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第一章ヒューマニ王国編
美味しいご飯
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慌てたベネッタさんが私達に向かって慌てて走りよろうとしたけど、それを押し留めたのがクリフさんだった。
「無礼者!!?自国の王子が、私の子が獣に喰われているのですよ!!お前が率先して助けるべきなのですよ!!」
「よく見ていただきたい。王子殿下は危険ですか?ニアは危険ですか?」
激昂しているベネッタさんがクリフさんの言葉で私達を睨む。
私はそれをよそにエレンさんから魔力を吸おうとしていた。
「どうしたの?」
小首を傾げる可愛いエレンさん。私の行為の意味を分かっていないみたいだけど、美味しくなかったら直ぐ終るからと思い、少し吸った。
すると今まで以上に濃厚で甘く、でもどこか爽やかで言い表す言葉が見つからない。私は自分の語彙力を呪うしかなかった。でも、一言で言うと美味しかったです。
私は夢中になって吸うけど、エレンさんは特に不快には思ってないみたい。体にも負担になっているようにも見えないのでそのまま続行して吸う。
「くすぐったいな」
クスクスと笑うエレンさん。遠くでカイルさんがギリギリと奥歯を噛んでいるのか凄い形相でこっち見てるけど、なんで?あとベネッタさんも私を射殺そうとする勢いで睨んでる。
暫くそんななんとも言えない空気が流れ、満腹になった私はエレンさんの指から口を放した。
「指舐めるの満足したの?」
「う」
初めての満腹に御満悦な私だったが、次の瞬間強い衝撃を受けた。
「大丈夫ですの!!」
「母上!?」
ベネッタさんがエレンさんを心配そうに抱き締め、エレンさん驚いた表情を浮かべている。それを私は下から見上げている。
「ベネッタ!!なんて事を!」
「「「ニア!」」」
ベネッタさんの行動に怖い顔をするエーブラムさんに駆け寄るカイルさん達。
焦りすぎたカイルさんが足を縺れさせて数歩進んだ所で転け、スヴェンさんがそっと抱き上げてくれた。
「大丈夫か?怪我してないか?」
「泣いてないが、大丈夫なのか?」
「どうっすかね。これから泣くかもだし、骨とか折れてるかも」
ええ、ビックリしましたよ。まさか赤ちゃんを叩き落とすとは思わなかったよ。酷くない?ベネッタさん母親だよね?赤ちゃん落とす事がどれだけ危険か知ってるよね?
自分の子供が心配なのは分かるよ。けど、一応国賓なんだよ?王妃なんだから、これの意味する事分かるよね?案の定、エーブラムさんが怖い顔でベネッタさんの腕を掴む。
「何をなさりますの!」
「先程からのベネッタの言動は目に余っていたが、とんでもない事をしてくれたな。我は玉体だと言ったはずだ。お前は戦争を起こした王妃になったんだぞ」
「何を…」
「彼の国では赤子は宝だ。だからこそ全ての赤子を玉体と呼び大切に育てる。そして、一度玉体に狼藉を働いた者を彼の国は赦さないだろう。そうなると彼の国とこの国は戦乱となる」
「そんなの黙っていれば宜しいじゃ有りませんか」
そうだね。内々の人しかいないこの場の事。ドラゴニア帝国にバレなければ、良いだけだもんね。でも、エーブラムさんは首を振ってみせた。
「無理だ。もう知れている」
その一言でベネッタさんとその場の全員が真っ青になった。
どこかで轟音が鳴り響いた。
「無礼者!!?自国の王子が、私の子が獣に喰われているのですよ!!お前が率先して助けるべきなのですよ!!」
「よく見ていただきたい。王子殿下は危険ですか?ニアは危険ですか?」
激昂しているベネッタさんがクリフさんの言葉で私達を睨む。
私はそれをよそにエレンさんから魔力を吸おうとしていた。
「どうしたの?」
小首を傾げる可愛いエレンさん。私の行為の意味を分かっていないみたいだけど、美味しくなかったら直ぐ終るからと思い、少し吸った。
すると今まで以上に濃厚で甘く、でもどこか爽やかで言い表す言葉が見つからない。私は自分の語彙力を呪うしかなかった。でも、一言で言うと美味しかったです。
私は夢中になって吸うけど、エレンさんは特に不快には思ってないみたい。体にも負担になっているようにも見えないのでそのまま続行して吸う。
「くすぐったいな」
クスクスと笑うエレンさん。遠くでカイルさんがギリギリと奥歯を噛んでいるのか凄い形相でこっち見てるけど、なんで?あとベネッタさんも私を射殺そうとする勢いで睨んでる。
暫くそんななんとも言えない空気が流れ、満腹になった私はエレンさんの指から口を放した。
「指舐めるの満足したの?」
「う」
初めての満腹に御満悦な私だったが、次の瞬間強い衝撃を受けた。
「大丈夫ですの!!」
「母上!?」
ベネッタさんがエレンさんを心配そうに抱き締め、エレンさん驚いた表情を浮かべている。それを私は下から見上げている。
「ベネッタ!!なんて事を!」
「「「ニア!」」」
ベネッタさんの行動に怖い顔をするエーブラムさんに駆け寄るカイルさん達。
焦りすぎたカイルさんが足を縺れさせて数歩進んだ所で転け、スヴェンさんがそっと抱き上げてくれた。
「大丈夫か?怪我してないか?」
「泣いてないが、大丈夫なのか?」
「どうっすかね。これから泣くかもだし、骨とか折れてるかも」
ええ、ビックリしましたよ。まさか赤ちゃんを叩き落とすとは思わなかったよ。酷くない?ベネッタさん母親だよね?赤ちゃん落とす事がどれだけ危険か知ってるよね?
自分の子供が心配なのは分かるよ。けど、一応国賓なんだよ?王妃なんだから、これの意味する事分かるよね?案の定、エーブラムさんが怖い顔でベネッタさんの腕を掴む。
「何をなさりますの!」
「先程からのベネッタの言動は目に余っていたが、とんでもない事をしてくれたな。我は玉体だと言ったはずだ。お前は戦争を起こした王妃になったんだぞ」
「何を…」
「彼の国では赤子は宝だ。だからこそ全ての赤子を玉体と呼び大切に育てる。そして、一度玉体に狼藉を働いた者を彼の国は赦さないだろう。そうなると彼の国とこの国は戦乱となる」
「そんなの黙っていれば宜しいじゃ有りませんか」
そうだね。内々の人しかいないこの場の事。ドラゴニア帝国にバレなければ、良いだけだもんね。でも、エーブラムさんは首を振ってみせた。
「無理だ。もう知れている」
その一言でベネッタさんとその場の全員が真っ青になった。
どこかで轟音が鳴り響いた。
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