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第27話 酒場回③
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「それにしてもジキルのやつは。とんでもなかったな」
「あいつ死体すらみつからないんだろ?クレアさん曰く、婚約者でお腹に子供がいるエランダ様を置いて逃げたらしいじゃん」
「クズ過ぎる」
「そのエランダ様も行方不明なんだろ?どこに行ったんだろうな?」
「どこかで生きてて、もしエランダ様が出産したら、リオフェンダールの血だろ?将来お家騒動とかなければいいけど……」
ちなみにアレサンドロとジキルはドラゴンのブレスの餌食になったことはほぼ確実視されていた。
なにせ砦から出て行くのをクレアが見ており、馬車の後が道に残っていて、その馬車の後の先にブレスが着弾して爆発、大火事になっていたのだから。
一方でエランダの行方はわかっていなかった。
黒き森に入ったのはわかっているが、その先が追えなかったのだ。
「まぁ、結晶を王家に献上したときの願いの1つが、シファ様を次期子爵と認めてもらうことらしいから、そういった対策は領主様はちゃんと考えてると思うわよ?」
「だよな。領主様なら安心だ」
「それにしてもラクス様が行方不明になって以降、暗かった街が一気に明るくなったよな」
「まぁ、スタンピードで一回真っ暗になったけどね」
「それすら薙ぎ払ってくれたラクス様に乾杯だ」
「あぁ、乾杯!」
「いいね!乾杯!」
「でも、そう言えば今日はクレアさんもラクス様もいねぇな」
「クレアさん、あの胆力はすげぇな。俺ならあれだけやらかした後に普通にギルドや酒場にいたり、"閃光"に居座ってるのは無理だ」
「なんでも『私はラクスの奴隷になってもいいから、残して……いや、いっそ安心するから抱いて』だっけ?」
「爆笑した」
「あそこまで打算しかない告白も珍しいよな」
「断るラクス様の方が平常心保ててなかったの、ここで見てて笑っちまった」
「シファ様に見つかってクレアさんが公開打撃刑くらったやつだろ?笑っちゃいけないけど笑った」
「思い出させるなよ。『シファ……こういうのが好み?わかった。拘束した私をラクスに〇させながら叩けばいい』とかやばい」
「ぶはっ」
「やめろよ」
「ほんとにな。あれだろ?ラクス様達"閃光"は明日からダンジョン探索だろ?」
「あぁ、マジで行くのか」
「行くらしい」
「なんかあったのか?」
「ほら、ジキルがいなくなって、"閃光"のメンバーがラクス様とミシェールさんとクレアだけになっただろ?」
「あれ?ジキルが2人くらい入れてなかった?」
「あの2人はスタンピードで死んだ」
「そうか」
「で、なぜか隣町のギルド長の娘のメリアさんが加入したんだ」
「なんでだよ」
「なんでも、スタンピードって聞いて戻るラクスさんにくっついてきたんだってさ」
「くっ、まさかのお邪魔虫……」
「いや、一旦帰ってたらしいけど、ダンジョンに興味があるってんでもう一回来て強引に加入したらしい。ちなみに実力は問題ないんだってさ」
「なるほど」
「そるなると男はラクス様1人で、女3人だろ?」
「なんだその羨ましいハーレムは」
「それにシファ様が拗ねたらしくてな」
「は?」
「拗ねるシファ様かわゆい」
「で、シファ様も行くらしい」
「は?」
「なにしてるの」
「知らん。でも領主様も許可したらしくって、ハーレム確定なんだってさ」
「ウケる。きっとラクス様が緊張してそうなのがウケる」
「ははははははは」
そうして今日も夜が更けていくのだった……。
「あいつ死体すらみつからないんだろ?クレアさん曰く、婚約者でお腹に子供がいるエランダ様を置いて逃げたらしいじゃん」
「クズ過ぎる」
「そのエランダ様も行方不明なんだろ?どこに行ったんだろうな?」
「どこかで生きてて、もしエランダ様が出産したら、リオフェンダールの血だろ?将来お家騒動とかなければいいけど……」
ちなみにアレサンドロとジキルはドラゴンのブレスの餌食になったことはほぼ確実視されていた。
なにせ砦から出て行くのをクレアが見ており、馬車の後が道に残っていて、その馬車の後の先にブレスが着弾して爆発、大火事になっていたのだから。
一方でエランダの行方はわかっていなかった。
黒き森に入ったのはわかっているが、その先が追えなかったのだ。
「まぁ、結晶を王家に献上したときの願いの1つが、シファ様を次期子爵と認めてもらうことらしいから、そういった対策は領主様はちゃんと考えてると思うわよ?」
「だよな。領主様なら安心だ」
「それにしてもラクス様が行方不明になって以降、暗かった街が一気に明るくなったよな」
「まぁ、スタンピードで一回真っ暗になったけどね」
「それすら薙ぎ払ってくれたラクス様に乾杯だ」
「あぁ、乾杯!」
「いいね!乾杯!」
「でも、そう言えば今日はクレアさんもラクス様もいねぇな」
「クレアさん、あの胆力はすげぇな。俺ならあれだけやらかした後に普通にギルドや酒場にいたり、"閃光"に居座ってるのは無理だ」
「なんでも『私はラクスの奴隷になってもいいから、残して……いや、いっそ安心するから抱いて』だっけ?」
「爆笑した」
「あそこまで打算しかない告白も珍しいよな」
「断るラクス様の方が平常心保ててなかったの、ここで見てて笑っちまった」
「シファ様に見つかってクレアさんが公開打撃刑くらったやつだろ?笑っちゃいけないけど笑った」
「思い出させるなよ。『シファ……こういうのが好み?わかった。拘束した私をラクスに〇させながら叩けばいい』とかやばい」
「ぶはっ」
「やめろよ」
「ほんとにな。あれだろ?ラクス様達"閃光"は明日からダンジョン探索だろ?」
「あぁ、マジで行くのか」
「行くらしい」
「なんかあったのか?」
「ほら、ジキルがいなくなって、"閃光"のメンバーがラクス様とミシェールさんとクレアだけになっただろ?」
「あれ?ジキルが2人くらい入れてなかった?」
「あの2人はスタンピードで死んだ」
「そうか」
「で、なぜか隣町のギルド長の娘のメリアさんが加入したんだ」
「なんでだよ」
「なんでも、スタンピードって聞いて戻るラクスさんにくっついてきたんだってさ」
「くっ、まさかのお邪魔虫……」
「いや、一旦帰ってたらしいけど、ダンジョンに興味があるってんでもう一回来て強引に加入したらしい。ちなみに実力は問題ないんだってさ」
「なるほど」
「そるなると男はラクス様1人で、女3人だろ?」
「なんだその羨ましいハーレムは」
「それにシファ様が拗ねたらしくてな」
「は?」
「拗ねるシファ様かわゆい」
「で、シファ様も行くらしい」
「は?」
「なにしてるの」
「知らん。でも領主様も許可したらしくって、ハーレム確定なんだってさ」
「ウケる。きっとラクス様が緊張してそうなのがウケる」
「ははははははは」
そうして今日も夜が更けていくのだった……。
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