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魔王からかけられたやがて羊になる呪い
魔女を訪ねて
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ガッシャ―――――ン!
「なっ!なんじゃ!だれじゃ?なにやつじゃ!?」
いけません、私の姿では扉を開けれなかったので、つい窓から飛び込んだら寝室でした。
羊は視野が広くていいのですが、残念ながら人間の時と違って見え方が違うので人の顔の美醜や表情などは読み取れません。
しかし、そんな私でもわかるくらい、驚きと怒りで茹でだこのようになった魔女……。
この方はいわゆる東の魔女です。
どうせ悪い魔女なんでしょ?
なんて見くびったのは失敗でしたね。
真黒なローブとは似つかわしくない、可愛らしいぬいぐるみで覆われたお部屋でしたので、大変申し訳ございませんでした。
「いきなりやってきて、なぜそこへ座り込むの?それは私の大切な推しキャラの等身大クッションなのに!?」
あっ、つい座り心地が良くて……。
「すぐにどきなさい!どいたら言うことを聞いてあげますからすぐに!」
どいていいでしょうか?
どいたら怒らないでしょうか?
どけと言われたので仕方なくどけました……
「ウン〇ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!????(ブクブクブクブク)」
あっ、泡を吹いて倒れてしまいました……。
カランカラン……。
魔女が倒れた拍子に立てかけてあった杖が転がってきます。
これは魔女の杖ですね。
解呪の魔法は……残念ながら登録されていません。
魔女の杖には通常複数の魔法が刻まれています。
魔法陣というものです。
これを使って魔女は奇跡を生み出すのです。
私が杖を舌で転がして調べていると……、えっ……?
とつぜん杖から黒い魔力が沸き上がって、私に何か魔法をかけました……。
「なっ、なにをしているのですか?なぜ杖が発動するの!?」
なにが発動したの?私また呪いをかけられたの?
2人して……いえ、1人と1匹で大混乱です。
「もう出て行って!あなたなんか出て行ってよ!」
最後は威厳を全てかなぐり捨てて半べそかいた東の魔女に追い出されてしまいました……。
どうもすみませんでした……。
*****
次に向かうは北の魔女。
この方は善き魔女として評判の方ですから、話位は聞いてくれるのではないかとルンルンしながら歩いていきます。
『ぴぃ~~~~~』
あっ、小鳥さんですわね。
私はすれ違った小鳥に会釈をしながら歩いていきます。
『プギャー―――』
あっ、エンジェルスライムさんですわね。
私はすれ違った可愛らしいモンスターに会釈をしながら歩いていきます。
『ぐぎゃー―――!!!!!!』
あっ、ワイバーンですわね。
私はなぜか火を吐いてきたワイバーンを魔法で氷漬けにして地面に落として歩いていきます。
あぁ、空の旅は快適ですわ。
そうしてやってきたのは北の魔女の塔。
ここは空からしか入れないので、当然ながら浮遊魔法で飛んでいます。
「まさか100年ぶりにやってきた客が羊だとは思わなかったよ」
私が降り立つとここでもまたお婆さんが声をかけてくれました。
なぜ魔女はみなお婆さんなのでしょうか?
たまには私好みの可愛らしい魔女さんはいないのでしょうか?
「あんたが有名な聖女さまか」
私は有名だったようです。魔王を倒し、勇者を救って呪われた聖女……たしかに有名になる要素が満載ですわね。
「暴走聖女様……西の魔女からは人の話を聞かないと聞いているし、エガルド山脈周辺のモンスターは殲滅されてしまうし、東の魔女からは大切なものにウン〇を喰らわされたと聞いた」
えぇと、私も焦っていたのですわ。あはははは。
「それで何の用だい?羊にされる呪いと、死に戻りの呪いを持つ聖女様よ」
は?死に戻り?そこのところ詳しく……。
「話せないのはやっかいだね。ほら、喋れるようになる魔法だよ。これで……って、なんでだい!」
私は魔女が放った光を避けます。
人の言葉を話せる羊なんて気持ち悪いじゃないですか。
それでもし、あの方に嫌われたらどうしてくれるんですか?
「話せないんじゃ何しに来たのかもわからないじゃないか!!!」
魔女は何発も魔法を放ってきますが、私はなんとか全部避けます。
「もう!魔力の無駄遣いだよ!いいからとっとと話せるようになりな!」
「あっ……やられた……」
「なんでだよ!?」
魔女は部屋中に向けて魔法を放ったので避ける場所がありませんでした。
「それで、死に戻りとはなんですか?」
「あんた、今のやり取りの説明もなくそこを聞くのかい?」
「それで、死に戻りとはなんですか?」
「……」
強情な魔女ですね。善い魔女と聞いていたのですが……。
「もう、わかったよ。死に戻りはその名の通りさ。あんたの場合は……あっはっはっはっは」
ガブリ
「……すまん」
いきなり笑われるのは気分が悪いので頭に噛みついたら素直に謝りました。
不味いですわ。
「なっ!なんじゃ!だれじゃ?なにやつじゃ!?」
いけません、私の姿では扉を開けれなかったので、つい窓から飛び込んだら寝室でした。
羊は視野が広くていいのですが、残念ながら人間の時と違って見え方が違うので人の顔の美醜や表情などは読み取れません。
しかし、そんな私でもわかるくらい、驚きと怒りで茹でだこのようになった魔女……。
この方はいわゆる東の魔女です。
どうせ悪い魔女なんでしょ?
なんて見くびったのは失敗でしたね。
真黒なローブとは似つかわしくない、可愛らしいぬいぐるみで覆われたお部屋でしたので、大変申し訳ございませんでした。
「いきなりやってきて、なぜそこへ座り込むの?それは私の大切な推しキャラの等身大クッションなのに!?」
あっ、つい座り心地が良くて……。
「すぐにどきなさい!どいたら言うことを聞いてあげますからすぐに!」
どいていいでしょうか?
どいたら怒らないでしょうか?
どけと言われたので仕方なくどけました……
「ウン〇ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!????(ブクブクブクブク)」
あっ、泡を吹いて倒れてしまいました……。
カランカラン……。
魔女が倒れた拍子に立てかけてあった杖が転がってきます。
これは魔女の杖ですね。
解呪の魔法は……残念ながら登録されていません。
魔女の杖には通常複数の魔法が刻まれています。
魔法陣というものです。
これを使って魔女は奇跡を生み出すのです。
私が杖を舌で転がして調べていると……、えっ……?
とつぜん杖から黒い魔力が沸き上がって、私に何か魔法をかけました……。
「なっ、なにをしているのですか?なぜ杖が発動するの!?」
なにが発動したの?私また呪いをかけられたの?
2人して……いえ、1人と1匹で大混乱です。
「もう出て行って!あなたなんか出て行ってよ!」
最後は威厳を全てかなぐり捨てて半べそかいた東の魔女に追い出されてしまいました……。
どうもすみませんでした……。
*****
次に向かうは北の魔女。
この方は善き魔女として評判の方ですから、話位は聞いてくれるのではないかとルンルンしながら歩いていきます。
『ぴぃ~~~~~』
あっ、小鳥さんですわね。
私はすれ違った小鳥に会釈をしながら歩いていきます。
『プギャー―――』
あっ、エンジェルスライムさんですわね。
私はすれ違った可愛らしいモンスターに会釈をしながら歩いていきます。
『ぐぎゃー―――!!!!!!』
あっ、ワイバーンですわね。
私はなぜか火を吐いてきたワイバーンを魔法で氷漬けにして地面に落として歩いていきます。
あぁ、空の旅は快適ですわ。
そうしてやってきたのは北の魔女の塔。
ここは空からしか入れないので、当然ながら浮遊魔法で飛んでいます。
「まさか100年ぶりにやってきた客が羊だとは思わなかったよ」
私が降り立つとここでもまたお婆さんが声をかけてくれました。
なぜ魔女はみなお婆さんなのでしょうか?
たまには私好みの可愛らしい魔女さんはいないのでしょうか?
「あんたが有名な聖女さまか」
私は有名だったようです。魔王を倒し、勇者を救って呪われた聖女……たしかに有名になる要素が満載ですわね。
「暴走聖女様……西の魔女からは人の話を聞かないと聞いているし、エガルド山脈周辺のモンスターは殲滅されてしまうし、東の魔女からは大切なものにウン〇を喰らわされたと聞いた」
えぇと、私も焦っていたのですわ。あはははは。
「それで何の用だい?羊にされる呪いと、死に戻りの呪いを持つ聖女様よ」
は?死に戻り?そこのところ詳しく……。
「話せないのはやっかいだね。ほら、喋れるようになる魔法だよ。これで……って、なんでだい!」
私は魔女が放った光を避けます。
人の言葉を話せる羊なんて気持ち悪いじゃないですか。
それでもし、あの方に嫌われたらどうしてくれるんですか?
「話せないんじゃ何しに来たのかもわからないじゃないか!!!」
魔女は何発も魔法を放ってきますが、私はなんとか全部避けます。
「もう!魔力の無駄遣いだよ!いいからとっとと話せるようになりな!」
「あっ……やられた……」
「なんでだよ!?」
魔女は部屋中に向けて魔法を放ったので避ける場所がありませんでした。
「それで、死に戻りとはなんですか?」
「あんた、今のやり取りの説明もなくそこを聞くのかい?」
「それで、死に戻りとはなんですか?」
「……」
強情な魔女ですね。善い魔女と聞いていたのですが……。
「もう、わかったよ。死に戻りはその名の通りさ。あんたの場合は……あっはっはっはっは」
ガブリ
「……すまん」
いきなり笑われるのは気分が悪いので頭に噛みついたら素直に謝りました。
不味いですわ。
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