませたマイルズさんが此方へと遣って来る所だった。待って、貴方はフェロモン増幅しているって話だったのでは?出て来て良いの!?
「マイルズ、お前こんな衆人環視の中に出て来て良いのか?」
「ニアのこの波動で良い具合に混乱してるから僕のフェロモンなんて問題になってないよ」
そうなんだ。取り敢えず他の人達は違う事で一杯一杯だからマイルズさんの魅了に罹っている余裕がないと言う事だね。なんか、それはそれで複雑!
「しかし、この歳で癒しを行うとは大した者だな」
やっと涙が治まってきたクリフさんが腕を組んで私を覗き込む。
「まだ問題は山積みだけど、母上の件は母上自身が招いた罪だからどんな結果になろうと僕はそれを受け止めるよ」
吹っ切れたような表情で遠くを見るエレンさん。ここに姿のない母親であるベネッタさんを思っているんだろう。
「もし、それで悲しい事になったら、また癒してくれるかい?」
微笑を浮かべるエレンさん。私は反応するべきか悩んだ。だってさっきからなんか私が皆の会話を理解しているような口振りで話が進むんだもん。これ迷うよね?反応したら話分かってるってバレるし、反応なかったらせっかく少し元気になったエレンさんがまた落ち込みそうで…どうしたらいいんだろう?
「う?」
取り敢えず、曖昧に反応しようって事で疑問系にした。内心は汗ダラダラものよ。冷汗とも言うけど。
私の反応にその場の人達も曖昧に苦笑いしている。なんでだ!今さらここで惚けんの?って反応じゃね、これ?
ーーどうか泣かないで、優しい子。笑ってくれたら嬉しいな。
そう思いながらエレンさんに伝わるようにと服を握る手の力を強める。
「ニア?」
「ニア、お前……」
なんか驚いているようなクリフさんとスヴェンさんの声が聞こえる。でも私は必死にエレンさんに想いが伝わるようにとぎゅっと目を瞑っているので分からない。
どんどん暖かくなる胸の光はやがて全身を巡るようになった。それを遠慮なくエレンさんに流す。泣き止んで欲しいから、元気になって欲しいから。
不意にぽんぽんと背中を叩かれて集中していた想いが霧散する。驚いて顔を上げるとまだ潤んで目を真っ赤にさせたエレンさんと目が合った。
「ありがとう、ニア。僕は元気になったよ」
へにゃりと笑うエレンさんの瞳から一つ涙が溢れた。それでも先程までの悲痛に泣く顔ではなくなっていた。上手く笑えなくても心が少しは落ち着いたのを感じた私も同じようにへにゃりと笑う。
「ニアは凄いですね。此方まで癒してくれるなんて」
その言葉でカイルさんを見ると何故か彼も泣いていた。何故に?
「此方まで影響するとはな」
「悲しくないのに涙が止まらねぇ」
他のクリフさんや文官さんも涙を流し、スヴェンさんに至っては涙と鼻水が出ていた。汚いよ。
「暖かいな。玉体の心は」
はい?玉体って私だよね。なんで?私の心が暖かいってどゆ事かな?
「城全体にこの魔力が満ちるとは成る程僕の魔力では満足しないのが分かったよ。魔力は僕以上だ」
目を潤ませたマイルズさんが此方へと遣って来る所だった。待って、貴方はフェロモン増幅しているって話だったのでは?出て来て良いの!?
「マイルズ、お前こんな衆人環視の中に出て来て良いのか?」
「ニアのこの波動で良い具合に混乱してるから僕のフェロモンなんて問題になってないよ」
そうなんだ。取り敢えず他の人達は違う事で一杯一杯だからマイルズさんの魅了に罹っている余裕がないと言う事だね。なんか、それはそれで複雑!
「しかし、この歳で癒しを行うとは大した者だな」
やっと涙が治まってきたクリフさんが腕を組んで私を覗き込む。
「まだ問題は山積みだけど、母上の件は母上自身が招いた罪だからどんな結果になろうと僕はそれを受け止めるよ」
吹っ切れたような表情で遠くを見るエレンさん。ここに姿のない母親であるベネッタさんを思っているんだろう。
「もし、それで悲しい事になったら、また癒してくれるかい?」
微笑を浮かべるエレンさん。私は反応するべきか悩んだ。だってさっきからなんか私が皆の会話を理解しているような口振りで話が進むんだもん。これ迷うよね?反応したら話分かってるってバレるし、反応なかったらせっかく少し元気になったエレンさんがまた落ち込みそうで…どうしたらいいんだろう?
「う?」
取り敢えず、曖昧に反応しようって事で疑問系にした。内心は汗ダラダラものよ。冷汗とも言うけど。
私の反応にその場の人達も曖昧に苦笑いしている。なんでだ!今さらここで惚けんの?って反応じゃね、これ?
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