46 / 46
第46話 クズの末路⑨
しおりを挟む
「では、不幸な行き違いがあったようだが、無事晴れたようだ」
「えぇ、今後とも節度あるお付き合いをお願いいたします」
やっぱり強引に終わらせに来たな。そして、領主様はかなりの壁を作っている。
「では、次に、そちらのラクス様は優秀な冒険者とのこと。さらに今回のことで王家から陸爵の話もあがっているとか。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
終わったと思ったら俺に話を振って来た。
「ラクス殿はとても優秀です。スタンピードのモンスターからこの街を守り、さらには打ち倒したのだから」
領主様が……これは自慢かな?
「さらにエランダのことを許し、シファとの婚約もして頂きましたので、ようやく私も肩の荷がおりると期待しております」
「それはめでたいな。しかし、ドラゴンを倒したという快挙を成し遂げたのだ。その功績は光り輝くばかり。今後のことを考え、どうだろうか。このミネルヴァと結婚し、王国にさらに貢献していくといい」
「お断りします」
「!?」
領主様の言葉に被せて公爵がいきなり話を振ってきたが、間断なく宣言してしまった。
周囲の驚愕の視線を受けて、『あっ』と思ったけど、もう遅い。まぁ、嫌だから別にいいか。シファの目の前だしな。
「もしや照れておるのか。それとも婚約者への義理か。心配することはない。シファ殿も娶ればよい。貴族になるのだから特に問題はないはずじゃ」
『そろそろよいかの?聞こえておるか?』
「誰だ?」
「そもそも俺はシファが好きなので、可愛い天使のようなシファ以外との結婚なんか考えていません。それに陸爵という話は特に聞いていませんし、俺は冒険者です。このダンジョンに潜り続ける義務もあるのでここにいますが、俺は俺を支えてくれたシファとずっとここにいます」
「……」
あれ?なんか通信魔道具から声がしていたけど、怒りに任せて喋ってしまった。
「ただの冒険者が貴族の誘いを断るだと?」
「えぇ。何か問題がありますか?今この場でぶっ……」
『待ちなさい、ラクス。私が話しているのに遮るとは良い度胸だな、貴様』
「申し訳ございません、陛下」
「はっ?」
そう、この通信の相手は国王陛下だ。
普段は俺のことをなぜか気に入ったらしい王女様と話しているけど、持ち主はこの方だ。
「へっへっへっ陛下?」
『ずいぶんと勝手なことをしておるようだな、公爵よ』
「めっ、めっそうもありません」
その後は特に話にならなかった。
公爵は失態を記録され、さらに王家がこの日のために用意してたのかなと思うくらいたくさんの違法行為をあげられ、粛清された。
まぁ叩けば出るよね。
興味もないから知らない。
そして夜、真っ赤な顔をしたシファに『嬉しかったです』と言われ、語り合い、夜部屋に帰そうとしたら怒られ……あとはご想像にお任せします……。
「えぇ、今後とも節度あるお付き合いをお願いいたします」
やっぱり強引に終わらせに来たな。そして、領主様はかなりの壁を作っている。
「では、次に、そちらのラクス様は優秀な冒険者とのこと。さらに今回のことで王家から陸爵の話もあがっているとか。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
終わったと思ったら俺に話を振って来た。
「ラクス殿はとても優秀です。スタンピードのモンスターからこの街を守り、さらには打ち倒したのだから」
領主様が……これは自慢かな?
「さらにエランダのことを許し、シファとの婚約もして頂きましたので、ようやく私も肩の荷がおりると期待しております」
「それはめでたいな。しかし、ドラゴンを倒したという快挙を成し遂げたのだ。その功績は光り輝くばかり。今後のことを考え、どうだろうか。このミネルヴァと結婚し、王国にさらに貢献していくといい」
「お断りします」
「!?」
領主様の言葉に被せて公爵がいきなり話を振ってきたが、間断なく宣言してしまった。
周囲の驚愕の視線を受けて、『あっ』と思ったけど、もう遅い。まぁ、嫌だから別にいいか。シファの目の前だしな。
「もしや照れておるのか。それとも婚約者への義理か。心配することはない。シファ殿も娶ればよい。貴族になるのだから特に問題はないはずじゃ」
『そろそろよいかの?聞こえておるか?』
「誰だ?」
「そもそも俺はシファが好きなので、可愛い天使のようなシファ以外との結婚なんか考えていません。それに陸爵という話は特に聞いていませんし、俺は冒険者です。このダンジョンに潜り続ける義務もあるのでここにいますが、俺は俺を支えてくれたシファとずっとここにいます」
「……」
あれ?なんか通信魔道具から声がしていたけど、怒りに任せて喋ってしまった。
「ただの冒険者が貴族の誘いを断るだと?」
「えぇ。何か問題がありますか?今この場でぶっ……」
『待ちなさい、ラクス。私が話しているのに遮るとは良い度胸だな、貴様』
「申し訳ございません、陛下」
「はっ?」
そう、この通信の相手は国王陛下だ。
普段は俺のことをなぜか気に入ったらしい王女様と話しているけど、持ち主はこの方だ。
「へっへっへっ陛下?」
『ずいぶんと勝手なことをしておるようだな、公爵よ』
「めっ、めっそうもありません」
その後は特に話にならなかった。
公爵は失態を記録され、さらに王家がこの日のために用意してたのかなと思うくらいたくさんの違法行為をあげられ、粛清された。
まぁ叩けば出るよね。
興味もないから知らない。
そして夜、真っ赤な顔をしたシファに『嬉しかったです』と言われ、語り合い、夜部屋に帰そうとしたら怒られ……あとはご想像にお任せします……。
40
お気に入りに追加
130
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました
ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。
そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった……
失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。
その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。
※小説家になろうにも投稿しています。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
第32話を読んで
アレサンドロ
クズの中のクズ、キングofクズですね。
少しだけエランダに同情しました。
コメントありがとうございます!
やつが最低野郎ですね。
第19話を読んで
次々とバレる嘘、ジキルとクレアはトンズラ !
続きが、スゴく楽しみです。
コメントありがとうございます!
嬉しいです!!!
第16話を読んで
真実はひとつ、ついに嘘がバレましたね。
続きを楽しみにしています
コメントありがとうございます!
原因もあるのですが、嘘のレベルが低いので芋づる式にバレますw