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第一章ヒューマニ王国編
一触即発①
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突然王宮中に響き渡った大きな音はどうやら内郭の辺りかららしく私を抱えたスヴェンさん達が急いで駆け付けた。
少し広くなっている所に轟音に驚いた王宮中の人々が蜂の巣を突いたようにわらわらと音の発生源であるこの場に集まっていた。
そこには大きな黒いドラゴンが周囲を威嚇しながら大人しくその場に座り込んでいた。
金色の瞳は鋭く細められ、王宮の人達を睥睨するように睨んでいる。
黒く艶やかな外皮は黒曜石のように美しく、私は無意識に撫でようと手を伸ばした。
「ニア?」
スヴェンさんが腕の中で大人しくしていた私の行動にやや困惑気味に此方を窺っている。するとドラゴンも私に気付いたのか目を見開くと頭を擡げ、こちらへと鼻先を向ける。
「う」
頑張って伸ばすけど届かない。ドラゴンもギリギリまで寄って来てくれるけれどやはり届かない。そんな中、ドラゴンの背中側から何かが飛び降りた。
「姫様ぁぁぁぁぁ!!!!!」
飛び降りた何かは見事に華麗な着地を決めると凄い勢いで此方へと走ってくる。
ある程度近付いた瞬間にスヴェンさんとカイルさんが腰に佩いていた剣を抜刀し、猪突してくるものに突き付けた。
「止まれ」
「止まりなさい」
怖い顔と低い声で静止を促すと素直に従い止まる。そのお陰で猪突してきたものをじっくり見る事ができた。
艶やかな黒髪は後ろで静かにしているドラゴンを彷彿とさせ、アイスランドブルーの瞳はくりくりとしていて褐色の肌の元気そうな可愛らしい少女だった。
自分を止めたスヴェンさんとカイルさんを今にも殺しそうな視線を向け、次に私に視線を向けた時には眉尻が下がり捨てられた子犬みたいな表情になった。
「姫様ぁぁぁ~」
うるうると潤む水色の瞳としょんぼりした雰囲気に慰めたくなってしまった。
「う」
「どちら様でしょうか?」
警戒を緩めないスヴェンさんとカイルさんだったが、背後にいるクリフさんが溜め息混じりに声をかけた。
「スヴェン、カイル。お前達も落ち着け。其方の御仁はドラゴニア帝国の方だぞ」
その言葉に二人はピクッと反応し、渋々ながら剣を納めた。それを確認したエーブラムさん達が膝をつき、その場で頭を下げた。
「御無礼を御許しください。本日はどう言った御用に御座いましょうか?」
エーブラムさんが丁寧に用件を窺うが謎の人は私から視線を外さない。
「……なんて事」
するとエーブラムさんの言葉をガン無視する謎の人はポツリと何かを呟くとその場に崩れ落ちた。情緒不安定だね。
「守護者がもういらっしゃる……しかも人間……なんて事」
何か言ってる。なんだろ?項垂れた謎の人は次の瞬間にはガバッと起き上がった。ビックリした。
「改めまして、初めまして姫様。ボクはファンティーヌ=アイゼンハワーでございます。本来ならばボクが姫様の守護者になる筈でした。どうぞ、気軽にフィーと御呼び下さい」
胸に手を当ててニパッと笑うファンティーヌさん。色々聞きたい事があるんだけど?だいたい姫様って何かな?あと、守護者って何?
少し広くなっている所に轟音に驚いた王宮中の人々が蜂の巣を突いたようにわらわらと音の発生源であるこの場に集まっていた。
そこには大きな黒いドラゴンが周囲を威嚇しながら大人しくその場に座り込んでいた。
金色の瞳は鋭く細められ、王宮の人達を睥睨するように睨んでいる。
黒く艶やかな外皮は黒曜石のように美しく、私は無意識に撫でようと手を伸ばした。
「ニア?」
スヴェンさんが腕の中で大人しくしていた私の行動にやや困惑気味に此方を窺っている。するとドラゴンも私に気付いたのか目を見開くと頭を擡げ、こちらへと鼻先を向ける。
「う」
頑張って伸ばすけど届かない。ドラゴンもギリギリまで寄って来てくれるけれどやはり届かない。そんな中、ドラゴンの背中側から何かが飛び降りた。
「姫様ぁぁぁぁぁ!!!!!」
飛び降りた何かは見事に華麗な着地を決めると凄い勢いで此方へと走ってくる。
ある程度近付いた瞬間にスヴェンさんとカイルさんが腰に佩いていた剣を抜刀し、猪突してくるものに突き付けた。
「止まれ」
「止まりなさい」
怖い顔と低い声で静止を促すと素直に従い止まる。そのお陰で猪突してきたものをじっくり見る事ができた。
艶やかな黒髪は後ろで静かにしているドラゴンを彷彿とさせ、アイスランドブルーの瞳はくりくりとしていて褐色の肌の元気そうな可愛らしい少女だった。
自分を止めたスヴェンさんとカイルさんを今にも殺しそうな視線を向け、次に私に視線を向けた時には眉尻が下がり捨てられた子犬みたいな表情になった。
「姫様ぁぁぁ~」
うるうると潤む水色の瞳としょんぼりした雰囲気に慰めたくなってしまった。
「う」
「どちら様でしょうか?」
警戒を緩めないスヴェンさんとカイルさんだったが、背後にいるクリフさんが溜め息混じりに声をかけた。
「スヴェン、カイル。お前達も落ち着け。其方の御仁はドラゴニア帝国の方だぞ」
その言葉に二人はピクッと反応し、渋々ながら剣を納めた。それを確認したエーブラムさん達が膝をつき、その場で頭を下げた。
「御無礼を御許しください。本日はどう言った御用に御座いましょうか?」
エーブラムさんが丁寧に用件を窺うが謎の人は私から視線を外さない。
「……なんて事」
するとエーブラムさんの言葉をガン無視する謎の人はポツリと何かを呟くとその場に崩れ落ちた。情緒不安定だね。
「守護者がもういらっしゃる……しかも人間……なんて事」
何か言ってる。なんだろ?項垂れた謎の人は次の瞬間にはガバッと起き上がった。ビックリした。
「改めまして、初めまして姫様。ボクはファンティーヌ=アイゼンハワーでございます。本来ならばボクが姫様の守護者になる筈でした。どうぞ、気軽にフィーと御呼び下さい」
胸に手を当ててニパッと笑うファンティーヌさん。色々聞きたい事があるんだけど?だいたい姫様って何かな?あと、守護者って何?
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