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第一章ヒューマニ王国編
一触即発③
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ファンティーヌさんの話す驚くような内容に絶句(私、喋れない)していると、何処からか唄が聞こえてきた。
高く響くどこまでも優しく、感情を揺さぶる癒しの唄。
どうやらその唄は上空から聞こえてくるみたいで、何人かが空を見上げて絶句している。
私も空を見上げると高い高い空の一点、見逃してしまいそうになるような白い何かが其方へと近付いてきていた。
「姫様の守護者候補だったもう一人です」
空から降りてきたのは真っ白な鯨だった。空飛ぶ鯨なんて、流石異世界だなぁと思ったらファンティーヌさんからの説明が入った。
「ドラゴンですよ。最大級のドラゴンにしてこの種の最後の生き残りなんです」
また唄が聞こえる。聞く者によって色んな感じ方をするような唄。私には優しい子守唄に聞こえる。
真っ白な巨体の優しい瞳をしたドラゴンは地上数十メートルの地点で緩やかに滞空している。するとそのドラゴンは光を撒き散らしながら縮んでいく。ぎょっとする面々にファンティーヌさんだけはケロっとしてる。
小さく小さく縮んだドラゴンは人一人の大きさにまでなるとそこで止まり、光が収まると現れたのは綺麗な人だった。
白から水色、青色と綺麗にグラデーションになっている不思議な長い髪と角が生え、穏やかな黄色とも金色とも取れる色の瞳に女性とも男性ともつかない体躯の人がいた。
「姫、迎えに来た」
喋ってもどちらともつかない声色に性別は一体どっちなのか気になる。
「姫様、この方はノアです。ドラゴンにして竜人という稀な方なのです。こんななりですが、とっても強いんですよ」
随分な言い種だけどノアさんはどう思ってるんだろうと思ってチラリっと見ると満更でもないのかドヤ顔してた。
しかし、『ノア』か。これまたどっちともつかない名前だなぁ。
「また…ドラゴン」
「竜人がなんでこんなに…」
私と言う竜人がいる事を知らない人達が動揺し、混乱し始めた。これって場所とか変えた方が良いんじゃない?さっき宣戦布告発言してたし、自国の王妃に乱暴してたしね。
周りが騒がしくなってきたのをさすがに気になりだしたのか、ファンティーヌさんとノアさんがチラッと周りに視線をやり、エーブラムさんの方に向き直ったファンティーヌさんが声をかける。未だにエーブラムさん土下座体勢だった。
「……開戦すると言ったが、この件は持ち帰り、我らが陛下と協議するとしよう」
「は?」
そこでチラッとファンティーヌさんとノアさんが私を見た。何? 私、ただの赤ん坊でございますよ。
「姫が人間に懐いてる」
ポツリと溢したノアさんの言葉で私へと視線が集中する。大人しくスヴェンさんの腕の中にいる私が何か?
「普通は暴れる」
なんで?赤ちゃんとしては上手に抱いてくれてるんだし、暴れる理由ないと思うんだけど?
「今回の王妃の暴力の件とは別にこの事も伝えおく。姫様、暫しボクらは離れますのでそこの人間によく守って貰って下さい」
「う」
「姫、また直ぐ来る」
「う」
コクリと頷いて了承する私にスヴェンさんが一言。
「やっぱ言葉理解してるよな」
無視しよう。私はただの赤ちゃんだからね。ファンティーヌさんとノアさんは私が了承したのを確認するとファンティーヌさんは黒いドラゴンに飛び乗り、ノアさんは光に包まれてまたあの大きな鯨になると一緒に空へと離陸した。
上空で一回回るとそのまま恐らくドラゴニア帝国があるだろう方向へと飛んでいった。
高く響くどこまでも優しく、感情を揺さぶる癒しの唄。
どうやらその唄は上空から聞こえてくるみたいで、何人かが空を見上げて絶句している。
私も空を見上げると高い高い空の一点、見逃してしまいそうになるような白い何かが其方へと近付いてきていた。
「姫様の守護者候補だったもう一人です」
空から降りてきたのは真っ白な鯨だった。空飛ぶ鯨なんて、流石異世界だなぁと思ったらファンティーヌさんからの説明が入った。
「ドラゴンですよ。最大級のドラゴンにしてこの種の最後の生き残りなんです」
また唄が聞こえる。聞く者によって色んな感じ方をするような唄。私には優しい子守唄に聞こえる。
真っ白な巨体の優しい瞳をしたドラゴンは地上数十メートルの地点で緩やかに滞空している。するとそのドラゴンは光を撒き散らしながら縮んでいく。ぎょっとする面々にファンティーヌさんだけはケロっとしてる。
小さく小さく縮んだドラゴンは人一人の大きさにまでなるとそこで止まり、光が収まると現れたのは綺麗な人だった。
白から水色、青色と綺麗にグラデーションになっている不思議な長い髪と角が生え、穏やかな黄色とも金色とも取れる色の瞳に女性とも男性ともつかない体躯の人がいた。
「姫、迎えに来た」
喋ってもどちらともつかない声色に性別は一体どっちなのか気になる。
「姫様、この方はノアです。ドラゴンにして竜人という稀な方なのです。こんななりですが、とっても強いんですよ」
随分な言い種だけどノアさんはどう思ってるんだろうと思ってチラリっと見ると満更でもないのかドヤ顔してた。
しかし、『ノア』か。これまたどっちともつかない名前だなぁ。
「また…ドラゴン」
「竜人がなんでこんなに…」
私と言う竜人がいる事を知らない人達が動揺し、混乱し始めた。これって場所とか変えた方が良いんじゃない?さっき宣戦布告発言してたし、自国の王妃に乱暴してたしね。
周りが騒がしくなってきたのをさすがに気になりだしたのか、ファンティーヌさんとノアさんがチラッと周りに視線をやり、エーブラムさんの方に向き直ったファンティーヌさんが声をかける。未だにエーブラムさん土下座体勢だった。
「……開戦すると言ったが、この件は持ち帰り、我らが陛下と協議するとしよう」
「は?」
そこでチラッとファンティーヌさんとノアさんが私を見た。何? 私、ただの赤ん坊でございますよ。
「姫が人間に懐いてる」
ポツリと溢したノアさんの言葉で私へと視線が集中する。大人しくスヴェンさんの腕の中にいる私が何か?
「普通は暴れる」
なんで?赤ちゃんとしては上手に抱いてくれてるんだし、暴れる理由ないと思うんだけど?
「今回の王妃の暴力の件とは別にこの事も伝えおく。姫様、暫しボクらは離れますのでそこの人間によく守って貰って下さい」
「う」
「姫、また直ぐ来る」
「う」
コクリと頷いて了承する私にスヴェンさんが一言。
「やっぱ言葉理解してるよな」
無視しよう。私はただの赤ちゃんだからね。ファンティーヌさんとノアさんは私が了承したのを確認するとファンティーヌさんは黒いドラゴンに飛び乗り、ノアさんは光に包まれてまたあの大きな鯨になると一緒に空へと離陸した。
上空で一回回るとそのまま恐らくドラゴニア帝国があるだろう方向へと飛んでいった。
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