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第一章ヒューマニ王国編
目覚めたら女神様
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ふと意識が浮上し、素直に瞼を持ち上げると真っ青な空とゆっくりと流れる雲が見えた。
どこまでも蒼く、高く、澄んだ蒼。真っ青な海を漂う白い雲もゆったりと揺蕩う。
近年、慌ただしく生活し、息つく暇もなかった毎日に突然のこのゆったりとした空気。時間が緩く流れ、急いていた気持ちが徐々に落ち着いていく。
「ここは…天国かな?」
ふと思い出したのは先程までの事柄。トラックに撥ね飛ばされて宙を舞い、アスファルトに叩き付けられたにしては体の何処にも痛みはないし、それどころかフワフワと心地良い。
まず、状況確認するべく右へと視線を動かす。真っ青な空が見える。
次に左を向くと真っ青な空が見える。見渡す限り青空のようだ。冷たいアスファルトでもましてや私の流血で汚れている事もないこの空間はなんなのか。
全方位に空があるわけではないようだ。私が下にしている部分は空の青を映し、空と大地の境界線があやふやになっているのだろう。そこでテレビで見た海外にあるという塩湖を思い出した。その美しい光景に感動した事を覚えている。
ここは塩湖に似た場所という事にしておこう。空と大地の境界線が分からないながらも遠くには崩れた遺跡が見える。
上を向いた状態でこの不思議な空間については一旦頭の隅に追いやり、自分の動かない体について思案する。手はガッチリと右手さんと左手さんが仲良く絡み合ってお腹の上。服は着ているようでさらっとしたワンピースらしきものを着用中。
「これはもしかしなくても…」
「そうですよ。異世界です」
そんな言葉が聞こえ、次いで金髪碧眼の美少女が私を覗き込んだ。金色のさらさらした髪は長く動く度に肩から流れる。まるで高級なシルク糸のようでこちらを見詰める大きな碧眼はきらきらと宝石のように澄んでいる。
白い肌に桃色の唇、小さな顔はまるで子供の頃に遊んでいたお人形さんのようだ。
ニコニコと穏やかに微笑んでいる美少女に見惚れる事数分、妹も美少女だと思っていたけれどこの少女とでは格が違う。
「残念ながら貴女は亡くなってしまいました。それもこれも彼の方の天使のうっかりさんがやってしまったことなんです。本来ならまだまだ大往生して大家族の肝っ玉母ちゃんでちょっとした有名人になる筈だったんですよ。テレビ出演とかして、お茶の間の笑いを誘うんです」
「全力で遠慮したい」
「そうです?」
心底不思議そうに小首を傾げる美少女は途轍もなく可愛い。
「もしかしなくても神様?」
「はい、申し遅れました。私、異世界エデンを管轄しています。女神リュシエルと言います。これから貴女には転生して私の世界へと旅立ってもらいます」
なんか光輝くような美貌だと思ったら女神様でした。どおりで輝いていらっしゃると思った。
「うん、唐突だね」
「まず、貴女の体はもう使い物にならないので新しい体を作りましょう」
「やだこの子、全然話聞いてない」
女神リュシエル様の話によると私の体はトラックによって木っ端微塵にされてしまい今、体が動かないのはその影響だと言う。
木っ端微塵てエグいな。どこのスプラッタ映画なのって位にエグいな。木っ端微塵映像を見せてくれようとしたので全力で遠慮した。誰が自分の死顔見たいのさ。しかも木っ端微塵だよ?
「木っ端微塵になってしまわないように強力な体にしましょう。竜人で良いです?」
「木っ端微塵て連呼しないで欲しい。その口振りだと他にも種族がいるよね?なんで竜人一択なのかな?」
「では、竜人ですね。性別はそのまま女性として…」
「話聞こ~よ~…悲しくなるからさ~」
何やら空中で指やら手を動かしている。端から見たら何をしているか分からない。私も分からないけどね。
どこまでも蒼く、高く、澄んだ蒼。真っ青な海を漂う白い雲もゆったりと揺蕩う。
近年、慌ただしく生活し、息つく暇もなかった毎日に突然のこのゆったりとした空気。時間が緩く流れ、急いていた気持ちが徐々に落ち着いていく。
「ここは…天国かな?」
ふと思い出したのは先程までの事柄。トラックに撥ね飛ばされて宙を舞い、アスファルトに叩き付けられたにしては体の何処にも痛みはないし、それどころかフワフワと心地良い。
まず、状況確認するべく右へと視線を動かす。真っ青な空が見える。
次に左を向くと真っ青な空が見える。見渡す限り青空のようだ。冷たいアスファルトでもましてや私の流血で汚れている事もないこの空間はなんなのか。
全方位に空があるわけではないようだ。私が下にしている部分は空の青を映し、空と大地の境界線があやふやになっているのだろう。そこでテレビで見た海外にあるという塩湖を思い出した。その美しい光景に感動した事を覚えている。
ここは塩湖に似た場所という事にしておこう。空と大地の境界線が分からないながらも遠くには崩れた遺跡が見える。
上を向いた状態でこの不思議な空間については一旦頭の隅に追いやり、自分の動かない体について思案する。手はガッチリと右手さんと左手さんが仲良く絡み合ってお腹の上。服は着ているようでさらっとしたワンピースらしきものを着用中。
「これはもしかしなくても…」
「そうですよ。異世界です」
そんな言葉が聞こえ、次いで金髪碧眼の美少女が私を覗き込んだ。金色のさらさらした髪は長く動く度に肩から流れる。まるで高級なシルク糸のようでこちらを見詰める大きな碧眼はきらきらと宝石のように澄んでいる。
白い肌に桃色の唇、小さな顔はまるで子供の頃に遊んでいたお人形さんのようだ。
ニコニコと穏やかに微笑んでいる美少女に見惚れる事数分、妹も美少女だと思っていたけれどこの少女とでは格が違う。
「残念ながら貴女は亡くなってしまいました。それもこれも彼の方の天使のうっかりさんがやってしまったことなんです。本来ならまだまだ大往生して大家族の肝っ玉母ちゃんでちょっとした有名人になる筈だったんですよ。テレビ出演とかして、お茶の間の笑いを誘うんです」
「全力で遠慮したい」
「そうです?」
心底不思議そうに小首を傾げる美少女は途轍もなく可愛い。
「もしかしなくても神様?」
「はい、申し遅れました。私、異世界エデンを管轄しています。女神リュシエルと言います。これから貴女には転生して私の世界へと旅立ってもらいます」
なんか光輝くような美貌だと思ったら女神様でした。どおりで輝いていらっしゃると思った。
「うん、唐突だね」
「まず、貴女の体はもう使い物にならないので新しい体を作りましょう」
「やだこの子、全然話聞いてない」
女神リュシエル様の話によると私の体はトラックによって木っ端微塵にされてしまい今、体が動かないのはその影響だと言う。
木っ端微塵てエグいな。どこのスプラッタ映画なのって位にエグいな。木っ端微塵映像を見せてくれようとしたので全力で遠慮した。誰が自分の死顔見たいのさ。しかも木っ端微塵だよ?
「木っ端微塵になってしまわないように強力な体にしましょう。竜人で良いです?」
「木っ端微塵て連呼しないで欲しい。その口振りだと他にも種族がいるよね?なんで竜人一択なのかな?」
「では、竜人ですね。性別はそのまま女性として…」
「話聞こ~よ~…悲しくなるからさ~」
何やら空中で指やら手を動かしている。端から見たら何をしているか分からない。私も分からないけどね。
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