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"真実の愛" ダメ、ゼッタイ!
果てしなく続く"真実の愛"の暴走
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◇
続いて向かったのはバンデオン王国です。
この国ではまさかの女王様が捨てられるパターンで独創的でした。
「リオレスト女王陛下! あなたがまさか悪魔崇拝に傾倒されるとは。このルミナス・グラデールは忠臣としてあなたの愚行を正し、国を再建することを誓います。いざ、ご覚悟を!!!」
本来王権を持つはずの女王が王位を奪われ、婚約者でもあった高位貴族に捨てられていました。
当然ながら悪魔崇拝なんというものは濡れ衣で、このルミナス・グラデールという男は幼馴染を"真実の愛"の相手としており、権力も"真実の愛"も掴むために女王との結婚直後に事をなして簒奪したのです。
呆れるほどのクズっぷりですわね。
この女王陛下は当然ながら復讐を誓っていましたが、もう二度と王にはなりたくないという方だったので当然ながら支援して元婚約者ルミナスを倒し、復讐完了後には王国をエアベルト王国に禅譲してもらいました。
元女王陛下は逞しい方がお好みということでシオル王子には合わなかったので、別の方を紹介しておきました。
今では仲睦まじく夫婦で我が国の将軍をしています。
◇
次はなんとグレージュ帝国です。
この国は周辺国の中で最大の武力を保持する強国ですが、次期皇帝が"真実の愛"に目が眩んで世界を相手に戦いそうなバカです。
なんと政略結婚の相手である属国の姫君を堂々とないがしろにして愛人を囲いまくっています。その愛人の一人に入れこんでいて、彼女が世界を私にとか言っちゃうバカで、次期皇帝はそれを聞いてしまうバカだったのです。
次期皇帝は好色な男で、目にした女は全て抱くようなバカなので私が愛人になろうと思ったのですが、シオル王子に止められました。
目をウルウルさせながら何も言わずに私の服の袖を掴む様子はとても保護欲を掻き立てられました。
とても可愛かったですごちそうさま。
しかし、愛人になる方法は採れなくなったので、素直に次期皇帝を恨む連中を焚き付け、属国には蔑ろにされている事実を暴露しました。また聖女シェラにお願いして神敵と宣言してみました。
それでも行動を変えない次期皇帝はなんと無理やり愛人にした女に切られました。
……私、ここで何もしていないですね……ラッキーでいいでしょうか?
次期皇帝の強大さに集まってきていた者たちは、次期皇帝が弱みを見せるとさ~っと波が引くようにいなくなりました。しかも一部は火事場泥棒の様にいろんなことをやらかしてくれました。財産や権利を盗むもの、醜聞を流布するもの、しれっと離婚を勝ち取って離反するもの……。
私はエアベルト王国にとって都合の良い状況を生み出すために、きっちりと次期皇帝と世界をねだったバカ愛人を拘束して老齢の皇帝にお渡しして、処刑まで見守りました。
「さすが次期皇帝と目されるだけはあって、あそこまで醜聞を振りまいた状況から強引に状況をひっくり返そうとしたのには驚いたよね」
配下だけを引き連れて皇帝暗殺を狙った次期皇帝の強引さに草食系のシオル王子はドン引きでした。
たまにはあれくらいの強引さを発揮してもらっても楽しそうなのですが、そんな日は来そうにありませんねと、エメリア様とお茶をしながらため息を吐いてしまったのは内緒です。
なお、グレージュ帝国は次期皇帝が強大すぎて争えるようなものを軒並み処刑してしまっていたため、現在進行形で後継者争いを繰り広げてくださっています。
なるべく長く争って余力をなくしてほしい一方で、民への影響は抑えたいので、水面下で難易度の高いミッションを遂行しています。
リオレスト将軍が……。
続いて向かったのはバンデオン王国です。
この国ではまさかの女王様が捨てられるパターンで独創的でした。
「リオレスト女王陛下! あなたがまさか悪魔崇拝に傾倒されるとは。このルミナス・グラデールは忠臣としてあなたの愚行を正し、国を再建することを誓います。いざ、ご覚悟を!!!」
本来王権を持つはずの女王が王位を奪われ、婚約者でもあった高位貴族に捨てられていました。
当然ながら悪魔崇拝なんというものは濡れ衣で、このルミナス・グラデールという男は幼馴染を"真実の愛"の相手としており、権力も"真実の愛"も掴むために女王との結婚直後に事をなして簒奪したのです。
呆れるほどのクズっぷりですわね。
この女王陛下は当然ながら復讐を誓っていましたが、もう二度と王にはなりたくないという方だったので当然ながら支援して元婚約者ルミナスを倒し、復讐完了後には王国をエアベルト王国に禅譲してもらいました。
元女王陛下は逞しい方がお好みということでシオル王子には合わなかったので、別の方を紹介しておきました。
今では仲睦まじく夫婦で我が国の将軍をしています。
◇
次はなんとグレージュ帝国です。
この国は周辺国の中で最大の武力を保持する強国ですが、次期皇帝が"真実の愛"に目が眩んで世界を相手に戦いそうなバカです。
なんと政略結婚の相手である属国の姫君を堂々とないがしろにして愛人を囲いまくっています。その愛人の一人に入れこんでいて、彼女が世界を私にとか言っちゃうバカで、次期皇帝はそれを聞いてしまうバカだったのです。
次期皇帝は好色な男で、目にした女は全て抱くようなバカなので私が愛人になろうと思ったのですが、シオル王子に止められました。
目をウルウルさせながら何も言わずに私の服の袖を掴む様子はとても保護欲を掻き立てられました。
とても可愛かったですごちそうさま。
しかし、愛人になる方法は採れなくなったので、素直に次期皇帝を恨む連中を焚き付け、属国には蔑ろにされている事実を暴露しました。また聖女シェラにお願いして神敵と宣言してみました。
それでも行動を変えない次期皇帝はなんと無理やり愛人にした女に切られました。
……私、ここで何もしていないですね……ラッキーでいいでしょうか?
次期皇帝の強大さに集まってきていた者たちは、次期皇帝が弱みを見せるとさ~っと波が引くようにいなくなりました。しかも一部は火事場泥棒の様にいろんなことをやらかしてくれました。財産や権利を盗むもの、醜聞を流布するもの、しれっと離婚を勝ち取って離反するもの……。
私はエアベルト王国にとって都合の良い状況を生み出すために、きっちりと次期皇帝と世界をねだったバカ愛人を拘束して老齢の皇帝にお渡しして、処刑まで見守りました。
「さすが次期皇帝と目されるだけはあって、あそこまで醜聞を振りまいた状況から強引に状況をひっくり返そうとしたのには驚いたよね」
配下だけを引き連れて皇帝暗殺を狙った次期皇帝の強引さに草食系のシオル王子はドン引きでした。
たまにはあれくらいの強引さを発揮してもらっても楽しそうなのですが、そんな日は来そうにありませんねと、エメリア様とお茶をしながらため息を吐いてしまったのは内緒です。
なお、グレージュ帝国は次期皇帝が強大すぎて争えるようなものを軒並み処刑してしまっていたため、現在進行形で後継者争いを繰り広げてくださっています。
なるべく長く争って余力をなくしてほしい一方で、民への影響は抑えたいので、水面下で難易度の高いミッションを遂行しています。
リオレスト将軍が……。
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