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第1章 なんで私が追放なのよ!
第19話 アホ勇者のダメな点はこれです
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(えぇと、初めましてだと思うけど、とりあえず謝った方がいいいのではないだろうか?)
(はじめましてだな……なぜ怒られているのだろうか? パーティーを追放したからそこは申し訳なく思っているが……)
なぜ2人でこそこそ話しているのでしょうか?
「……」
こういう時、急かしてはいけないことは分かっていますので、私は無言で待っています。ギルドカードを弄りながら……。
(ほら、めっちゃ怒ってる。きっとキミを心配していたのではないだろうか? なにか特別な関係だったとか?)
(そんなことはない。むしろあなたとは良い関係のようだな。俺は実家の爵位が低く、パーティーで雑用を申し付けられることも多かったので気にはされていたと思うが……)
(そうだったのか。まぁただ、彼女の言う通りだ。無理をせず頼ればよかった。素直に謝れ。話はそこからだ)
(むぅ…)
話がまとまったようです。
「その……エメリア様。心配をかけて申し訳ない」
「プラチナトレントの枝を防ぐあなたを見てびっくりしたのですよ?」
「すみません……」
「無事だったから許してあげますが、次はありませんからね?」
「……あぁ……」
ようやく少し理解したようですね。ディルクはしっかりと私を見て謝ってきましたので、許してあげましょう。
「レオ、ディルクもパーティーに加えてよろしいでしょうか?」
もうあんなアホ勇者パーティーには置いておけません。仲間を何だと思っているのでしょうか? 前のあのエロフも見捨てたとか聞いたような……?
「構わないが、良いのか?」
「エメリア様……さすがに勝手には……」
少しディルクと会話したことでレオは警戒を解いたようです。一方、ディルクは色々と気にしているようで、戸惑った様子です。酷い状況に追い込まれたというのに。
「問題ありません。アホ勇者パーティーはディルクを見捨てたのです。既にお父様には連絡をしました」
「えぇと、一応、ここに居残ったのは自分の意思だったのだが……」
「関係ありません。パーティーの状態を把握して行動するのはリーダーの務めです。聞く限り、自棄を起こしていたとかは関係なく、あなたが残らなければ他のパーティーメンバーが犠牲になっていたでしょう」
ディルクが残って攻撃を受け止めたから逃げられたのです。ディルクも一緒に逃げていたら、誰かしらプラチナトレントの枝の犠牲になっていたでしょう。
「心配は分かります。特にご実家のことは。ですので、お父様に言って、国王陛下とも連携しておきますので、問題にはしません」
「えぇと……」
釈然としない表情ですね……。
「それとも私たちと行くのは不満ですか? それなら止めませんが……」
「えぇ? いや、そんなことは……」
アホ勇者パーティーでは唯一信頼できる相手としてそれなりに会話もしてきたのですが、もしかして嫌われていたでしょうか……。それは少し悲しいですね。
「泣かしたな……」
「えぇ???」
レオがそう言いながら剣を抜こうとしていますが、ディルクは慌てています。
「そっ、そんなことはない。嫌などと。むしろあんなパーティーというか、勇者様に義理立てして死ぬなんてアホみたいだから。なぜ、まるで新米パーティーの様に連携を確認しながらこんな未知の場所を探索しなければならない? それで出てきた未知の敵にただただ全力で戦いを挑むなんてアホか!? と、思っていた。どうせ俺の意見なんか聞かないやつらと一緒になんかやってられるか!」
ようやく感情の一端を吐き出したようですね。思いっきり叫んだことで少し顔がすっきりしたようです。
「ルーディア大陸の攻略が上手く行き過ぎたのでしょうね。それで図に乗ってしまった。勘違いしてしまったのですわ。もちろん、持っているスキルが強力なのは認めますが、使いどころを考えずただ振り回すだけ。しかも、場を整えてくれる味方を捨てていくとなれば、辿り着く先はただの破滅ですわ」
私も便乗しておきます。
悪口もたまには出して行かないと、ため込むのは毒です。
レオに引かれないように気を付けないといけないですが。
「さすがに聞く限り同情の余地はないし、あまり会いたい相手ではないな。ルーディア大陸に仲間を探しに行って紹介してもらえたのがエメリアで本当に良かった」
よし。レオもちゃんとこっち側ですわ。すりすり……。
「リア、くすぐったい」
「ちゅぅ~♡」
ストレス解消はこっちの方がいいですね。首に手を回しながらキスをすると、レオはディルクを気にしながら真っ赤な顔をしつつもちゃんと私を抱きしめてくれました。
『話はまとまったようですね……』
「えぇ。木の精霊様」
まさか忘れていましたとは言えないですね。それくらいディルクのことが心配で、アホ勇者への怒りが収まりきらなかったのと、レオが可愛かったのですわ……。すみません。
『もしよければ私と契約をしてもらえないでしょうか?』
「よろしいんですか?」
忘れていたなんて酷い思いを抱える私に、木の精霊様はやさしく提案してくれました。こちらとしては願ってもないことです。ロデリグ大陸ではじめて見かけた精霊様ですし、かつてラオベルグラッドの守り神だったなんていう素晴らしい精霊様です。
『力を回復していく必要があるからあまりたいしたことはしてあげれませんが、あなたたちに守りを与えることはできるでしょう』
木の精霊様はそう言うとちゃっちゃと契約を……いいのでしょうか?これ、かなり私に有利な契約というか、対価がほとんど不要なのですが……。
『ラオベルグラッドへの贖罪もあるのです。大見えをきって、任せろと言ったにもかかわらず私が闇に落ちてしまうとは情けない。今後は守ります』
自らを省みていらっしゃいますが、過去のラオベルグラッドはこの木の精霊様に何をしたのでしょうか?
「守り神様、感謝します。先祖にかわって」
レオが大仰な構えをとって礼を言っています。本当に良い関係ですわね。
『ありがとう。あなたは自分が生まれたのは私のおかげと言いましたが、私こそここでこうして存在していられるのは過去のラオベルグラッドのおかげなのです』
そうして、私は無事、木の精霊様と契約し、私たち3人は"銀樹の守り"というなんと常時発動型の守備スキルを手に入れました。
「俺まで貰ってよかったのだろうか?」
『あなたにも迷惑をかけましたから。それにラオベルグラッドと精霊術師殿とパーティーを組むのであれば、あなたを守ることは私の利益にもなります。お気になさらず』
ディルクが戸惑っていますが、木の精霊様が丁寧に説明されて……律儀ですね。
そうして、私たちは無事、この周辺を闇の魔力から解放して、レオの村へ戻りました。
(はじめましてだな……なぜ怒られているのだろうか? パーティーを追放したからそこは申し訳なく思っているが……)
なぜ2人でこそこそ話しているのでしょうか?
「……」
こういう時、急かしてはいけないことは分かっていますので、私は無言で待っています。ギルドカードを弄りながら……。
(ほら、めっちゃ怒ってる。きっとキミを心配していたのではないだろうか? なにか特別な関係だったとか?)
(そんなことはない。むしろあなたとは良い関係のようだな。俺は実家の爵位が低く、パーティーで雑用を申し付けられることも多かったので気にはされていたと思うが……)
(そうだったのか。まぁただ、彼女の言う通りだ。無理をせず頼ればよかった。素直に謝れ。話はそこからだ)
(むぅ…)
話がまとまったようです。
「その……エメリア様。心配をかけて申し訳ない」
「プラチナトレントの枝を防ぐあなたを見てびっくりしたのですよ?」
「すみません……」
「無事だったから許してあげますが、次はありませんからね?」
「……あぁ……」
ようやく少し理解したようですね。ディルクはしっかりと私を見て謝ってきましたので、許してあげましょう。
「レオ、ディルクもパーティーに加えてよろしいでしょうか?」
もうあんなアホ勇者パーティーには置いておけません。仲間を何だと思っているのでしょうか? 前のあのエロフも見捨てたとか聞いたような……?
「構わないが、良いのか?」
「エメリア様……さすがに勝手には……」
少しディルクと会話したことでレオは警戒を解いたようです。一方、ディルクは色々と気にしているようで、戸惑った様子です。酷い状況に追い込まれたというのに。
「問題ありません。アホ勇者パーティーはディルクを見捨てたのです。既にお父様には連絡をしました」
「えぇと、一応、ここに居残ったのは自分の意思だったのだが……」
「関係ありません。パーティーの状態を把握して行動するのはリーダーの務めです。聞く限り、自棄を起こしていたとかは関係なく、あなたが残らなければ他のパーティーメンバーが犠牲になっていたでしょう」
ディルクが残って攻撃を受け止めたから逃げられたのです。ディルクも一緒に逃げていたら、誰かしらプラチナトレントの枝の犠牲になっていたでしょう。
「心配は分かります。特にご実家のことは。ですので、お父様に言って、国王陛下とも連携しておきますので、問題にはしません」
「えぇと……」
釈然としない表情ですね……。
「それとも私たちと行くのは不満ですか? それなら止めませんが……」
「えぇ? いや、そんなことは……」
アホ勇者パーティーでは唯一信頼できる相手としてそれなりに会話もしてきたのですが、もしかして嫌われていたでしょうか……。それは少し悲しいですね。
「泣かしたな……」
「えぇ???」
レオがそう言いながら剣を抜こうとしていますが、ディルクは慌てています。
「そっ、そんなことはない。嫌などと。むしろあんなパーティーというか、勇者様に義理立てして死ぬなんてアホみたいだから。なぜ、まるで新米パーティーの様に連携を確認しながらこんな未知の場所を探索しなければならない? それで出てきた未知の敵にただただ全力で戦いを挑むなんてアホか!? と、思っていた。どうせ俺の意見なんか聞かないやつらと一緒になんかやってられるか!」
ようやく感情の一端を吐き出したようですね。思いっきり叫んだことで少し顔がすっきりしたようです。
「ルーディア大陸の攻略が上手く行き過ぎたのでしょうね。それで図に乗ってしまった。勘違いしてしまったのですわ。もちろん、持っているスキルが強力なのは認めますが、使いどころを考えずただ振り回すだけ。しかも、場を整えてくれる味方を捨てていくとなれば、辿り着く先はただの破滅ですわ」
私も便乗しておきます。
悪口もたまには出して行かないと、ため込むのは毒です。
レオに引かれないように気を付けないといけないですが。
「さすがに聞く限り同情の余地はないし、あまり会いたい相手ではないな。ルーディア大陸に仲間を探しに行って紹介してもらえたのがエメリアで本当に良かった」
よし。レオもちゃんとこっち側ですわ。すりすり……。
「リア、くすぐったい」
「ちゅぅ~♡」
ストレス解消はこっちの方がいいですね。首に手を回しながらキスをすると、レオはディルクを気にしながら真っ赤な顔をしつつもちゃんと私を抱きしめてくれました。
『話はまとまったようですね……』
「えぇ。木の精霊様」
まさか忘れていましたとは言えないですね。それくらいディルクのことが心配で、アホ勇者への怒りが収まりきらなかったのと、レオが可愛かったのですわ……。すみません。
『もしよければ私と契約をしてもらえないでしょうか?』
「よろしいんですか?」
忘れていたなんて酷い思いを抱える私に、木の精霊様はやさしく提案してくれました。こちらとしては願ってもないことです。ロデリグ大陸ではじめて見かけた精霊様ですし、かつてラオベルグラッドの守り神だったなんていう素晴らしい精霊様です。
『力を回復していく必要があるからあまりたいしたことはしてあげれませんが、あなたたちに守りを与えることはできるでしょう』
木の精霊様はそう言うとちゃっちゃと契約を……いいのでしょうか?これ、かなり私に有利な契約というか、対価がほとんど不要なのですが……。
『ラオベルグラッドへの贖罪もあるのです。大見えをきって、任せろと言ったにもかかわらず私が闇に落ちてしまうとは情けない。今後は守ります』
自らを省みていらっしゃいますが、過去のラオベルグラッドはこの木の精霊様に何をしたのでしょうか?
「守り神様、感謝します。先祖にかわって」
レオが大仰な構えをとって礼を言っています。本当に良い関係ですわね。
『ありがとう。あなたは自分が生まれたのは私のおかげと言いましたが、私こそここでこうして存在していられるのは過去のラオベルグラッドのおかげなのです』
そうして、私は無事、木の精霊様と契約し、私たち3人は"銀樹の守り"というなんと常時発動型の守備スキルを手に入れました。
「俺まで貰ってよかったのだろうか?」
『あなたにも迷惑をかけましたから。それにラオベルグラッドと精霊術師殿とパーティーを組むのであれば、あなたを守ることは私の利益にもなります。お気になさらず』
ディルクが戸惑っていますが、木の精霊様が丁寧に説明されて……律儀ですね。
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