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第一章ヒューマニ王国編
息子からの指摘に父親は驚く
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「ベネッタ、違うんだ。この御子は玉体なのだ。彼のドラゴニア帝国に住む竜人の子だ」
言い繕ってるけど、赤の他人て言う事を言うのを忘れてるよ。それだと竜人の女性との間に出来た子供みたいにも聞こえるよ、エーブラムさん。
「竜人ですって!なんて穢らわしいんですの!野蛮で畜生ではないですの!」
え~、ベネッタさん。それは王妃としてあるまじき問題発言だよ。この場にドラゴニア帝国の人がいたら国際問題に発展するよ。
エーブラムさん達の話ぶりからするとドラゴニア帝国って結構強国っぽいんだよね。
そんな強国に対して、ベネッタさんが野蛮発言なんてしていると知ったらば相手国は侮辱されたと戦争しかけてきても文句言えないよ?
「待て待て、玉体を保護したのだ。我の子ではない。我に一切似ていないだろう」
カイルさんから強引に私を取り上げるとベネッタさんの眼前に曝す。玉体とか言ってるわりに扱いが雑でない?
「……………」
目の前に差し出された私をまじまじと見詰める。エーブラムさんとの類似点を探す瞳には一切の妥協を許さないという感情を読み取った。似てないよ~、他人だし。
必要以上に私をつぶさに観察するベネッタさんから視線を外すとエレンさんと目が合った。
初対面では最初が肝心なんだよ。挨拶代わりにニパッと笑ってみる。
「う」
するとエレンさんが瞠目し、直ぐに苦笑気味に笑い返してくれた。
それを見たエーブラムさんがエレンさんへと視線を向けて手招きしている。
「エレン、こっちへ」
素直にエレンさんは椅子から滑り降り、私を抱くエーブラムさんの元まで来ると此方を見上げる。
「父上、赤子の抱き方はそれでは駄目です。僕に妹が産まれると聞かされたので教育本を何冊か読みました。その抱き方ではいつ赤子を落とすか心配です」
幼いエレンさんの正論にエーブラムさんは絶句。自分の父親が固まったのに溜め息を一つ吐き出し、両手を差し出した。
「貸してください」
どうやら私を替わりに抱く気らしい。見た感じ十歳位だよ。私はちょっと不安なんですがね。
エーブラムさんは息子に言われるがまま私を差し出した。それをエレンさんはもたつきながらも受け取る。
正しい位置を探すように危なっかしい手付きで抱く。私これでも国賓なんじゃないの?落としたら誰が責任取るの?
「う」
恐怖とも抗議ともつかない声を上げる私。多分今の表情は不安げなんじゃないかな?眉間に力が入ってるのを自分で感じる。
「こうかな?」
やっと自分の思っている通りに抱き抱える事が出来たのか満足げに微笑むエレンさん。意外にも最初は危なっかしかったが、今は落ち着いている。流石勤勉に育児本を読んだだけはあるね。
「う」
私も満足げに笑う。それをほっとしたように笑ったエレンさん。
つんつんと私のもちもちな頬をつつくエレンさん。暫く耐えていたが、なかなか止めてくれないので指に食いついた。
「エレン!!!!」
私の行動に驚いたベネッタさんが悲痛な声で叫んだ。
言い繕ってるけど、赤の他人て言う事を言うのを忘れてるよ。それだと竜人の女性との間に出来た子供みたいにも聞こえるよ、エーブラムさん。
「竜人ですって!なんて穢らわしいんですの!野蛮で畜生ではないですの!」
え~、ベネッタさん。それは王妃としてあるまじき問題発言だよ。この場にドラゴニア帝国の人がいたら国際問題に発展するよ。
エーブラムさん達の話ぶりからするとドラゴニア帝国って結構強国っぽいんだよね。
そんな強国に対して、ベネッタさんが野蛮発言なんてしていると知ったらば相手国は侮辱されたと戦争しかけてきても文句言えないよ?
「待て待て、玉体を保護したのだ。我の子ではない。我に一切似ていないだろう」
カイルさんから強引に私を取り上げるとベネッタさんの眼前に曝す。玉体とか言ってるわりに扱いが雑でない?
「……………」
目の前に差し出された私をまじまじと見詰める。エーブラムさんとの類似点を探す瞳には一切の妥協を許さないという感情を読み取った。似てないよ~、他人だし。
必要以上に私をつぶさに観察するベネッタさんから視線を外すとエレンさんと目が合った。
初対面では最初が肝心なんだよ。挨拶代わりにニパッと笑ってみる。
「う」
するとエレンさんが瞠目し、直ぐに苦笑気味に笑い返してくれた。
それを見たエーブラムさんがエレンさんへと視線を向けて手招きしている。
「エレン、こっちへ」
素直にエレンさんは椅子から滑り降り、私を抱くエーブラムさんの元まで来ると此方を見上げる。
「父上、赤子の抱き方はそれでは駄目です。僕に妹が産まれると聞かされたので教育本を何冊か読みました。その抱き方ではいつ赤子を落とすか心配です」
幼いエレンさんの正論にエーブラムさんは絶句。自分の父親が固まったのに溜め息を一つ吐き出し、両手を差し出した。
「貸してください」
どうやら私を替わりに抱く気らしい。見た感じ十歳位だよ。私はちょっと不安なんですがね。
エーブラムさんは息子に言われるがまま私を差し出した。それをエレンさんはもたつきながらも受け取る。
正しい位置を探すように危なっかしい手付きで抱く。私これでも国賓なんじゃないの?落としたら誰が責任取るの?
「う」
恐怖とも抗議ともつかない声を上げる私。多分今の表情は不安げなんじゃないかな?眉間に力が入ってるのを自分で感じる。
「こうかな?」
やっと自分の思っている通りに抱き抱える事が出来たのか満足げに微笑むエレンさん。意外にも最初は危なっかしかったが、今は落ち着いている。流石勤勉に育児本を読んだだけはあるね。
「う」
私も満足げに笑う。それをほっとしたように笑ったエレンさん。
つんつんと私のもちもちな頬をつつくエレンさん。暫く耐えていたが、なかなか止めてくれないので指に食いついた。
「エレン!!!!」
私の行動に驚いたベネッタさんが悲痛な声で叫んだ。
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